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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第九話

デブリ帯にやってきた俊達はAIに指示を出して採掘を開始した。


それと同時に、採掘艦の量産体制にはいる。


今のところ、AIが全てやってくれるのですることがない。


ハルカは宇宙船が大好きなようで、明石に登録されているデータを用いて艦の設計をしていた。


俊は、それを横目に戦闘シミュレーションを繰り返している。


様々な想定でシミュレーションを繰り返す。


シミュレーションの結果をみて、今後の作る艦船を決める予定なのだ。


当面の目標は大型輸送艦を1艦増やす。


これで、大型輸送艦が2艦になるので、1艦を護衛をつけてステーションに向かわせ採掘ギルドと取引をする。


そうなってくると、駆逐艦級も後5艦は必要だ。


他の戦闘艦も作りたいが、まずは基盤を固めるのが重要だろう。






数日が経過して、順調に資源も集まり駆逐艦級が5艦揃ったところでハーリー星系の冒険者組合から通信が入った。


「冒険者組合に所属する、全組合員に緊急連絡。近隣にて大規模な宇宙海賊が確認された。繰り返す。近隣にて大規模な宇宙海賊が確認された」


指定されたポイントを確認すればここから近い。


「宙域の安全を確保するため、緊急ミッションの発令を宣言する」


「緊急ミッション?」


「マスター。緊急ミッションは基本的に強制参加です。参加されたほうがいいでしょう」


「よし。混乱を避けるために、登録済みの航空母艦と駆逐艦5艦で向かおう」


「無人の運用は避けたほうがいいでしょう。どうされますか?」


「僕が航空母艦に乗るよ。こちらの指揮はハルカに任せる」


「了解しました。最低限の食料と水を運び込みます」


俊は、連絡艇に乗り込み航空母艦に移動した。


「マスター。いつでも、出航可能です」


「それでは出発」


俊を乗せた、航空母艦と駆逐艦5艦は指定されたポイントに向け出発した。






指定されたポイントでは逃げ回る掘削艦に宇宙海賊と思われる艦が攻撃をくわえているところだった。


その数はざっと50艦ほど。


民間船を改造したと思われる艦が多い中で数艦ほどは軍艦であった。


戦力差を考えれば時間稼ぎをするしかない。


俊は冒険者組合の所属艦が集まってくるまで時間稼ぎを開始した。


数の有利で判断したのか迂闊にも射程に入った宇宙海賊の艦を3艦撃破した。


それでもまだまだ数の差は埋められない。


被害を嫌ったのか相手側が積極的に仕掛けてこないのが救いだろうか。


3時間ほどして、ステーションの方から冒険者組合所属艦が陣形を組みながらやってきた。


宇宙海賊はそれを見て撤退を開始した。

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