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World Apocalypse  作者: miyafinder
Chapter 1. Everyday life is the food of despair.
10/37

Episode 10. Collapse of the Defense Organization

こんばんは

ブックマークしてくれた方々、読んでくれた方々に感謝です。

「きゃぁ!?」


湊が避難した避難所は大型ショッピングセンターに()()()存在する地下の避難用倉庫。避難人数を十分に賄える物資が貯蔵されており、避難所の出入口には武装した自衛隊員が警備していた。だがショッピングセンター内に《魔物》が確認されたのかその戦闘音や震動が地下の避難所にも響いていた。


(戦況が芳しくないのか?)


いつまでも続く射撃音に違和感を覚えた湊は避難所内部の出入口を警備する自衛隊員からどうにかして無線の内容を得られないか考えた。《魔法》を使うと感知できる者に怪しまれる。一般の人々の中にも《魔力》や《魔法》を感じ取れる者は少なからずいる。


「ねー。天井にヒビが出来てるよ~?」


ここで避難所にいた小学校低学年ぐらいの男の子が避難所内部の天井を指さす。古い建造物ならありえるのだが、避難所内の整備を見るに定期的に整備をしている。その言葉を聞いた自衛隊員がすぐに無線で状況を知らせる。そしてすぐに避難所の出入口が開かれると多数の武装した自衛隊員が待ち構えていた。


「皆さん。そのヒビから離れて私達の背中側にいてください。今から補修作業に入ります」


いきなり避難所内の補修作業として一般人を移動させる自衛隊員に違和感を覚えた湊だったが、何故彼らが慌ててそういった対応に出たのかはすぐに判明した。天井に入ったヒビは微かな音と共に大きくなっていく。


「すぐに離れてください!」


自衛隊員の叫びは虚しく天井は崩壊し、真下にいた一般人達は下敷きになってしまった。空いた天井の穴からは一人の人間が舞い降りた。だが人間のような体格をしているが、両手は人間とは思えない鋭さの爪を生やしており、側頭部には立派な角が生えていた。


「ここが無力な者達の避難場所か」


「撃て!」


「し、しかしまだ多くの」


目の前の角付きの人型の正体が何であれ意図的に避難所を襲撃した時点で自衛隊は敵と認識した。そしてまだ多くの一般人がいるのに対して発砲許可が下りる。


「こちらで足止めしている間に動ける人は逃げてください」


「逃がすかよ!」


角付きは執拗に無抵抗な一般人を狙い始める。自衛隊員はやむを得ず一般人が前方にいる中、誤射を気にせずに角付きに発砲を始める。だが角付きの俊敏な速度と弾丸を弾く硬度の外装に一人一人と逃げ遅れた一般人が襲われる。


「邪魔だ」


そして立ちはだかる自衛隊員を蹴散らすと一人の少女に襲いかかろうとする角付き。その時、湊は反射的に少女を守る為に《魔法》で自分の身を守る《魔力鎧》を展開して角付きを殴った。


角付きは湊に殴られて少し後ずさるがすぐに再び襲いかかる。湊は伸ばしてきた角付きの左腕を屈み懐に潜り込みそのまま左肘を角付きの腹部めり込ませる。だが角付きの肉体は強靭な筋肉によって守られており、角付きは自分の腹部にいる湊の背中に仕返しとばかりに右肘を落とす。


湊は展開していた《魔力鎧》によって威力は軽減されたがそれでも威力が高く床に叩きつけられる。そして湊の頭部を踏み潰そうとした時、


「ちっ」


高威力のスラグ弾を装填したショットガンを持った自衛隊員が角付きの顔面に向けて発砲。角付きは瞬時に左手で防ぐが、次々と自衛隊員の応援が避難所に駆けつけていき角付きを自由にさせないように発砲する。ダメージはないが衝撃はあるようで角付きは後退していく。その隙に湊は救助された。


「折角面白そうな奴がいたが潮時だな。失礼するよ」


角付きは頃合いだとばかりに侵入してきた穴から脱出していった。自衛隊員はすぐに被害にあった一般人の救助と共に新たな避難所への案内などを開始していく。













「おいおい。いくら式神とはいえ安倍晴明であろう方がこんなていたらくですか」


《戦車》はボロボロになった《式神・晴明》にそう呟く。その間にも陰陽師が札から炎の弾丸を展開して《戦車》を攻撃するが、いともたやすく《戦車》の持つ黄金の杖によって掻き消される。《式神・清明》は《式神・狛犬》を2体展開させる。《式神・狛犬》は《戦車》に向かって噛みつこうとするが、左手で片方を捕まえた《戦車》はもう片方に思いっきりぶつけさせる。すると呆気なく《式神・狛犬》は消滅するが、《式神・晴明》はいつのまにか陰陽師の横に移動していた。


