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ソールの思い

翌日、王都のフィンの邸に帰った。


明日には、ヘクトル様のエスペラ国に祈りの為に出発する。

フィンは、帰りの馬車で了承してくれた。

ソールの呪いを解くことも、渋々了承した。


その旨を今からフィンと陛下に伝えに行くことになった。


陛下に跪き挨拶をするとフィンが陛下に話を切り出した。

陛下は無言でフィンの話を聞いていた。


「聖女エスカ、そなたはよいのか?」

「はい、ヘクトル様から事故が起こったと聞きました。私でお力になれるなら行きたいと思います。」

「聖女エスカの意思なら止めはせんがエスペラに行く時は護衛を増やす。よいな。」

「ありがとうございます。」


陛下が何を考えているかはわからないが止めることはなかった。


「フィン、お前は少し残りなさい。」

「伯父上、お急ぎですか?エスカを邸に送りたいのですが。」

「なら、別室で待ってもらいなさい。」

「フィン、大丈夫です。待っている間にソールの所に行きますね。」


フィンは明らかに嫌そうな顔をした。


「やっぱり一緒に行く。」

「陛下が困ってしまいますよ。」

「フィン、城に居るんだからよかろう。」


フィンは、わかりました、と言うも納得していなかったように見えた。


「絶対に近づくなよ。」

「近付かないと呪いが解けません。」

「…心配だ。」

「夜に何かご用がありますか?」

「そういう事ではない。」

「ではなんでしょう?」


フィンの様子に陛下は呆れたように言った。


「フィン、わけのわからんことを言ってないで早くしなさい。ルディ、しっかり見張っといてやりなさい。」


そのまま、フィンをおいてルディと牢に向かっているとルディは笑っていた。


「ルディ、ソールはどうなるのでしょうか?」

「聖女誘拐の協力者で罪には問われますが、エスカとヘクトル様を助けたので、恐らく3ヶ月ほどのお勤めになるんじゃないかな。エスカには手を出さなかったんだろう?」

「そうですか…でも呪いを解くのに通います。」

「フィンが嫉妬するな。」

「何故です?」

「気付いてない?」

「ソールは悪い人には見えませんでした。」

「ソールが気になるの?」

「約束しましたから。それに、あの地下牢にいる時本当に不安だったんです。ソールが出してくれた時、フィンに会わせてくれる人だと思いました。」


そんな話をしていると、ソールの牢についた。


「エスカ!?来てくれたのか?」

「約束しましたから。」


ソールが格子に近づくとルディは、ソールに、エスカは中には入れないぞ、と言った。


「ここからでも大丈夫です。すぐにしますね。」


私は、格子越しに、ステラヒールを唱えた。


ソールから、また黒いものが出てきて光が消した。

後ろでルディが、これは凄いな、と言っていた。


「ソール、どうですか?体を見せて下さい。」


ソールの服をめくりあげ見ると少しは黒いものが減ったように見えたがまだ何日かかかりそうだった。


「ソール、明日からエスペラ国に行きますが、朝のお祈りのあと来ますね。」

「エスペラ国に?」

「はい、鉱山の方々に祈りをします。」

「あんなことがあったのにエスペラを助けるのか?」

「鉱山の方々やエスペラの方々は関係ありません。ヘクトル様も被害者です。」

「…優しいな。」

「そうですか?ソールにも感謝してます。おかげで無事にフィンに会えましたから。」


ソールと話していると、ルディが行こうと声をかけた。


「エスカ、フィンが心配するからもう行こう。」

「そうですね。ソールまた明日来ますね。」


用がすんだので行こうとするとソールはルディに何かを言っていた。


「ルディどうしました?」

「何でもないよ。じゃあな、ソール。」


ソールはこちらを見ていたので軽く会釈してフィンの所に帰った。




エスカには聞こえなかったが、ソールは一言、返すんじゃなかったかな。と呟いていた。


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