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双子兄さまの悪役令嬢女装? 大丈夫、破滅回避の主戦力だよ! ~深層反転の真偽編集者《バイナリィヱディタ》~  作者: 江東乃かりん
第1装 女装始めませんこと? ~第4着 どう考えても決闘を申し込む相手を間違えている~
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第043粧 黒の神子は黒猫とたわむれにゃー/おまキュ

今回もおまキュ有り。

 今日は私一人で登校した。


 もちろん、兄さまがキュリテとして登校するのを阻止するために、早く起きて速攻で登校しましたとも。


 でもテンションはだだ下がり中……。


「にゃあ……」

「猫だー! 猫ー! おいでー、にゃー」


 学園に着くと黒猫がすり寄ってきたので、突然のもふもふタイムが発生!

 よし! 許される限りもふもふして、この子で癒されよう!


「もふもふー」

「にゃー」


 んー……ちょっとだけ幸せ。

 この黒猫、人懐っこい子だなあ。いい子いい子。


 どこの子だろう? 飼い猫かなって思ったけど、首輪をしてないんだよね。

 そうすると野良猫かなあ。


 はっ、まさか……黒猫に食べ物持っていそうに思われている!?

 私じゃなくて、食べ物が目的で近付いたのね!?


「いまは食べ物持ってにゃいからね! あげられないよ!」

「にゃあ?」


 なんか首を傾げられたような反応をされてしまった。

 そうするとこの子はご飯が欲しいわけじゃないのかな?

 じゃあもうちょっと撫でさせてもらおっと。


 黒猫をなでなでしていると少し満たされる。

 でもやっぱり何か物足りなくて……。


「兄さま……」


 ううう。

 ちょっと前に兄さまがヒナタちゃんのお迎えの準備で忙しかった時以上に、兄さま成分が不足している……!


「あっ、そうだ。そろそろ教室に行かないと、兄さまに先を越されちゃうかも」

「にゃあにゃあ」


 ひとしきりもふりまくったので退散しようとしたけど、黒猫はなーなー鳴いて引き止めようとする。


「ごめんね。もう行かないといけないんだよ」


 なので、最後に抱っこしてちょっとだけぎゅっとしました。


 うーん、なんだろう?

 何となく黒猫から、ほんのりと兄さまの香りがするような……。

 いやいやいや、それはないでしょう! 幻覚ならぬ幻臭かな?

 くっ、兄さま成分の中毒症状に私は耐えられるのか!?


 それにしても、黒猫をぎゅーっとするのももふもふでちょっとは癒されるけど、兄さまをぎゅーってしたときの方が、気持ちが落ち着くなあ。


 そう考えると、やっぱり兄さまの癒し効果は絶大である。

 兄さまって実はもふもふ系動物なのでは……。


「にゃあ」


 くっ! そんなあざとい鳴き声をされたら、立ち去れない!

 も、もうちょっとだけ……ちょっとだけ……。


 黒猫を抱っこから解放して、再びなでなでタイム。

 すごく嬉しそうにする黒猫のことをもふりながら、兄さまのことを考える。


 なんで兄さまは、ヒナタちゃんのことに対してあんなに意地を張るんだろう。


「キュリテのいじっぱり」

「にー……」


 ……そう言う私も、意地張ってますけども。


 ぼーっとしていると、黒猫がいつの間にか足元をぐるぐるすりすり回っていた。


 と思っていたら……。


「ふぎゃー!!」


 黒猫は突然鳴き声を上げてどこかに行っちゃった。


 気付かないうちに嫌がることしちゃった? と思いながら猫を見送っていると、後ろから声をかけられた。


「おはよう、キュリテ!」

「……ガイアス、おはよう」


 もしかして、猫が逃げたのってガイアスが来たから?

 ガイアスって私にだけじゃなくて、猫にも逃げられるんだね。可哀そうに……。


「今日はノワールと一緒じゃないんだね?」

「今日は一人だ」

「いつも一緒なのに、珍しいね? どうしたの?」

「……喧嘩した」

「えっ!? 冗談だよね!?」

「本当だ」


 信じられないものを見るように呆然とするガイアスをそっとしておいて、私は教室に向かった。


 あー。兄さまと同じクラスなんだよね。

 同じクラスなのは嬉しかったけど、喧嘩してるときは気まずいなあ……。


「喧嘩なんて、したかったんじゃないのに……」

◇おまけキュリテ◇


 俺は心に空いた何かを埋めるように、外した手袋を右手で握りしめて目を閉じた。


 瞼の裏に浮かぶのは、ノワールが黒猫に触れ合う場面で……。 


「……俺は何故、黒猫ではないのだろう」


「哲学的なことを仰っていますが、その黒猫、キュリテさまの影ではありませんか。いわばご自身とも言える存在に嫉妬されるだなんて、器用でございますね」


「あんなんじゃダメだ……物足りない……ノワールが足りない……。今まで毎日顔をあわせていたのに、ここのところ目も合わせてくれない……」


「そういうところが、お二人とも似ていらっしゃいますね。キュリテさまは特に病みようが見事ですので、このまま数か月放置したところを観察したいところです。観察結果をノワールさまにお見せすると、ドン引きされそうですね」


「やめろ。これ以上避けられると、気が狂いそうだ」


「もう狂いかけでしょう。そんなにも直接触れ合いたいのでしたら、早々に仲直りされた方がよろしいでしょうね」


「……それは、そうなんだが……」

「シスコンも極まると変態に昇格しますよ」

「もう手遅れなんだろう?」

「さようでございますね。黒猫でやっていらっしゃることは、見事に変態でございますから」


 エスは否定しないどころか肯定した。

 話題を振ったのは俺だが、相変わらず一言余計だ。


「何しているか見えてないんだろ……」

「見えておりませんが、仰っていることからされていることを察することが出来ますので。過保護もほどほどになさいませんと、遅刻されますよ」


 エスはそう言って部屋から退室して行った。


「はあ……」


 そろそろ登校しなければいけない。

 行ってもノワールは、目を合わせてくれないんだろう。


「……寂しい……」

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原作担当コミック『小さな星《ひかり》のダイニング クチーナ・ルーチェ』pixivシルフ様にて連載中!
正反対な二人が送る、ファンタジーが舞台のダイニングでの優しい時間✨
よろしくお願いします~!
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