「何故手加減をする?さっさと私を倒して封印を解くのがお前達の目的だろう?」


陰陽師は《戦車》が手加減してあえて将門公の封印を解こうとしていないのに気づいていた。そもそも《戦車》の使い魔である《シュウ》一体だけでも陰陽師や《式神・清明》すらも倒せる戦力を有している。それなのに《戦車》はまるで弄ぶかのように手加減する。


「そんなのお前が考える事ではないな。それよりもいいのか?お前も随分生やさしい攻撃しかしないが?」


「!?」


《戦車》も陰陽師があえて火力を出さないようにしていたのに気づいていた。だがその理由は封印の役割を担う石の台座を破壊しないようにするためのものだった。


「おっ、ようやくだな」


「なっ?」


《戦車》が空間の天井を見ると、そこからドリルようなものが穴を開けていた。そして天井から機械仕掛けのゴーレムが着地した。


「オソクナリマシタ」


「いや、十分早い。後どれくらいで攻略できる?」


「30フンホドデ」


「ではここは20分で攻略してくれ」


「イイノデスカ?」


「興味が薄れた」


《戦車》は黄金の杖を消すと後は現れた機械仕掛けのゴーレムに任せると言った。


「舐められたのはこっちですね」


陰陽師と《式神・晴明》は大量の札を出すと四方八方に撒き散らす。すると札から形代や鬼、鷹など様々な動物や生物の式神を展開する。


「任せた」


ゴーレムが開けた穴から大量の《魔物》が溢れ出て来た。それらは東京タワーに形成した《ダンジョン》から産まれた者達であり、数は式神達の軽く3倍はいた。


「……」


「じゃあな。足掻け。足掻けばそれだけお前達には希望が齎されるかもな?」







東京タワーに巣食う《ダンジョン》。ようやくその表層に《ギルド連合》の戦闘員が到達した。だが既に多くの犠牲と負傷者を出しており、到達したのは冒険者パーティー1つだけだった。


「バックル。弾薬は温存してるな?」


「ああ。だが本当に良かったのか?俺を温存したせいでお前達が疲弊してたら?」


この冒険者パーティーは魔導銃を中心とした武装。その中でも1番体格の良い男性は両手にマシンガンを持って乱射するスタイルであり、彼がパーティーでは短時間においての制圧力、突破力があった。


しかし現時点で彼は自衛以外では魔導型マシンガンを発射してない。というのも現代における魔導銃には大きく分けて2種類の弾薬を使用する。一つは純粋な魔力のみで構成された通称《魔力弾》。威力から弾速、効果などをある程度自由に調整できる。しかし純粋な魔力で構成されているため、魔力に対する耐性によって左右される。

そしてもう一つは通常の弾薬を魔力でコーティングし、魔力によって発射する通称《魔導弾》。火薬ではなく魔力を専用の機関で火薬として発砲し、更に魔力で弾薬を覆う事で威力や貫徹力の上昇や覆う魔力による属性や効果の付与など、物理と魔力の複合したメリットを得られる。


だが両者共に特徴はあり、《魔力弾》の場合は魔力が枯渇すれば発砲出来ないが、魔力を弾丸とするため通常の弾薬を必要とせず、魔力自体は重量がないため身軽に行動できるのに対して、《魔導弾》の場合は弾薬分の重量はある上に、魔力を火薬にしたりコーティングする為の専用の機関を要するが、少量の魔力で属性が付与された物理的にも魔力的にも効果がある攻撃ができる。


なので魔力を持つ者達は最初は《魔導弾》で行い、《魔導弾》が切れたら《魔力弾》に切り替える。だが魔力自体は他の魔法や身体強化にも利用するため、《魔力弾》の使いすぎには気をつける。それが現在一般的な考え方。


今いるパーティーの男が使う魔導型マシンガンの《魔導弾》をこれからの《ダンジョン》攻略に備えて温存していた。それだけ司令部からの報告により《ダンジョン》内の《魔物》の反応が膨大なのだ。


「さてと。早速お出ましか。今はここを維持して他の連中を待つしかないか」


《ダンジョン》の入口は丁寧に駐車場の中にあった。しかし駐車場から溢れ出るぐらいの《魔物》が出てきた。種族名があるものから全くわからない冒険者達でも初見のものまで様々だが、彼らは《ダンジョン》を突破するにも今は《ダンジョン》の出入口の確保が最優先だとした。絶対に確保したいのでここからは弾薬制限は解除される。


「!?」


しかしここで大きな地震が発生する。そして無線からある通信が届く。何と既に《ダンジョン》内へと侵入した冒険者からであった。


「遅かった。大量の《魔物》が聖域に雪崩れ込んでいる。そして今封印の役割を担う台座が破壊された」


それは東京の、ひいては日本を滅亡させる週末時計を針が進むものであった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は5/21です。

ではまた次回

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