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World Apocalypse  作者: miyafinder
Chapter 3. What lies beyond salvation?
25/37

Episode 17. The stars of night and lightness

こんばんは

ブックマークしてくれた方々、読んでくれた方々に感謝です。

「つまんない」


《女教皇》のヨハンナは定期偵察の際に《ギルド連合》と思われる《冒険者》パーティーと遭遇した。すぐに敵対し攻撃したことをみると、彼らは何かしらの方法でヨハンナの定期偵察を把握し張っていた可能性がある。しかしヨハンナはそれを含めても《人類》の弱さに呆れていた。自分の偵察をいち早く把握したのは称賛するが、ならばもっと()()()()()()戦力を投入してほしいところだと思っていた。


(まあ今そんな戦力を回させていないのが事実だけどね)


だがそんな戦力を分散させているのは自分たちであり、彼女が今いるヨーロッパの各地では決死の防衛線が展開されている。


「さて。他には特に何もないから帰ってゲームでm」


ヨハンナは伸びをして帰ろうとするが、背後から投擲されたナイフを反射的に指と指の間で掴んで防ぐ。その反応速度や筋力からもヨハンナが《魔人》であるという事実を周りに知らしめる。


「2人……3…………5人かな」


ヨハンナは上空を少しだけ見つめる。そして襲撃者の総数をなぜか把握した。しかしそれだけで動揺することはないのか、襲撃者は気配を消して機をうかがう。


「退屈凌ぎになればいいけど、まあまずは弱そうなやつを落とすか」


中々次の一手をしてこない襲撃者に痺れを切らしたヨハンナは指と指の間で掴んだナイフを誰もいない方向に投げつける。彼女の動作は特に変わったところはなくまた何か《スキル》を使った形跡もない。しかしただ投げたナイフは凄まじい速度で周辺の風景に《偽装》して溶け込んでいた襲撃者の一人の頭部に深々と突き刺さる。


「あと4人」


ヨハンナは次の標的だとばかりに《隠密》系のスキルも併用している襲撃者の一人の目線と合う。だが既に他の襲撃者は行動していた。ヨハンナの背後に回った一人がそのままヨハンナの背骨を粉砕するように拳に《魔力》を集中させ《スキル》をもってくりだす。


「はいはい」


ヨハンナは右手の指を鳴らす。パンチをくりだそうとする襲撃者のいる地面から光の槍と闇の槍が出現するとそのまま襲撃者を串刺しにするが、別の襲撃者の二人がそれぞれ別方向からヨハンナの前に姿を現す。二人同時でかつそれぞれ方向が別。それも攻撃した直後であり対処は難しい。


「それだけなのね」


ヨハンナが襲撃者の質がそこまで高くないことに落胆していた。同時に攻撃しようとした襲撃者二人だったが、同時に胴体が横に真っ二つに引き裂かれた。最後はヨハンナに次の標的だと睨まれた一人だったが、その場から動いていない。いや、動けるものではなかった。


最後の一人も既にヨハンナへの攻撃をするために動いていた。そして既に最後の一人はヨハンナへの攻撃を終わらせていた。ヨハンナは背後から剣で胸を貫かれていた。


最後に残った襲撃者は、蛇に睨まれた蛙のように動けないように見せかける分身を残し、自分は更に高レベルの《隠密》系の《スキル》を使用していたのだ。分身はあえて《隠密》系のスキルを使用していると見せかけていたので、ヨハンナはてっきりビビッて動いていないと勘違いしていたのだ。


「!?」


どんな生物であろうと胸を貫かれたら致命傷である。《人類》なら心臓といった臓器があり、《魔物》なら《魔核》があるのも大体胸にある。《魔人》を人型の《魔物》でとらえるなら《魔核》も胸にあるものだと想像できる。しかし胸を貫かれたヨハンナは口から血を垂らすものの致命傷ではないといった様子だった。そして襲撃者は一瞬の殺気に反応して剣を手放しヨハンナから距離を取ろうとするが、ヨハンナから放たれた謎の波動で吹き飛ばされる。


