スライムと侍
前にいたはずの人間が後ろにいた。
「スライムといえども油断は禁物です。的確に、迅速に、敵が何かする前に斬る」
"再生"と心の中で唱える。
「ほう、まだ死にませんか。あなた、ただのスライムではありませんね?」
再び斬られる前に、"硬化"。
「おや、少し硬くなりましたね」
"再生"っ!!
「させませんよ」
くっ、"分裂"!!
「なるほど、数を増やすこともできるんですね。しかし、動きがさっきよりも格段に遅い。それに」
"神速"!!
「その隙に本体は逃げようだなんて、考えが浅はかだ」
後ろにいたはずの人間が前にいた。