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ジゴクのオワリとコドクのハジマリ

 仁のイジメは無視から始まったが、小説等の話をする友達2人だけはそんな事は(無視する事は)しなかった。


 最初に話せなかったのは、事件の影響で仁は変わってしまったんじゃないかと、話せなかったが、話してみると普段通りだったので、安心して喋るようになった。


 陸上部に誘っていた友達?は、無視されていたので、陸上部に入部しなかった。

 陸が買ってくれたスパイクを使えなくて、少し残念だった。


 絵莉は女友達に告白した事で、仁の事をより意識してしまい恥ずかしくて喋れずにいた。


 この状況を、仁本人はまだ女性が怖かったので、少し寂しかったが良かったとも思っていた。


 小説友達の2人は絵莉は仁の事が好き(野暮)なことは言わなかった。


 期末テストはあまり学校に来ていないにも関わらず、学年七位だった。その事にも周りはムカついていた。


 閑話休題。


 微妙な感じで春休みに入り、小説友達と遊んだりカウンセリングを受けて過ごしていた。


 その頃から、奏海は遠藤の病院で、事務のパートで働き始めた。


 仁も走りたかったのと、陸の代わりに、奏海を少しでも楽にしたくて新聞配達を始めた。


 春休みが終わり、中3になった。


 小説友達と同じクラスになれて3人で喜んでいた。


 イジメは無視から、「ウ○コ野郎」等の陰口を聞く事になったが、小学生の頃が酷かった事と、陰口が小学生の頃に言われた事ばかりだったので、ムカついてはいたが、

「お前らの(ボキャブラリー)は小学生並みかよ」

 仁は心のなかでバカにしていた。


 絵莉の事務所から学校に圧力が掛かり、絵莉とは違うクラスになった。

 絵莉は少し落ち込んだが、

「どっちみちドラマの撮影で少ししか学校に来れないし」

 そう思って気持ちを切り替えた。


 閑話休題。


 中3になってゴールデンウィーク前、仁は、他クラスの可愛い女の子に告白されたが、その女の子とあまり喋ったことなかった事と、まだ女性が怖かったので振った。


 もちろん、陸の教育で出来るだけ優しく断った。


 その場面を絵莉に見せていた。


 慎二(アイドル)は、ネットのデマ《女を物みたいに扱う》を信じていた。


 どっちに転んでも、絵莉は仁の事を好きじゃなくなると思っていたが、結果は逆で仁への評価が爆上がりして、絵莉は慎二がなにをしたかったのか、分からなかったが、とりあえず、お礼を言って仕事に向かった。


 実は、慎二のハニートラップ?だった。

 振られた方が、罵詈雑言を吐かれると思っていたので、報酬はオッケーだった時の2倍だった。


 告白した女の子は慎二から、振られた時のお金を貰い、自分の教室に帰っていった。

 仁は誰にも告白された事を言わなかった。

 女の子は仁の隠れファンになった。


 慎二はデマを信じきっていたので、今回の事は、仁が自分達に気付いていたのではと考えた。そしてなんでバレたかを考えた時、奴の友達(小説友達)の存在を思いだし、アイツらのセイかと憤っていた。


 ゴールデンウィークは、早朝に新聞配達をして、朝食をとって、カウンセリングの時は、奏海と一緒に病院に行き、終わったら小説友達の家に行き、カウンセリングがない日は朝から家に行って、ネット小説やラノベを読んだり、アニメのDVDを観たり、その感想を話したりして過ごした。


 ゴールデンウィークが終わり、学校に行くといつものように何人かが陰口、悪口を言っていたが、仁には馬耳東風だった。


 ある日、避難訓練で全校生徒が運動場に集まり、その後、仁に向かって「オタク~」という声が聞こえてきた。

 仁は言った奴のもとへ本気で嬉しそうに向かって「ありがとう」と言った。

 小説友達は、笑うのを必死で我慢しようとしていたが、全然我慢できてなかった。

 仁は新聞配達しているが、そのお金は奏海に、ほとんど渡していた為、小説友達に比べるとラノベやDVD、グッズ等持っている数が少なく、その知識量も2人と比べると全然足りてなく感じ、少し気にしていた。

