結婚宣言
その後、三人で村へ行き、フィンが指のサイズを測って欲しいと言うので、雑貨屋で測ってもらった。
村には宝石店がない為、雑貨屋のメジャーで測ることにしたのである。
その時、村に買い物に来ていたエレナ様と鉢合わせた。
「フィン様、お買い物ですの?」
フィンは私を背中に隠すように前に立った。
「エレナ、星の乙女の務めはどうしているんだ?祈りの間に来なかったが?」
「昨日来たばかりで疲れてますの。フィン様は護衛してくださらないのですか?私、待ってますのよ。以前お父様から結婚の話をされたと思いますが、もう一度されるそうですわ。」
結婚?エレナ様と結婚話があったの?と動揺してしまい、思わずフィンの背中に手を当て服を握りしめていた。
「エレナ、少し外で話そうか。」
フィンに連れられ、人気のない村外れに行くとフィンは毅然とした態度で話した。
「結婚の話は以前から何度も断っている。エレナには悪いが結婚は出来ない。それから、俺はエスカと結婚する。」
フィンの告白にエレナは嘘でしょ、というような顔をした。
「フィン様、冗談ですよね?フィン様の家柄を考えたらエスカは無理ですわ。」
フィンは不機嫌な顔になりエレナに話した。
「家柄は関係ない。エスカは立派な人間だ。これ以上侮辱するなら俺にも考えがある。」
フィンの怒りを察したのかルディが話に入ってきた。
「エレナ、もう諦めた方がいい。フィンの気持ちは決まってしまっているんだ。」
エレナは下を向いていた。
「わかりましたわ。」
そう一言言うと、エレナは去って行った。
エレナの後ろにはエレナが連れてきた私兵がボディーガードのようについて行った。
「フィン、いいのですか?」
「これ以上エレナから結婚話を持ってこられても困るからな。それにエスカに対する侮辱は許せない。」
フィンの言葉にルディも賛成していた。
私はこんな状況が初めてだからか何だか怖くなった。




