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ソールの助け

私の祈りに、光が現れ、地下牢が光に包まれた。

でも、以前砦が壊れたようにはならない。

何故だか力が弱く感じた。


「ソール!祈りをなんとかして!」


マリーベル様はソールに怒鳴っていたが、ソールはなんだか様子が違っていた。


「…俺にはもう呪いを使う理由がない。」

「ふざけないで!こんな光を出したらすぐにここがばれるわ!」


マリーベル様は取り乱していた。

でも恐らくこの光は外までは出ていないと思うほど弱く感じた。


「マリーベル、気になるなら外を見てこい。」


ソールに言われて、マリーベル様は慌てて外に行った。


「聖女エスカ、光を収めて下さい。ここは私の結界があります。光は外には出ません。」


ソールはマリーベル様がいなくなったら、丁寧な口調で話した。

何がなんだかわからず、混乱した。

マリーベル様のように私に敵意があるようには見えなかったからだ。


祈りを止めると光が段々消えていった。


「ここから出して頂けませんか?」

「俺を助けてくれるならここから出してやる。」

「助けが必要ですか?」


ソールは服をめくりあげると体には呪いなのか、呪い返しを受けたのか、所々黒く変色していた。


「以前王都の星の乙女も訪ねたが、癒されることはなかった。だがヘクトルの呪いを消せるなら俺のも消せる筈だ。」


とりあえずここから出ないといけない気がする。

でも、あれほどのものを癒せるだろうか、と不安になった。


「わかりました。時間はかかるかも知れませんが必ず癒します。」


ソールは私の言葉を信じたのか、ヘクトル様と一緒に牢から出してくれた。

出るなりソールは、私の腕を掴み近づいた。


「すぐにしてくれ。」


ソールは真っ直ぐな目だった。


「聖女様に乱暴するな!」

「うるさい。」

「ヘクトル様大丈夫です。」


私はソールの手を握り癒しをかけた。


「ステラヒール。」


ソールの体が光に包まれ、黒いものが少しずつ出てきた。

だが、一度に全ては無理だった。


「すみません、ソール様。やはり時間がかかります。おそらく、呪いが長期に渡りあったのでは。」


ソールは黒いものを見ていると思うと、次は私を見た。


「ソールだ。様はいらない。時間があれば全て消せるか?」

「多分、何日かに渡り少しずつなら消せると思います。」

「なら、全てが消えるまで君の側にいることにする。」

「わかりました。でも、ここからは出して下さい。フィンが心配します。」


ソールは無言になり、手を離して立ち上がった。


「ついてこい。」


私とヘクトル様はソールを信じることにし、地下牢から出ることにした。


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