聞こえた声
ルディはフィンと同じように優しく気遣ってくれた。
「エレナの事は気にしなくていいからね。フィンに任せとけば大丈夫だから。」
「あの…フィンは後ろ楯といいましたが、もしかしてフィンはエレナ様より身分が高いのですか?」
前々から思っていた事を聞いてみた。
フィンの仕草もそうだけど、あのエレナ様が好きになるなんて結構な身分なのではと薄々感じてたからだ。
身分がなくてもフィンは素敵だからかもしれないが、それだけでエレナ様が必死になるとは思えなかった。
「フィンの家柄を知らないの?」
「知りません。私を気遣ってだと思いますが、ただのフィンでいいと言って下さって…」
「フィンはエスカが本当に好きなんだな。でも、俺から言うよりフィンから聞くといい。悪いようにはならないから大丈夫だよ。」
「教えてくれますでしょうか?」
「結婚するんだからイヤでも教えてくれるよ。」
「なら待ちます。」
そうだよね。フィンが言ってくれるのを待とう。
そう思いながら、祈りの間に行った。
祈りをするために入ると、いきなり突き飛ばされ倒れた。
「キャア!」
突き飛ばした方を見ると月明かりに反射するようにナイフが光った。
ナイフを持ち立っていたのはエレナだった。
その姿に血の気が引き、ゾッとした。
エレナはナイフを首に当て私を捕まえた。
その時ルディが祈りの間の扉を開けた。
「エスカ!?どうした!?」
エレナはナイフを首に当てたまま私を羽交い締めにし、ルディの方を向いた。
「エレナ!?何をやっているんだ!?エスカを離せ!」
「フィン様はいないの?」
「エレナ!」
その時、首筋がナイフで少し切れ、血が垂れてきた。
エレナ様の凶行が恐ろしかった。
私、殺されるの?
「エスカに手を出すとフィンが許さないぞ!」
ルディは剣を抜きエレナに向けた。
その時、私にはどこからか声が聞こえた。
「我らの星の聖女よ。」
声と共に私の周りが光を放ち祈りの間とルディが吹き飛んだ。
エレナは私を羽交い締めにし、くっついていたためか何もなかった。
私の周りだけが、シールドを張られたように何もなかった。
「今のは何なの!?」
エレナは動揺していた。
エレナ様には今の声が聞こえなかったの?
今の声は、もしかしたら…。
エスカはそのまま眠ってしまった。




