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World Apocalypse  作者: miyafinder
Chapter 3. What lies beyond salvation?
19/37

Episode 19. What does the sun illuminate?

こんばんは

ブックマークしてくれた方々、読んでくれた方々に感謝です。

実際の地形と異なるので注意してくださち

「撤退しろ!!」


陸上自衛隊は絶対防衛ラインの防衛と国民の避難を優先していた。彼らには世界から見てもそれなりの実力と兵器を保有する防衛力。自分達から攻めるというよりも国家の脅威から国を守るという存在目的上、彼らの任務もそういったものが多い。


現時点での絶対防衛ラインは国会議事堂といった日本の政治の中枢施設から1キロ先。既に総理大臣や閣僚といった者達は別の場所で指示を飛ばしているのだが、やはり日本の政治中枢施設の象徴たる国会議事堂が占領されると国民が不安になる恐れがある。


実際にアメリカはホワイトハウス及び大統領用の非常時シェルターが《魔人》によって奪われたアメリカはその影響力が少なからず影響を受けている。


今でさえ辛い時期なのにここで更に辛い状況に陥ると立て直しが困難になっていく。これから各地の《ダンジョン》を攻略しつつ《魔物》及び《魔人》の対処をする上では、国民の協力が必要不可欠であるのだ。




絶対防衛ラインには幾重もの対策が取られており、そう易々と《魔物》が突破するのは困難であるのだが、7/31を境に《魔物》達が軍勢で明らかな戦略を持って攻撃を激化させていた。《飛行》している《魔物》に対しては設置した対空砲で行っていたのだが、《魔物》達は耐久力の高い個体が盾となりその後方で遠距離攻撃可能な個体が対空砲を中心に狙い撃ちしている。制空権を確保できなければ自衛隊の航空支援どころか、《魔物》達の航空支援によって自衛隊は苦戦を強いられていた。


そして1つのエリアの対空砲が全て破壊され混沌とした乱戦状態を恐れた現場指揮官の判断による撤退が、結果として絶対防衛ラインの崩壊が始まってしまった。だが現場指揮官の判断は英断でもあり、いたずらに戦力を消耗するのは本末転倒。最悪自衛隊としては国会議事堂が取られたとしても戦略上はそこまで重要ではない。


「《ギルド連合》の応援は?」


「この動きの援護かのように2つの軍勢に対応に追われています。彼らの方も少なくない被害が出ており、こちらに応援は回せるかは微妙です」


国会議事堂エリアにおける現場指揮所内では、迫り来る《魔物》の軍勢はこのエリア内の自衛隊の戦力では対応不可能だと判断していた。他エリア及び《ギルド連合》には随分前に応援要請を出しているのだが、こちらの戦力を把握しているかのように各エリアでも同様かそれ以上の《魔物》の軍勢によって見込が薄かった。


「!?、救難信号?」


ここで指揮所に救難信号を受け取った。そして信号を発信しているのが指揮官達が想像もできない場所からであった。


「地下鉄の路線から《魔物》が溢れている。強酸性のスライムがトンネルごと塞ぎ始めている。こちらの火器では刃が立たない」


「列車の通行は?」


「自分から強酸の塊に突っ込む勇気があればですね。隔壁などは時間をかけて溶かしている。全ての隔壁を降ろしても地下鉄がスライムの海になるのは時間の問題だ」


ここで問題となったのは地下鉄の使用が大幅に制限されているところだった。実は《魔物》の中には少数ながらも航空機を遠距離から撃墜する術を持った個体が存在する。それによって航空支援に加え、飛行手段も制限されている。陸路も《魔物》で溢れかえっている状況下では補給や輸送も難しい。そこで自衛隊や《ギルド連合》は東京の地下鉄を輸送の場として利用している。


ここから戦力輸送や物資の補給の他に、最終手段として国会議事堂エリアの放棄に伴う逃走経路として地下鉄が考えられていた。重要だからこそ自衛隊も《ギルド連合》も地下鉄内の《魔物》は殲滅して警戒をしていた。