 その為、仁にとってオタクやマニアは褒め言葉だった。それを自分を嫌っている人に言われて、

「俺も本物のオタクになれた。」と本気で喜んだのだ。


 その場面を絵莉も見ていた…。見ていたが会えない時間が、長く愛が育ちまくっていたのか、恋は盲目なのか、そんな場面を見ながらうっとりしていた…。


 閑話休題。


 馬耳東風の仁に何を言っても効果がなく、先に暴力を振るって、それが絵莉にバレると100%嫌われる為、誰も暴力を振るえなかった。


 その為に矛先が小説友達の2人に向かった。


 その時、仁は奏海が職場で倒れたらしく早退した。

 原因はただの貧血だったので安堵し、一緒にアパートに帰った。


 絵莉はドラマの撮影で休みだった。


 昼休みに2人に矛を向けた。

 最初は口喧嘩だった。2人(小説友達)は流石の一言で、もうフルボッコだった。


 仁曰く、小学生並みの頭じゃこの2人に勝てなかった。

 2人の悪口が秀逸で周りで見ていただけの無関心を決め込んでいる人からも、笑いが漏れていた。


 仁のように無視するか、こちらが2人をフルボッコにするつもりだったが、逆にこちらがフルボッコされ、さらに周りの人達にも笑われプライドはズタズタだった。


 口で勝てないなら手だ!!と安直に考えた。それを感じとった2人は逃げた。


 職員室を目指したが、陸上部の部員に途中で捕まり、最初は抵抗したが、多勢に無勢でボコボコにされ腕と肋骨の骨折等の大怪我を負った。


 次の日、仁が学校に行くと2人がいなかった。

 今日もサボってアキバにでも行ったのかな、2人がいないと喋る人がいないなぁと思っていた。


 朝のホームルームが始まり、担任が昨日の件を話した。

 暴行を加えた奴も、停学でいなかったので静かに憤っていた。


 授業中も遠藤先生に教えてもらった、アンガーマネジメントをしながら席に着いていた。


 授業の内容も馬の耳に念仏だった。

 何秒怒りを我慢してもイライラし、イライラし過ぎて頭も痛くなっていたが我慢していた。


 昼休み、慎二(アイドル)がニヤニヤしながら絡んできた。

 周りは空気読めよと思っていた。


 なんでも、2人をターゲットにしたのは俺だの、俺も何発か殴っただの、それを停学した奴らに金握らして、俺をいなかった事にしてもらった。と話していた。


 それを聞いていて、頭痛が酷くなり鼻血も出てきたが手を出す事だけはなんとか我慢した、鼻血を拭いて。


「お前のソロパートどの曲も少なくない?っていうかお前、口パクだろ!?俺でも気付いんたんだから、ファンは絶対気付いるぜ。あっ、ゴメンゴメンお前にファンなんていねーか。それとグループの他メンバーは、ドラマとかバラエティーでよく見るけどお前って何か出てる?ってかお前って今のグループに必要とされてる?お前のせいでグループの品格落ちてねっ?辞めてもらった方が他メンバーも事務所も助かるんじゃね~の!!━━━━━━芸能人なのにいつも学校にいるよな。思ったんだけど学年で出席率トップクラスじゃね?良かったな他メンバーどころか芸能界一になれて!おめでとう!!マジかよこれだけ言ったのにまだまだあるよ!!スッゲーっ!!おかわりいる?」


 慎二は殴ろうとしていたが人が集まり過ぎていて、そこに絵莉がいたので手を出すのは止めた。


 仁はあと少しで手を出すぞと思った。手さえ出されれば、自分の勝ちだと思った。だが、慎二に言っても、無駄だと思い、仁は満面の笑みを浮かべながら、絵莉に話しかけた。


「楓さんってスゴイ演技上手いよね。役作りとか大変でしょ?(コクッ)2年の時、給食少なかったよね?(コクッ)食事制限とか?(コクッ)それは大変だ。尊敬するよ。あと凄く可愛いけど特に目が綺麗だよね。それと私服、テレビで見たけど抜群にセンス良いよね。ってかヤバいよね。それに比べッ…ぅわっ」


 仁は、比べの後に、楓さんのヤバいと誰かさんのヤバいって同じ文字で同じ発音だけど意味が全然違うよね。日本語って難しいけど面白いよね。━━と怒涛の悪口を再開する予定だったが、絵莉が顔を真っ赤にして倒れていたので絵莉を急いで支えた。


 急いで支えたので、お互いのおでこと、鼻がくっついた状態で止まった。


 1秒ほど見つめ合った後に、絵莉が気絶した。

 仁は絵莉を絵莉の女友達2人に渡し、2人は絵莉を連れて教室からでていった。


 仁は(渡すときも思ったけど微妙な雰囲気だったけどなんでだ?あと、楓さん顔を真っ赤になっていたけどもしかして…。とナイナイ。有名人ってその辺の管理厳しいって聞くし…。食事制限キツイのかな、それとも俺に触られたくなかったからとか…。)と顔が赤くなったり、戻ったり、青くなったりしていた。


 周りは日差しのせいで、キスしているように見えた。


 もちろん慎二もだ。

 それ(キス)に激怒した。

 微妙な雰囲気のなか、殴りかかってきた。それを華麗に回避ということはなく、しっかり顔にクリーンヒットした。


 その後、仁も応戦したがしっかりボコボコにされた。


 慎二とは体格が違うし、体力測定では短距離走以外全敗だった。握力は、トリプルスコアに近かった。


 仁はあの2人もこんな感じだったのかなとか、やっぱり辛いな、情けないなと思っていた。

 これで先生が来るまで、耐えるだけだとも思っていた。


 そんななか、慎二は仁達3人の悪口を言いながら、暴行を加えていった。


 それで奏海と陸の悪口を言い始めた。

 ネットの情報()ニュースの情報()だった。


 それで仁のなかの何かがキレた。そして、10分ほど意識を失った。


 仁の意識を取り戻し、唯一確認できたことは、慎二がぐしゃぐしゃになっていて、お互いの白いシャツが赤くなっていた。


 そして、また意識を失った。 

 読んで頂きありがとうございます。

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