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フィンの悩み


朝からフィンは悩んでいた。


何故エスカはすぐに眠るんだ。

今まで一緒の部屋で寝ていたとしても、一緒のベッドは初めてなんだが、いや何もしてないが、顔を赤くし緊張しているのかと思いきやすぐに眠るなんて、おかしくないか?

それとも俺が男と思ってないのか?

安心し過ぎだ。

だが、全く起きなさすぎじゃないか?


フィンは毎晩エスカが眠った後、手を握り眺めていたが今まで全く気付かれなかったのである。


その時、うーんとエスカが目覚めた。


「おはよう、エスカ。」


エスカにおはようと言うと、エスカはきゃあ、と顔を隠した。


さっきまで悩んでいたことを忘れたのか、俺はエスカの仕草が可愛いと思ってしまった。


「エスカ、おはようと言ってくれないのか?顔を出してくれ、」


シーツを少しずらすとエスカの可愛い顔が少しだけ出てきた。


「おはようございます。フィン。」


エスカが俺の腕の中でおはようと言ってくれるなんて、天にも昇る気分だった。


「エスカ、夕べはよく眠れたか?」

「は、はい、ぐっすりといつも通り眠れました。」

「いつも通り?」

「はい、よく眠れました。」


俺はまたさっきのことを考え出した。


エスカはごそごそと起き、すぐにお祈りしますね、と朝の準備を始めた。


祈りの後、朝食時思いきって聞いてみた。


「エスカ、何故すぐに寝るんだ。毎日疲れているのか?」

「…よくわかりません。」

「よくわからない?昔からなのか?」

「多分そうです。祈りが多い日や回復魔法を使った時は特に眠るのが早かった気がします。」


フィンは呆気にとられた。


「それは、聖なる力が関係あるんじゃないか!?」

「どうなんでしょう?」


何故呑気なんだ?このままだとエスカが倒れるかもしれない!?


「エスカ!」

「は、はい、なんでしょう?」

「食べたらすぐにヴィル司祭の元へ行くぞ!」

「何かご用があるんですか?」


エスカの呑気な様子にフィンは気が抜けそうだった。


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