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第068粧 水の使者は奇跡を運ぶ

 助かった! でもどうやってここに来たんだろう?

 首を傾げていると、ウォルターが駆け寄って来た。


「助けられるなら、キュリテの方が良かった?」

「ううん、そんなことない! ありがとう!! 助かったよ!」

「にゃ……ぁ……」


 助けてくれたのに選り好みなんてしないよ!

 返事をすると、何故かオプスがショックを受けている感じがした。


「ねえ、さっきまで誰もいなかったのに、どうやって来たの? ウォルターが何かしたの? 他の人たちは?」

「自分は最近、ダーケンを追っていた」


 そう言えば最近登校時に姿を見なかったし、そんなことを聞いた気がする。


 それにしても話題の振り方が唐突過ぎる。

 多分何かしら、私の質問の内容に関わりがあるんだろうけど。


「嫌な匂いが、したから」

「匂いって……」


 駄犬くん、臭かったのか。私には分からなかったけど、駄犬なだけに獣臭でもしたのかな?

 と思っていたら、すぐに否定された。


「前も言ったけど、雰囲気みたいなもの。ダーケンの匂いは、闇の因子に関わるものだと気付いた」

「どうして闇の因子に関わるものだって分かったの?」

「……」


 ウォルターは何故か、私が抱きしめていたオプスのことをチラッと見たようだった。


 そんなオプスはモゾモゾと体を動かしたと思うと、包まれていた上着の中に完全に潜り込んでしまう。


「似た匂いを知っていた、からだ」


 うん? そのタイミングでそう言う思わせぶりなことを言うってことは、まさかオプスから闇の因子っぽい匂いがするの!?


 もしかして、私がオプスを連れ歩いていると、黒の神子だってことがバレるのでは!?


 ……って言うか、よく思い出してみると、ウォルタールートのストーリーが確かそんな感じだったと思う!


 ウォルターが黒の神子の正体を看破することで、ノワールは取り巻きや婚約者たちから見放され、周囲から爪弾きにされてしまう。

 そうして追いやられたノワールは、黒の神子として覚醒してしまうのだー!

 ……今の私には、取り巻くような人なんて居ないけどね。


 それはさておき、バレるのは凄くまずい! まだバレてないよね!?


 とりあえず平常を装おう。


「平常平常……」


 折角なので、精神安定も兼ねてオプスの匂いも確認しておこう。


 そう言えば、兄さま成分不足のときに嗅いだオプスの香りは兄さま風だった!

 また兄さまの香りするかな? なんて上着越しにクンカクンカすると嫌がられた。

 布越しなのに、何故気付いた!


「突然どうした。猫の匂いを嗅ぐ行為は、ノワールの中では平常?」


 連鎖的にウォルターに変な目で見られた!


「あ、うん。へ、平常です」


 しょうがないのでこのまま誤魔化すことにしたけど、これって誤魔化せてるのかな。


 聞いたわりに興味がなかったのか、ウォルターはすぐに元の話題に戻った。


「そうやってダーケンを追っていたら、ここに迷い込んだ。案の定、彼は闇の使者に堕ちていた。ここは恐らく、自分たちの街とは違う空間だと考える」


 あ、ここで最初の質問に戻るんだ?


「白の神子と使者は本来こういった空間に、闇の因子に囚われた者や闇の使者を隔離して浄化するらしい」

「なるほど……」


 浄化って言うけど、戦闘するってことだよね。

 そう言えば、乙女ゲームでの戦闘はさっきみたいに誰も居ないところでやっていたなあ。

 それがこの空間かあ。


「あれ? じゃあこれって、ウォルターが作った空間ってこと?」

「いや、黒い霧があると言うことは、闇側の……ダーケンによるものの可能性が高い。しかし、何のための空間なのかは分からない」

「私たちだけで、他の人たちが居ないのはなんでだろう?」

「推測だけど、ダーケンと因縁がある人が吸い寄せられたんじゃないかと思う」


 私は決闘騒ぎで関りがあって、駄犬くんが偽っていた水の使者の本物がウォルター……あるいは追っていたから、かな。


「兄さまとヒナタちゃんも因縁ありそうだけど、居ないね?」

「二人と一緒だった? ……そうだとすると、分からない。あくまでも推測だから」


 ウォルターはそう言うと、駄犬くんの方へと振り返った。


「さて。もう近付いても良いだろう。ダーケンの様子を確認しよう」


 出来上がったものがこちらです。みたいな雰囲気で語るウォルターと一緒に、私は駄犬くんに近付いた。

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原作担当コミック『小さな星《ひかり》のダイニング クチーナ・ルーチェ』pixivシルフ様にて連載中!
正反対な二人が送る、ファンタジーが舞台のダイニングでの優しい時間✨
よろしくお願いします~!
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