「いったー。油断してたわ」


ヨハンナは痛がってはいるものの生命の危機といった様子ではない。つまり目の前の《魔人》にとって胸には《魔核》や心臓といって重要な器官がないということに他ならない。


「君。君から本部に情報とか送っているんでしょ?だったら少し君たちに()()()()()()()()を見せてあげるよ」


ヨハンナは何とか立ち上がる襲撃者とその襲撃者のマイクやカメラから戦闘を観察する敵陣営に向けてそう宣言すると、胸に突き刺さった剣を軽々と引き抜く。引き抜かれた胸の傷から血が噴き出るがすぐに血は流れなくなる。それどころか傷口を塞ぐかのようにどんどん肉が盛り上がっていき傷口を防いでいく。そして完全に傷口が塞がると、ヨハンナは口元の血のシミを服の袖で拭くと笑顔を向ける。


「この程度の傷は何の意味もない。本当に私たちと戦いたいならもっとましな戦力を送るべきじゃないかしら?それこそ虎の子や秘蔵の戦力を抽出して私や他の《魔人》に差し向けるべきじゃないかしら?こんな事態でも国家や政治やって言ってる時点で君たちに勝ち目はないよ」


ヨハンナはそう伝えると自分を貫いていた剣を持ち主の頭部へと返却する。







「今のが5時間ほど前の壊滅した部隊から確保できた情報データです」


《ギルド連合》ヨーロッパ支部。先ほどのフランスでの《魔人・女教皇》の戦闘データはすぐさま《ギルド連合》全体へと共有していた。そして今までのデータから彼らは《魔人》や《魔物》、《塔》への攻略や進行ルートを模索していた。


「襲撃に参加した《冒険者》は?」


「Aランク二人のBランクが3人ですね。一線級とみてよろしいです」


「ちょっとしたダメージといっても胸を貫くって生物でもそれなりのダメージだろう?」


「ええ。それに痛がっていた上に血を流している。痛覚もあり生物であるとは思います」


「問題は《魔人・女教皇》の《使い魔》は未だに確認されないってことですね」


今までの《魔人》のデータを統合すると以下のようになった。


・《魔人》の総数は13人と離脱した1人の合計14人


・《魔人》にはそれぞれ決められた役割があるが、現時点でどういった役割なのかは一切不明


・《魔人》の目的は《人類救済》。そのためには今起こしている戦争や侵略は全てやむを得ない被害であり、これが最小となる犠牲であると


・《魔人》は《魔物》を従えており意思疎通もとれる


・《魔人》は身体能力や保有する《スキル》が強大であるが、感覚はあり痛みもある


・《魔人》にはそれぞれ配下の《魔物》がおり、その中でも自分で決めた《魔物》や創り出した《魔物》を側近や護衛としており、彼ら《使い魔》は通常の《魔物》とは一線を隔する強さを持つ。








「ふむ。ありがとヤヒン」


ヨハンナは今の《ギルド連合》ヨーロッパ支部の会議を《使い魔》の白い柱を介して監視していた。そして先ほど、彼らがヨハンナの《使い魔》を知りたいという情報を耳にした。


「本当なら中東辺りが私の出番だけど、ちょっと盛り上がらせないといけないし、暴れたりないからちょうどいいわね」


ヨハンナはもう一体の《使い魔》である黒い柱に手を置く。するとヨハンナと二体の《使い魔》は《転移》をして移動した。移動先は《ギルド連合》ヨーロッパ支部の正面玄関がある大広場であった。


「やっほー。知りたそうだからきちゃった。私は中東担当だけどちょっと遊ばせてもらうわね」


彼女の背後には白と黒の柱。その柱からそれぞれ複数の《魔法陣》が展開されている。


「じゃあちょっと白熱した戦闘をしようか?」



ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は12/24です。ではまた次回

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