強酸性を生かしてスライムは自分で出入り口を壁面に造って侵入したのだ。そして攻めるというよりも隔壁として地下鉄を封じる動きをしている。こういった《魔物》達の連携は今まで見られなかった為に自衛隊は窮地に陥っている。


「なっ?!」


ここで自衛隊員の1人が上空を指さして驚愕の声をあげる。彼の目に映ったのは小さな太陽が落ちている様子だった。そして他の自衛隊員が気づく前に小さな太陽は破裂した。







国会議事堂周辺が()()した知らせはすぐさま各地で伝わる。政治家達はシェルターからその映像を確認する。《ダンジョン》のある場所から砲撃するかのように小さな太陽が発射され着弾。国会議事堂は焼け残ったのではなく地上部の残骸は残さず消滅され、政治家達のショックは大きいようだった。


「ど、どうして今まであのような攻撃が」


「あれは《ダンジョン・東京タワー》に巻き付く大蛇型の《魔物》による砲撃です。今までは周囲の対空砲がミサイルのように迎撃していたので、どういった威力があるのかはこちらでは把握仕切れていなかった。今回の攻撃激化によって対空砲の破壊によって迎撃が追いつかなかったのでしょう。現場は空もそうですが陸の《魔物》達に意識が割かれてしまい反応が遅れてしまったのでしょう。直前には地下鉄の報告もあって空への警戒が薄れていたのもある」


「これでは取り返そうにも無理だな」


国会議事堂の消滅に総理大臣は大きく溜息を漏らす。だが彼はすぐに切り替えていく。


「国会議事堂のような我々にとっての重要拠点を除いて、本当に重要な拠点の防衛はどうなっている?」


「殆どの拠点は相互に対応できる位置にあります。ですが一カ所だけ孤立している拠点があります。我々なら遅かれ早かれ絶対にその拠点を奪取します」


「戦力及び補給は?」


「定期的に人員も送って物資も潤沢です。ですがこのように戦略を持って連携され本当に孤立でもすれば1年は持たないでしょう」


「《ギルド連合》からは?」


「新規に新設したパーティーをそれを現場で指導する教導隊が派遣されております。実戦において戦力強化を図るようです」


「《ギルド連合》の戦力にも限界か」


「彼らに対する支援を更に減らしていたら既に国土の半分は奪われていたかもしれません。とにかく《魔物》に関しては《ギルド連合》に一日の長があります。彼らとの情報共有を入念にするしかありません」










「ここがお前の配属先だ。一名欠員が出たパーティーと合流してもらう。リーダーが今後の動きを説明してくれるはずだ」


俺が配属となったのは群馬県の都市。ここは地政学的においても重要であり、北側の山脈が自然の城壁のようになっており、江戸あたりでは既に防衛都市と位置付けられていた。


今の状況下でもそれは変わらず、新潟がほぼ《魔物》によって陥落したことで、日本海側からの《魔物》の侵攻が予想されており、大まかに言えばここにいる防衛戦力は北部からの《魔物》の数を減らすのが任務であった。


既に都市内では対空砲や野戦砲、長距離砲といった兵器や航空戦力、自衛隊員も多数投入されているが、他の防衛都市や拠点からは独立していることから援護は期待できず、今いるこの都市内だけで《魔物》の進行を抑えないといけない。


更にその中で《魔人》からの試練を攻略しなければならない。期限はそこまでない以上、多少の無茶を強いられる。


「第4観測所から100体程の鳥型の《魔物》を捕捉。20分で到着予定です」


「引き付けて撃ち落とせ。前線の弾薬を節約しろ」


通りがかった自衛隊員から今現在でも《魔物》の侵攻が始まっている。どうやら既に弾薬管理を始めているらしく、ここの上層部は先を見据えているようだ。


「湊」


ここで馴染みの声が俺を呼びかける。


「穆成。お前もここにか」


「そうだ。欠員出たのが俺のいるパーティーだったからな。まさかお前にすぐに会えるとはな」


穆成は一足先に《ギルド連合》に所属していた。まさか愛美の代わりに彼と組むことになるとは想像できなかった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は9/10です。ではまた次回

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