いらない
『いらない』
私は恋に興味を持っていきたかったし、一人でいるのも悪くない気がする。私はきっと後悔しない。恋に落ちていく。否定してみたい。
必要とされない事が悔しかった。別れは一方的になった。感じ方が違っただけだ。
私はもう女としての自信がなくなった。ずっと男と一緒にいるけど、淋しい。
OLになっても、「いらない」女なんだな。そう思った。多分これからは打算を超えた単なる雄との交わり。
私は誘いに乗っていく。どうでもよくなったのかもしれない。ただ異性の交わりは私の娯楽。その時の彼氏と「枕詞」を言っていた。
「私は一度振られた傷物だよ」
夜のベッドでそう呟く。彼氏は
「そんなのしょっちゅうだって」
それより、結婚しないか?
付き合って何度も「結婚ナンパ」の誘い。私は悪くないなと思った。
「いらないものを片付け、そして、その後にね」
そう言って、私は彼氏だった男の写真をくしゃくしゃにした。ゴミ箱に入れた。結婚できる準備をした。そして、彼氏と二人暮らしをするために、広めのアパートを探した。
しばらくは子供はいらないそうだ。私は悩んでいるが。
貴方と言うようになった。心を許した最後の人へと変化した。きっと、この夫と一緒にいなくなったら、一人で生きておくよ。もうやれる所までやるつもりだ。
ずっと、幾度と無く傷がついて、悼んだら、私はどこに行くのだろう?今は分からないけど、そのうち分かっていけるなと思いついた。
「いる人になった?」
「少なくても俺にね」
このまま生きていくのが「幸せ」なのだろうと思った。失いたくない。あの頃の思い出を思い出した。もう別れるなら私から告げたいな。その方が傷跡は少なくなるはずだから。