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双子兄さまの悪役令嬢女装? 大丈夫、破滅回避の主戦力だよ! ~深層反転の真偽編集者《バイナリィヱディタ》~  作者: 江東乃かりん
第1装 女装始めませんこと? ~第4着 どう考えても決闘を申し込む相手を間違えている~
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第044粧 悪役令嬢は別に拗ねているわけではないので!ので!

「ノワール嬢を神子さまに取られて拗ねてると思ったら、今度は喧嘩して口をきいてないんだって?」


 休み時間になると、ハウザーが椅子を寄せて小声で話しかけて来た。


「喧嘩のこと、誰に聞いたんだ?」

「ガイアスさ。今のノワール嬢がそう言うことを話してくれると思うかい?」


 そう言えば、ガイアスと朝会ったときに、兄さまと喧嘩したことを言ったんだっけ。


「……ちなみに、その話してくれなさそうな人物は、今まで以上に怖くて近寄れないんだよ」

「え? なんで?」

「殺気がね……冷気がね……凄まじいんだよ……。よくあの状態で近くに居られるな、神子さまは。俺は少し感心したね」

「へー」


 実は兄さまが視界に極力入らないようにしているので、良くわからなかったりする。


 見るとなんか、もやっとするので。

 もやっとするけど本当のところは見たいんだけど、もやっとするので!


 何とかここまで頑張れたのも、鍛えぬいたガイアススルースキルの成果のおかげかもしれません。

 なんて言いつつ、兄さまが見えないと見えないでなんか不安になるのであった。


「で。何が理由で喧嘩したのか、聞いても良い?」

「決闘を変われって言うんだ」

「ああ、なるほどね。あいつの気持ち、俺は分かるけどな」

「どうせ心配って言うんでしょう? そんなの分かってるよ」

「素に戻ってるって」

「そもそも駄犬くんが女の子じゃないのが悪いんだもん。もういっそ、みんな女の子になっちゃえば良いのに!」

「その結論は、極端すぎないかい?」


 確かに。

 そんなことになったら、乙女ゲームじゃなくて百合ゲームになっちゃう。


「でも、そしたらこんな争いなんて起きなかったよね?」

「たらればだな。そう言えば、使者ってなんでか野郎だけなんだよね。不思議じゃないかい?」

「う、うーん」


 さすがに、乙女ゲームのせいじゃない? とは言えない。


 答えかねているとハウザーが問いかけてきた。


「どうしてキュリテはそんなに決闘がしたいんだい? ダーケンと力比べがしたいんじゃないんだろう?」

「うん」

「それならあいつと変わってやれば良いじゃないか。そうすれば丸く収まるだろう?」

「そうだけど……」


 実はちょっと兄さま相手にムキになったせいもある、とは言えない……。


 でも、そもそもは……。


「ヒナタちゃんの力になれれば良いな、って思っているの。頼れる人がいないと、寂しいでしょう? でも、兄さまは負けるつもりでいたし……」

「良かった。そう言うところは、君は変わらないね」


 ハウザーに思いっきり頭をなでなでされる。


「ポンポンするのはまだいいけど、なでなではウィッグがずれるのでストップ!」

「おっと、いけない」


 パッと手を放される。


「でもそうか、あいつが負けるつもりだったってことは……案内役は乗り気じゃないのか。まあ、態度見ればすぐに分かるんだけどさ」

「うん」

「どうにか俺たち使者も、彼女に歩み寄れると良いんだけどね」


 降参のポーズを取るハウザーに、私は語り掛ける。


「少しずつ、やって行こうよ。女装している兄さまのことが大丈夫なら、少しずつでも変われるはずだよ」


 同じクラスの片隅で縮こまっていたヒナタちゃんの方を見ると、視線を感じたのか彼女と目があった。


 一瞬だけビクッと怯えた様子を見せていたけど、ヒナタちゃんはお辞儀してくれた。

 そんな彼女に私は手を振る。


「だから私、決闘頑張るよ」


 私の決心に、ハウザーはどうやって私が勝つつもりかなんて、茶化すことはしない。


 ただ、今度はさっきよりも軽く、頭をぽんっと触るだけだった。

ご覧頂きありがとうございます。

更新頻度下げさせて頂いています。

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原作担当コミック『小さな星《ひかり》のダイニング クチーナ・ルーチェ』pixivシルフ様にて連載中!
正反対な二人が送る、ファンタジーが舞台のダイニングでの優しい時間✨
よろしくお願いします~!
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