よくある兄妹喧嘩〜上級編〜
「どいつだ? 俺のファ○ナルファンタジーのセーブデータ上書きしやがった、クソ野郎は?」
「はぁ? 一番上にセーブデータ置いてるのが悪いんでしょ? 知力のパラメーター足りてないんじゃないの?」
「知力が足りないのはお前だ。これは俺のゲームだ、俺が風呂掃除やらお使いやらして稼いだ金で買ったゲームだ。どこにセーブデータを置いていようと俺の勝手だろうが、このスカポンタン」
「ならついでにメモリーカードも新調すべきだったわね、ほら、10円あげるから下からジュースとってきなさい。600回行けば新調出来るわよ、頑張って」
「もう許さねぇ、お前をぶん殴ってやる。妹だから? 女だから? 関係ねぇ。罪の前には男女は平等だ。
男女平等の時代に生まれて本当に良かったよ」
「はん、その震えた拳で何するつもり? シェイカー振らせたら美味しいカクテルが出来そうね、バーテンになったら?」
「コレは怒りで震えてるんだよ、殴る回数は消えたセーブデータのプレイ時間でいいか?」
「さっきから口ばかりね……ああ、私が空手やってるから怖いのね」
「お前がパソコンの前でニュルニュルしてるあれは空手っていうのか? 下手くそな踊ってみたかと思ったぜ」
「さっき殴る回数を聞いてたわね、一発で良いわよ、ただし殴るのは私だけど」
「おいおい、スマブ○でお前が俺に一度でもハンデなしで勝ったことがあるか? ベランダから放り出してメテオ決めてやるよ」
「現実と理想を混同するのは良くないわよ、知能がドンキーコ○グのあなたには難しい言葉だったかしら?」
「ドンキー? 上等だ。タメBの恐ろしさを教えてやる。お前の頭を夏場のスイカみたいに割ってやるよ」
『二人ともうるさい! 勉強に集中できない!』
「ごめん、姉ちゃん」
「ごめん、お姉ちゃん」
「お前のせいでナイチチゲールに怒られちまっただろうが」
「いやあんたのせいでしょ?」
「隣の部屋に見本がいて良かったな、あれがお前の未来の姿だ、ナイチチゲール2世」
「とくせい『ペチャパイ』はお姉ちゃんだけのスキルよ、私には関係ないわ」
「遺伝ってものを知らないのか? どうやら賢さが足りないようだな、卵からやり直したらどうだ?」
「人間って生き物は哺乳類なの、ポケモ○じゃないの。分かったらさっさと池でも海にでも戻ったら、コイキ○グ面の人」
「鯉は竜門を上りやがて竜になる。俺はギャラ○スでお前がコイキ○グなんだよ、ああ……鯉よりまな板のほうが似合ってるかもな」
「知ってる? レベルが足りないとギャラ○スにはなれないのよ? 分かったら野生のポケモ○相手にレベル上げしてきなさい」
「レベルは100以上にはならないんだよ、無知なお前には難しかったか?」
「どこにそんなポケモ○いるの? 私の目の前には非力なワ○リキーが一匹いるだけだけど」
「上等だ、ちきゅう○げしてやる。喜べお前の大好きなこの星にキスすることになるんだからな」
「すばやさは私のほうが高いんじゃない? 先行メガト○パンチで試合は終了よ」
『うるさい!!!』
「ごめん、姉ちゃん」
「ごめん、お姉ちゃん」
「やさしいお姉ちゃんに守られて良かったな」
「はぁ? 守られてるのはあんたよ。お姉ちゃんがいなかったらもうあんたはとっくにこの星から消えてるわよ」
「葬式の手配をしておこう、骨は寺にお納めたらいいか? 墓に埋めといたらいいか? 俺のお勧めは海への散骨だ。ゾンビみたいな面のお前でももう戻ってこられんだろうからな」
「テスト前にゾンビみたいな声をあげてるのはあんたでしょ? 頭消し飛ばしてデュラハンにしてあげましょうか? 不純物が消えて多少かっこよくなるわよ」
「バストウエストヒップが見事に揃ってるもんだからドラム缶が喋ってるのかと思ったぜ、口からコンクリート流し込んで学校の中庭の池に沈めてやろうか? さぞ鯉も喜ぶだろうな」
「学校の七不思議にひとつお話を追加よ、ブサイクな人体模型。理科室に飾ってあげましょうか?」
「上等だ、もぎも○フルーツみたいにじわじわとなぶり殺しにしてやる」
「よく買ってくるからブタメ○の調理は得意なの、三分もいらないけど」
『今からそっちの部屋いくから』
「え、えっと、姉ちゃん、聞いてくれ、そもそもはこいつが俺のセーブデータを上書きしたのが悪――うわああああああ!!」
「ありがとう! お姉ちゃん! え? とくせい『ペチャパイ』? ち、違うのお姉ちゃんあれは――ぎにゃああああああ!!」
喧嘩両成敗、めでたしめでたし
馬鹿とかアホとかだけがけなす言葉じゃないんだなと書いてて感じました。