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下心は胸にしまっておこう


食事の後、すぐにエスカを連れてヴィル司祭を訪ねた。

ヴィル司祭は俺達を邪険にする事なく迎え入れた。

まあ、これが当たり前なんだがな。とフィンは思った。


ヴィル司祭に俺が思っていることを伝えるとあっさり答えがわかった。


「文献によりますと聖なる力を使うと聖女に休息を与えていたようです。つまりすぐに眠っていたようです。過去の司祭の日記にも記録があったのを覚えいます。」


だからエスカは毎晩早く眠っていたのか。


「今は星の聖女となり、国も落ち着いています。飢饉も災害もありませんし、祈りを一日一回にしてはどうでしょう。エスカ様は祈ると双神様の光が降りてくるのでもしかしたら、聖なる力が強いのでは。もしくは強く使いすぎかもしれません。」


フィンは脱力しそうだった。


今まで、何故エスカは気付かないんだ?

いや、教会の者もあれだけすぐに眠って全く起きずおかしいと思わなかったのか。


机に突っ伏しているとエスカが心配そうに声をかけた。


「あのフィン?お疲れですか?」


疲れているのはエスカだ!

突っ込みたい気持ちもあったがエスカの可愛い顔を見ると突っ込めなかった。


「エスカ、祈りは夜か朝の一日だけにしよう。エスカが倒れてしまう。」

「え、でも祈りたいのですが、」

「…双神様はエスカの気持ちをわかっている。エスカの気持ちがあれば祈りが全てじゃないだろ?」

「そういうものですか?」

「ヴィル司祭!そうですよね!」


頼む!俺に賛同してくれ!と思い、思わず力一杯言った。


「…まあ、そうですね。要は気持ちの持ちようですから。」


さすがにできた人と団長が褒めただけはある司祭だ!


「わかりました。今日から一回にしますね。」

「エスカありがとう!ヴィル司祭感謝致します!」

「フィン?やっぱりお疲れなのでは?」

「俺は大丈夫だ!」


これで今日から夜はゆっくりできる!とやっと安心した。

ヴィル司祭にはもしかしたら少し気付かれたかもしれないが、少し下心があったのは俺の胸にしまっておこうと思った。


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