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ラジオ大賞6

キーワード①『カレンダー』

作者: 七宝

 イチゴの家に来るのはこれで4度目だが、いまだに緊張する。なんとなく居心地が悪いのだ。


 イチゴが「飲み物とお菓子を用意してくる」と言って部屋を出てから手持ち無沙汰だった俺は、なんとなくぼーっと壁紙やベッドの周りなんかを見渡していた。


 その中で、ベッドと壁の隙間にカレンダーが挟まっているのを見つけた。俺が先々週くらいに大学であげたものだった。

 そのカレンダーは福引の景品で貰ったもので、今どき紙のカレンダーなんか要らなかったのでイチゴに渡したのだ。


 そこに落ちているということは、やはりイチゴもカレンダーはスマホで事足りているのだろう。

 恐らくカレンダーの存在も忘れているだろうし、今のうちに回収して帰り道でコンビニにでも捨てよう。


 そう思いカレンダーを手に取ると、途中のページが浮いているのに気がついた。開けてみるとそこは今月のページで、今日のところには「○○くん(俺の名前)とおうちデート♡」と書かれていた。


 なんだ、使ってくれてたのか。見られるのが恥ずかしくて咄嗟にここに隠したのか? 可愛すぎるだろ。


 明後日から10月だけど、もしかしたらもう次のデートの予定を書いてたりして。見てみるか⋯⋯


 その時だった。


「○○く〜ん」


 イチゴが戻ってきた。戸の向こうにいるようだ。


「なに?」


「ごめん、今お盆持ってて⋯⋯開けてくれる?」


「わ、分かった!」


 俺はカレンダーを元の場所に戻し、戸を開けた。スルメとバナナシェイクだった。ナシよりのナシだった。


 それから1週間後、俺はまたイチゴの家に来た。そして、あの時と同じ場所にあったカレンダーを、同じような流れで手に取った。


 10月のページを開いた瞬間、息が止まった。


『○○くんのお通夜』


 今日の日付にそう書いてあったのだ。なんだ? イチゴのやつ、俺に恨みでもあるのか?


 腹が立ったので、カレンダーを持ってイチゴを問い詰めに行った。


「えっ⋯⋯なにこれ、私こんなの書いてないよ!」


 しらばっくれようとするイチゴ。


「そんなわけないだろ?」


「本当に知らないの。貰った日にどっか行っちゃって、存在自体忘れてた⋯⋯」


「そんな⋯⋯じゃあ、これは一体⋯⋯」


「呪いのカレンダー⋯⋯とか?」


「何言ってるんだ、バカバカしい」


 まったく、気味の悪いカレンダーだ。


 せっかくの雰囲気が台無しになったので、帰ることにした。


 家を出てすぐのところの歩道を歩いていると、軽トラが猛スピードで突っ込んできた。


 華麗に避けて普通に帰ったよ。

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― 新着の感想 ―
とても良かったです! 呪い的な怖さかな? と思いながら読んでいると、まさかの最後で笑ってしまいました! これからも作者様の作品を楽しみにしています!
死亡フラグクラッシャー! 主人公が無自覚にホラーのフラグを折り続ける「あれ? 俺またなんかやっちゃいました?」的な無双ものとかって、なろうっぽくないですか!?
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