第020粧 兄さまと丸投げ作戦
「案内役の話、どう思う? ノワール」
「うん? 受けても良いんじゃないのかな?」
家に帰って男装や制服から解放された私は、ソファーでだらだらしながら占い師の提案について兄さまと話し合っていた。
兄さまは女装をやめてもピシッとしている。
「軽いな。やっぱり今までのお前の予言は、犯行予告だったんじゃないのか?」
「犯行予告とか言わない! ちゃんと予言ですうー! 特に、使者があの三人なのは、あたりますうー!」
「どうだかな。占星術師が分からないと言っているのに、ポンコツ占いは当たるのか?」
「ポンコツ言わなーい!」
「はいはい」
私のは厳密に言うと、予言でも占いでもなくて、乙女ゲームのストーリーなんだけどね。
「使者が当たるかどうかはともかく。知らない世界に来たばかりの白の神子ちゃんに案内が着いていた方が良いって言うのは、私もそう思うし」
「占星術師が使者の特定を出来ていればな……」
「試しに言ってみる? 私よりもこの人の方が良いですよー! って。……えーと、ガイアスあたりかな?」
「それで本当にガイアスが使者になったら、ガイアスを勧めたことを怪しまれないか?」
「うーん、そうかな?」
私が首を傾げると、兄さまは溜め息をついた。
「……面倒かつ関わりたくないが、仕方ない」
兄さまの顔にすごく皺が寄ってるので、ちょっと触りたくなる……。
「少し様子を見て、白の神子が生活に慣れたら使者に丸投げしよう」
「途中まではちゃんと面倒見るの?」
「ドジの治らないお前の面倒を見るよりかは、楽だと思うからな?」
「ぐぬぬ」
色々やらかしているのを自覚している分、反論できない……!
「ノワールが言うには、都合のいいことにハウザーたちが使者らしいからな。本当にそうなら頼みやすい」
兄さまの丸投げ作戦を聞きながら、私は思った。
そんなに都合よくガイアスたちに任せられるのかな?
なし崩し的に続けることになったりしない?
だって、乙女ゲームでは悪役令嬢が案内役なんてストーリー、なかったし。
もしかして、兄さまが悪役令嬢に女装したことで何かが変わった?
そうだとすると、この調子でこのまま破滅から遠ざかれるなら良いんだけど。
これが占い師が言っていた、良い流れ……かな?
そういえば、なんだかんだ言いつつ、兄さまって私の予言を信じてくれているんだよね。
予言するたびに散々迷惑かけてきたけど、それでも信じてくれるのが嬉しいなー!
「アザのこともある。出来れば白の神子には関わりたくないと思っていたんだけどな」
そうは言うけど、兄さまは本当の黒の神子じゃないし、本来の悪役令嬢の私が関わるより良いんじゃないのかな?
「だけど、あの占星術師の口ぶりだと、俺たちはそう無関係と言うわけにはいかないらしい」
「そりゃまあ、ノワールは悪役令嬢で黒の神子だし! 出来るだけ変なフラグ立てないようにね、兄さま」
フラグ立っちゃうと私たち、最悪死んじゃうんだからね!
「はいはい。ノワールよりうまく立ち回る自信はあるからな。それより変装バレするようなことをするんじゃないぞ?」
「むぐぐ……!」
またもやポンコツ扱いされたので、隣に座った兄さまの肩に私の頭をぽすぽすぶつけて抵抗してみせる。
そうすると兄さまは私の頭を優しく撫でてくれた。
ふむん。
まあこのなでなでで、今回はポンコツ扱いしたことを許しましょう!
あれ? 私って兄さまに対してチョロくない?
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