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双子兄さまの悪役令嬢女装? 大丈夫、破滅回避の主戦力だよ! ~深層反転の真偽編集者《バイナリィヱディタ》~  作者: 江東乃かりん
第1装 女装始めませんこと? ~第4着 どう考えても決闘を申し込む相手を間違えている~
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第050粧 兄さまをぎゅーっとすると安心です

 決闘も終わったので、早く着替えたいし兄さまのところに行きたいなあ。

 なんて思っていたけど、案外人が多くて控室に戻れずにいた。


 私が身動き取れなくなっていることに気づいたのか、兄さまたちがプチ団体パワーを利用して人ごみを掻き分けてこっちに近づいて来た。


 わー! 兄さま、勝ったよー!

 ……なんて飛びつくとかなり不自然なので、冷静に冷静に……。

 周りには私たちが変装しているって知らない人ばかりなんだから。


「勝ったぞ、ノワール」

「そうですわね、キュリテ」

「これで、ヒナタ嬢の案内役を続けてくれるな?」

「……仕方ありませんわね」


 兄さまは溜め息を付いて扇子をパチンと閉じた。


「約束通り、怪我をせずに戻ってきたのですわ。私も、約束を守りましょう」

「良かった……!」


 兄さまがそう言ってくれるなら安心だね!


 ヒナタちゃんの方を見ると、私に向かって深くお辞儀してくれていた。


 うんうん!

 さっきの言葉通りなら、駄犬くんもしばらくは大人しくしてくれるみたいだし。

 ひとまずは一件落着! かな。


「それと……」


 あともう一つ、問題があったんだ。

 駄犬くんがキュリテに決闘を申し込んだことから始まった、私たちの喧嘩が。


「喧嘩して、ごめん。仲直りしてくれるか?」

「……っ」


 私が仲直りの提案をすると、兄さまが扇子を放り投げて私に抱き着いて来た。


 兄さまの顔が近づいてきたので、私は小声でささやいた。


「に、兄さま?」

「……もういい、気にしてない」


 兄さまの声が震えている。

 今まではいつも一緒で、避けるなんてことがなかったから……。

 きっと喧嘩して距離を置いていたことで、私が兄さまを不安にさせちゃったのかもしれない。


「でも俺は、お前のことが心配だったんだ。だから反対した」

「うん……」

「それだけは、忘れないでくれ……」

「うん。心配かけて、ごめんね……」


 意地を張らないで何とか兄さまを説得出来ていれば、こんな寂しそうな顔をさせることもなかったのかな。


「それに、意地を張っちゃって……」


 それにしても、懐かしいなあ……。

 小さい頃はこうやって、離れるとすぐに寂しがってくれたよね。


 懐かしさを感じながら、私はぎゅーっと抱きしめ返した。


「不安にさせてごめんね、キュリテ」


 こうしていると安心するなあ……。


「っ!」


 と思っていたのに、突然身を引かれた。


「え?」


 びっくりして兄さまを見つめると、兄さまも何故か私を驚いた目で見ていた。


「……ノワール?」


 え、もしかして、仲直りしたくなかった?

 私は仲直りしたいんだよ!


「ど、どうしたの、兄さま?」


 不安になって目で訴えかけていると、兄さまが安心したように呟いた。


「良かった……。なんでもない」

「そう……なの?」


 だから私も、安心して微笑む。


「兄さまが何でもないなら、良かった!」

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原作担当コミック『小さな星《ひかり》のダイニング クチーナ・ルーチェ』pixivシルフ様にて連載中!
正反対な二人が送る、ファンタジーが舞台のダイニングでの優しい時間✨
よろしくお願いします~!
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