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冷たいエレナ


村に戻り、村人達に癒しをかけていると、この村に来て最初に回復魔法をかけた村人の子供がやってきた。

子供の名前はノインと言った。


「エスカ様、どうしてあっちの聖女様は治してくれないの?」

「あっちの聖女?」


子供の話に、母親が慌てて来て、言いにくそうだか、なんとかわけを話してくれた。


子供はどうやら、私達星の乙女を聖女と思っているらしい。

だから、あっちの聖女様とはエレナ様の事らしいが、今日私達が村に来る前にエレナは村で文句を垂れながら買い物していたらしく、大人達が遠巻きにしているとそこに子供達が、怪我を治して下さい、と近付いたらしい。

するとエレナ様は、小汚ない手で触らないで!と怒っていったと話してくれた。


「来たばかりでお疲れだったのかしらね。身分も高そうな方だったし。」


母親はフォローしたが、フィンは厳しい顔になっていた。


「星の乙女エレナが失礼しました。マダム。どうかお許しいただきたい。」


フィンとルディは二人で頭を下げ、私もすみませんと謝った。


「私が一生懸命癒しをかけます。どうぞお許しください。」


母親は気を使わせてごめんなさいと言ってくれた。


三人で村の人達に癒しをかけたり困り事を少し手助けしたりしていつの間にか夜になっていた。

遅くなり、村で夕食を食べた後、フィンはずっと昼の事を考えていたらしく、エレナと話をしてくると言った。


「別荘でおとなしくしているなら見逃そうと思ったが、村人にあのような態度は困る。明日からは務めをするように俺から話して来る。」


ルディは俺が行こうか?と言ったが、エレナはきっと誰の話も聞かないだろうと言った。


「フィンの話ならきっと聞きますね。」

「…俺にも少々後ろ楯があるんだよ。必要なら使う。」

「後ろ楯?」


そういえば、私まだフィンのフルネームも知らない。

後ろ楯とはフィンの身分の事だよね。


「ルディ、先にエスカと帰っていてくれ。くれぐれも頼む。」

「気をつけてな。」

「フィン、お祈りの後お家で待ってますね。」

「すぐに帰るから、待っててくれ。」


フィンは手を握り、そっと指に口づけをした。


フィンはそのままエレナの別荘へ行き、私はルディと二人で帰った。


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