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フィンの腕の中


「キャアアア!フィン!フィン!」


砦と一緒に落ちたフィンに必死で呼びかけるが姿が見えない。


エレナ様もバーンズ侯爵も商人達も皆砦と共に落ちた。


私の周りだけがまたシールドを張られたみたいに何もない。

だが、砦の二階にいたせいか今にも崩れ落ちそうだった。


そんなことを気にせず私は必死でフィンの名前を叫んでいた。


私のせいで、私に関わったせいで、フィンがいなくなる。

フィンの代わりに私が死んでしまえばいいとさえ思った。


豊穣と加護の双神様!どうしてフィンまで!?


「エスカ」


その時、優しく私を呼ぶ声がした。

泣きながら下をみると、瓦礫からフィンが立っていた。


「エスカ、無事か?」

「フィン?」


フィンは傷だらけだが生きていた。


「そこは危ない。降りられるか?」


フィンの言葉に動こうとすると足を挫いていたのか痛みが走った。

いや、歩けたとしても周りには階段も何もない。


「フィン、本当にフィンですか?無事でよかった。」


「俺は大丈夫だ。そこから降りよう。」

「…どうやって降りたらいいか…」

「俺が受け止める。俺を信じて、飛び降りてくれ。絶対に受け止めるから。」


フィンの言葉を疑う理由なんて何もない。


「フィン、今行きます。」


フィン目掛けて飛び降りると、光が私の周りを回りまるで羽が生えたようにフィンの腕の中へいった。


「エスカ」

「フィン」


フィンは力強く抱き締めてくれた。



「エスカ、無事でよかった。怖かっただろう。もう離さないからな。」

「フィンが無事でよかったです。会いたかった。」

「俺も会いたかった。」


抱き締めてくれるフィンにしっかりと抱きついていた。


「エスカ、この光は何だ?この光は君が出したのか?この光が俺をここに導いたんだ。」

「光が?…多分、豊穣と加護の双神様です。」


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