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異変

翌朝、国に帰る為に馬車に乗り出発した。


馬車の周りは、ルディ達が護衛の為三人で囲み馬で走っていたが、途中でギルの乗った馬が様子がおかしくなった。


馬車を止め、フィンがどうしたんだと降りて近づくと馬は吐き始めた。

私も降りて、馬にステラヒールをかけた。


「もうすぐのところにサフランの町がある。そこで馬を乗り換えよう。」

「すみません、フィン様。」


ギルは謝ったが何故俺の馬だけが?と不思議そうだった。


「他の馬はなんともないな。同じ厩舎に預けてたのか?」


フィンが聞くとルディも不思議そうに話した。


「…そうなんだが…。今のエスカのヒールで走れそうか?」


「町までは大丈夫と思います。病気の事はわかりませんが…」


馬を撫でながら言ったが馬は切なそうな顔に見えた。


「ギルは一緒に馬車に乗れ。馬は引いていこう。」


フィンの提案に、ギルは失礼します。と一緒に馬車の中に乗った。


サフランの町につき、馬を交換する事になったが、ルディもフィンも何か変じゃないかと話していた。


確かに、同じ厩舎に預けていたのに、ギルの馬だけ吐くなんて変だとは思った。


「フィン、お話が長いようなら、ギルと一緒に馬を見に行ってもいいですか?」

「構わないよ。でもすぐに帰って来てくれ。」


フィンとルディはこの町で一泊するか、すぐに出発するか話し合っていた。


ギルと馬屋に向かうと馬屋の側にも町の出入口があった。

出入口の側には、豪華な馬車とその豪華な馬車よりグレードの落ちた馬車が止まっていた。


「立派な馬車ですね。」

「俺達みたいな結婚式の帰りの方かもしれません。」


ギルと二人で馬車を横目に馬屋にいき、新しい馬の手配をした。


その時、豪華なドレスが見えた。

思わず顔を見るとマリーベル様にニコリとしながら、やってきた。


「こんなところでお会いできるなんて、何かのお導きかしら。」


「マリーベル様、どうなさったのですか?」


馬屋にいるのが不釣り合いなドレス姿でマリーベル様は現れ、ギルは私の側に立った。


「実は、ヘクトルの調子が悪く困ってましたの。看ていただけませんか?」


ヘクトル様が?ご心労がおありだし、お困りなのに、すぐに国に行けずなんだか悪いことをしたと思っていた。


「私で良ければお力になります。」


私はマリーベル様とヘクトル様のところに行こうとするとギルが止めた。


「エスカ様、お待ち下さい。行くならフィン様に報告をしないと。」

「では、ギルがフィンにお伝えしてもらっていいですか?」

「いや、そうではなくて、勝手にはいけません。」

「…?ダメですか?お困りのようですけど。」


ギルが止めようとしているが、何がダメなのかよくわからない。

この町にいるヘクトル様に回復魔法をかけるだけなのに、と思っていた。


「ヘクトルは苦しそうなので、出来れば早くお願いします。そこのあなた!フィン様の許可が必要なら伝えてきて下さいな。」


マリーベル様がギルに上からものを言うとギルはムッとした。


「俺はエスカ様の騎士です。離れるわけにはいきません!」


ギルが側にいてくれるなら、ヘクトル様のところにいっても大丈夫と思った。


「ではギル、一緒に行きましょう。大丈夫です。すぐに終わりますよ。」


回復魔法をかけるだけだからすぐに終わると思い、ギルと二人フィンに報告しないままマリーベル様について行った。


どこかに部屋をとっているのかと思ったが、なんとヘクトル様は豪華な馬車よりグレードの落ちている馬車の中で眠っていた。

顔色は悪く、窓際にもたれぐったりとしていた。


慌てて馬車に乗り込み、急いで回復魔法をかけた。


「ステラヒール!」


ヘクトル様の体が温かい光に包まれたが、何故マリーベル様はこんなヘクトル様をベッドに休ませないのか不思議だった。


その時、馬車の出入口に立っているギルが、うわっ、と叫んだ。


「ギル!?」


ギルと呼びながら、振り向くとバシャッと水をかけられた。


「キャア!」


な、何!?

わけがわからないまま眠気が襲い、ギルが剣を抜き、エスカ様!、と叫んでいるのがうっすら見え、そのまま眠ってしまった。


「フィン…」


眠る瞬間、フィンが脳裏によぎった。



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