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お金がない理由



「村で何か必要なものも買おう。実は急遽担当を変更したから、ほとんど着の身着のままで来たんだ。だから、昨日エスカがパンをくれて助かったよ。急いできたから夕食を食べてなかったんだ。」

「おいしくなかったですよね。すみませんでした。」


本当に残り物のパンですみません。


「エスカは優しいな。昨日驚かせてしまったお詫びをさせてくれないか?」

「私が勝手に驚いただけです。お詫びなんてそんな、でもどうして担当を変わったのですか?」

「実は担当になった星の乙女と、その合わなくてだな、エスカの担当が王都の祈りの間を希望してたから変わってもらったんだ。」


王都の配属はエレナさんだったよね?一番私達の中では身分が高かったはず。配属場所をお金で買ったと、雑用している時に立ち聞きしちゃったわ。


ん?焼き立てパンのいい匂いがするわ。おいしそうだわ。


「エスカ、あそこのいい匂いのするパン屋で食べようか?テラス席もあるようだし。」


もしかしてものほしそうにしてたかな?恥ずかしいわ。

でも、ホントにおいしそう。でも教会からのお金があまり無いから一つにしておこう。


「エスカ、一つで足りるのか?」

「家の修理もありますし、その、あまりもってないんです。」

「エスカに出さすつもりはないから、気にせず買いなさい。」

「そんな悪いです。いつもこれくらいですし。」

「ダメだ、女性に金は出させない。」


フィン、だからといってそんなにパンを買わないで。


「さあ、エスカこっちに座って。」


すごい椅子を引いてくれるなんて、これがエスコートってやつかしら。フィンは身分のあるかたなんじゃないかしら。


「エスカ、さっきの話だけど、お金が無いとはどういうことなんだ?星の乙女には国からの援助があるから、教会からしっかり生活費を貰っているのではないか?」


もしかして私、お金をピンハネしていると思われてる?それともすっごいケチだと思われた?


「エスカ、言いにくいかもしれないが教えてほしい。」


誤魔化す理由がみつからない。ていうか私が誤魔化す理由がない気がする。


「実は、辺境の配属になった私には皆と同じだけはいらないだろうと、教会から言われまして、」


なんだか言ってて悲しくなってきた。でも信じてないかも。


「よく教えてくれたね。言いにくかっただろう。」

「信じてくれるの?ケチとか思ってないのですか?」

「はは、そんなこと思っていたのか。一晩しかいないがエスカが嘘をつく人には見えないな。」


信じてくれて、私に笑顔を見せてくれるの?フィンは優しいのね。


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