ドキドキするのは何故でしょうか?
「沢山持って来てくれたな。配達料金を出しすぎたかな?」
「フィンはお金持ちなんですね。」
「お金はあっても今まで素敵な人に出会わなかったからね。」
「恋人が待っているのではないですか?」
まさかフィンみたいに優しい人に恋人がいないなんて事ないよね。
「恋人なんていないよ。…気になる人はできそうだけど。」
「その方は幸せですね。」
やっぱり好きな方がいるんだわ。
ダメだわ。私ったら、務めの始まりからこんな事考えて、今日は早めにお祈りに行こう!
「フィン、ドアは開きそうですか?」
「もうすぐで開きそうだ。」
ガタンっ!
凄いわ、さすが騎士様!力がおありだわ。
「やりましたね!」
「中に入って見よう!」
埃っぽいし、やっぱり中もボロボロね。
「打ち付けてる窓も開けよう。エスカ、下がってて。」
「じゃあ私はこちらを掃いていますね。」
フィンはガタンガタンと窓の打ち付けを外し、風通しがよくなった。
窓から風が入り、二人は一緒にダイニングテーブルや椅子を運び出した。
「エスカ、そろそろ昼にしないか?」
「はい、今パンを出しますね。」
朝フィンが買いすぎたからパンが沢山あってよかったわ。でもフィンは朝の残りでいいのかしら?
「フィン、私のことは気にせず、村の食堂で食べていいんですよ。」
「エスカをおいては行かないし、朝のパンで充分だよ。」
気を使っているのよね。ごめんなさい、貧乏臭くて。
「夕食は二人で村で食べようか?何が食べたい?」
「これといって好きなものはないですね。」
あら、フィンの手から血が、
「フィン、ケガをしたんですか?」
「ああ、さっき擦りむいたみたいだな。」
「手を出して下さい。」
フィンの骨張った手は男らしく逞しく思った。
「ヒール!」
「これでもう大丈夫ですよ。ケガしたらすぐに言って下さいね。」
「凄いな。なんて温かい光なんだ。」
「って、すみません、いつまでも手を握ったままで!」
私ったら、恥ずかしいわ。
「はは、構わないよ。癒してくれてありがとう。」
フィンの笑顔はなんだかまぶしいわ。
「ゆ、夕食を食べに行くなら、今日は早めにお祈りにいきますね!」
私ったら、何をドキドキしているのかしら?一体これは何かしら。