第三十八話
スペースウォーのチーム対抗戦まで残り1か月になっていた。
あれから特に問題などは起きていない。
「あれ?運営からの通達?」
そう声を出したのは楓だった。
「何て書いてあるの?」
「ええっと・・・。銀河帝国艦隊への勧誘?」
「なんで、銀河帝国艦隊?」
「貴方達知らなかったのねん。スペースウォーの運営は銀河帝国艦隊がしてるのよん。成績のいい人材をスカウトしてるのよん」
「どうしたらいいんですか?」
「無視しても大丈夫よん」
それから、銀河帝国艦隊への勧誘は他の従業員のところにもやってきていたようだ。
全員ここでの仕事に満足しているとのことで勧誘に乗った従業員はいなかった。
余談であるが俊には勧誘のお誘いはなかった。
かなりプレイしているが、自分の才能がないことの証明のようで少し悔しかったりする。
「あらん?落ち込んでるのん?」
「ドリトルさん・・・」
「艦種を変えてる人は勧誘されにくいのよん」
ドリトルさんはそうフォローしてくれた。
俊は現在、重巡洋艦を強化している最中だ。
ポイントの消費が激しくあまり改造できていない。
「ちなみに、ドリトルさんには来たんですか?」
「私・・・?私って昔は傭兵だったのよん」
「傭兵ですか?」
「そうそう。お金があればどんなところにも行く、アウトローだったのよん」
「それが今は金貸しの中間管理職ですか?」
「やんちゃな頃は卒業したのよん。それに基本AI任せでお給料がもらえるんだから楽な仕事よねん」
「僕らも人のこと言えませんね」
俊達も基本はAI任せだ。
宇宙海賊や宇宙生物といった危険な相手もいる。
だが、戦力を増強し続けている今ボーナスのようにしか見えていなかった。
宇宙海賊の艦もそこそこの値段で売れるし、宇宙生物もいいお金になる。
「まぁ、貴方達の勢力はここらじゃ敵なしだものねん」
「前の、宇宙海賊の拠点の時はひやりとしましたけどね」
あれは銀河帝国艦隊が現れたなかったら全滅していてもおかしくなかった。
俊の目標としてはどんな相手にも余裕で勝てるような大艦隊を作ることだ。
銀河帝国艦隊を相手にすることはないと思うが、あれだけの大艦隊を相手にできるような戦力を整えたい。
万能工作艦明石なら時間はかかるがそれが可能だ。
いきなり宇宙空間に放り込まれて最初は困惑しかなかった。
父親であるカールの趣味に感謝するしかない。
おかげで大切な人を守る為に戦力を整えることができる。
思えば宇宙に出て大切な人が増えた。
ハルカを筆頭に従業員もいい子達ばかりだ。
誰1人失いたくはない。




