穏やかな1日
午後になると、アフタヌーンティーの時間もあるらしく、驚くことばかりだった。
美味しいお茶に軽食にケーキにクッキーにスコーンが綺麗に並べられていた。
お昼もきちんと頂いたのにまだお腹が空いておらず入るか不安になった。
「フィンこんなに食べられません。」
「全部食べる必要はないよ。好きなものだけでいいんだ。」
「勿体なくないですか?」
「そういうものか?」
フィンとの会話にケントさんが話かけてきた。
「手のつけなかった物は私達使用人が頂きますのでお気になさらず。フィン様が初めて女性をお連れなさったので料理人が張り切って作り過ぎましたね。」
「そうなのですか?」
フィンが誰も連れてきたことがないと知りなんだか、自分が大事にされているような不思議な気持ちになった。
アフタヌーンティーのケーキは凄く美味しく感動してしまった。
あまりに美味しく食べているとフィンは笑顔で見つめていた。
ハッとし、はしたなかったかしら、とフィンから目を反らしてしまった。
「フィン、あまり見られると恥ずかしいんだけど、」
「気にするな。」
気になります!と思い、思わずお茶を一気飲みしてしまった。
アフタヌーンティーの後、護衛の為に来てくださっている騎士達にお茶を持って行くと皆笑顔で喜んでくれた。
フィンは皆に冷やかされ、少し耳が赤くなり、なんだか私も赤くなってしまった。
今日1日を振り返るとこんな日が自分にくるなんて考えたこともなく、あらためてフィンに感謝した。
フィンに感謝を伝えると、また抱きしめてくれ、もっとプレゼントをしたかった。と言われた。
「沢山買って頂きましたよ。」
「毎日贈りたい位だ。」
「毎日は要りませんよ。ビックリしすぎて倒れちゃいます。」
「エスカは可愛いな。」
フィンの言葉に顔があげられなくなり、ずっとフィンの胸に顔をうずめていた。




