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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第七話

俊はハルカのおかげで色々、情報を得ることが出来た。


「あらぁ?奴隷ちゃんがこんなお店にいるなんて、余裕があるのね」


そう言って絡んできたのは体をくねくねしている線の細い男だ。


どこか、オカマぽい。


「ドリトルさん・・・」


ハルカはどうやら面識があるらしい。


口調が重いことを考えると楽しい知り合いではなさそうだが・・・。


「奴隷って・・・?」


「私、孤児なんだ・・・。養護施設から出た時に詐欺にあってね。奴隷になちゃった・・・」


中々、暗い話である。


「それはまた・・・」


「でも、私はまだいい方だよ。オンボロだけど採掘艦を与えられて最低限の生活はできてるからね」


ハルカはかなり整った顔立ちをしている。


スタイルもモデルのように整っている。


「ちなみに所有者は・・・?」


「へぇ~。少年、この子に興味あるんだ?」


そこでドリトルが話しかけてくる。


「興味というか、同情はしますね」


「同情ねぇ。まぁ、お金がなければ何にもならないんだけどね」


お金かぁ・・・。


手持ちは海賊船を売った分だけだ。


懐に余裕があるわけではない。


でも、もしかしたら何とかなるかもしれない。


大型輸送艦にはそれなりに資材が溜まっている。


それを売れば何とかなるだろう。


「ハルカ。採掘ギルドって僕も登録できるのかな?」


「えっと・・・。うん。大丈夫だと思うけどどうして?」


「資源を売ろうと思ってね」


「あら?本気なんだ。まぁ、払えるといいわね」


ドリトルはそれだけ言って去って行った。






俊はハルカに案内されて採掘ギルドにやってきた。


「あら、ハルカちゃん。また来たの?」


「シュンミンさん・・・。この人が採掘ギルドに用があるっていうから」


「見ない顔ね・・・。まずは、採掘ギルドについて説明が必要かしら?」


「お願いします」


「採掘ギルドでは各種、鉱石や貴金属の買取をしているわ。登録にはお金が必要よ。貢献度によってランク付けされるの。ランクによって各種サービスが向上するから頑張ってね」


「まずは登録からですね」


端末から情報を送る。


お金の方はぎりぎり足りた。


「鉱石や貴金属の在庫があるなら買い取るけど、どうする?」


「お願いします」


俊はAIに通信を送って、大型輸送艦に乗せられている鉱石と貴金属のリストを作ってもらっていた。


「あらあら・・・。すごい量ね」


「買い取りをお願いしてもいいですか?」


「えぇ。入金は搬入を終えてからになるけどいいかしら?」


「構いません」


「船の位置が遠いわね。指定した場所に入港してちょうだい」


俊はAIに採掘ギルドに従うように指示を出した。

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