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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第十九話

「色々すまなかった。本当なら、手元に呼び寄せたいところではあるが、現在の状況を説明する。現在、マーキュリー家はお家騒動の真っ最中だ。私の兄で、長兄だったファルロンが亡くなった。私達が呼び戻されたのもそのせいだ」


マーキュリー家がかなり力を持っているのはわかっていたが、そんなことになっているとは・・・。


「下手に呼び寄せるよりは、辺境で自由に暮らした方が安全だと判断したの。実家にお願いして、艦隊を派遣させたけど、何度も使える手ではないから十分な戦力を蓄えることをお勧めするわ」


あの大艦隊は動かすだけでもかなりの費用がかかるだろう。


俊の為だけに派遣してくれたことを考えると申し訳ない。


メッセージはそれで終了した。






俊はベッドに横になる。


思っていた以上に疲れていたのか、横になるとすぐに眠りに落ちた。


俊は夢を見ていた。


まだ、幼い頃の夢だ。


隣には笑っている女の子。


小学校の頃は、よく遊んでいた。


子供の頃によくある話で、結婚も約束した仲だ。


思春期にありがちで中学校にあがると自然と距離ができた。


高校生になって同じ学校に通っていたが、挨拶を軽くかわす程度だった。


彼女は、今頃どうしているのだろう?


突然、いなくなった自分を心配してくれているだろうか・・・。


両親の家庭環境は複雑だ。


下手に接触すれば巻き込みかねない。


それを考えたら、会わない方がいいだろう。


夢の最後に現れた彼女は、泣いているように見えた。






「ピッピッピッ。マスター起床のお時間です」


「ありがとう。何を見ていたんだろう・・・」


何か夢を見ていた気がする。


でも、よくあることで夢の記憶はあっという間に消えていった。





俊は食事を食べ、指令室に向かった。


そこには皆がそろっていた。


「おはよう。何か変わったことは?」


「このデータ。凄いですね」


「そうそう。最新の銀河帝国の装備がいっぱい。色々作れそう」


「もしかして、寝てないの?」


「いやぁ・・・。ついつい、設計に夢中になちゃって・・・」


「はぁ・・・。全員、ちゃんと食事を食べて寝てくること」


「はぁい」


「了解です」


「お任せします」


全員、ちゃんと言うことを聞いてくれた。


俊も改めて、インストールされたデータを見る。


そこには実に様々な装備のデータが表示された。


確かに、これを見れば夢中になるだろう。


元々、明石にあったデータは型落ちのデータだった。


だが、今は銀河帝国艦隊の運用する最新のデータだ。


シミュレーションの機能も更新されており、俊は気になった装備を入力して、シミュレーションを開始した。

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