敗走とカンナの過去
十七階層を、モンスターに会わないように、攻略して、十八階層に着いた。
感覚的に、一番強いとこに向かった。
レベル5のモンスターがいた。しかもソロだった。
名前:━
種族:オーク·ソルジャー
LV :5 状態:良好 属性:無
MP :60/120 STR:734
DFE:793 INT:60
AGL:251 ST :470/483
固有スキル:【性豪】
Aスキル:【スラッシュ】【剛力】【━】…ext
Pスキル:【身体強化】【女性探知】【━】…ext
強いな。サイレンも鳴っている。というかオーク·ソルジャーのスキル、そっち方面ばかりじゃないか。
でも、これは、チャンスだな。
って、ヤバい気づかれた。【女性探知】か!
オーク·ソルジャーが、突っ込んできた。
俺は、急いで【斬兎刀】をとりだし、戦い始めた。
「マリンは、ヒット&アウェイで攻撃を、カンナは、安全な位置から攻撃を頼む。俺が抑える。」
指示をだして、その通りにしてくれようとしているが、オーク·ソルジャーに、【斬兎刀】の効果がなく、攻撃しても、マリンやカンナの方へ、向かっていく。
それでも、抑えようとしたが、俺に見向きもしないで、カンナに攻撃が、当たりそうになったところで、マリンがカンナを庇い、吹っ飛ばされてしまった。
マリンは、立ったが、【身代わりリング】が、仕事したのだろう。
周りのモンスターの位置を確認して、MPを300使い、【斬兎刀】を振り、オーク·ソルジャーの腕を傷つけて、
「撤退だ。そっちに逃げろ。」と叫び、マリンとカンナを先に逃がして、追いかけるオーク·ソルジャーの邪魔をして、2人の逃げる距離を稼いだ。
2人が見えなくなった所で、怒ったオーク·ソルジャーの攻撃を捌きながら、オーク·ソルジャーの攻撃で、吹っ飛ばされるのを利用して、そのまま、2人を追いかけた。
2人に追いつき、怪我の状態を聞くと、【身代わりリング】は、壊れたが、2人とも大丈夫だったので、とりあえず、十八階層の入口に戻った。
「やっぱり、レベル5は強いな。今回は、十七階層を攻略するか…。」
「そうですね…。それと、申し訳ありません。私のせいで…」
マリンが謝ってきた。すると、
「違います。マリンさんのせいじゃないです。私が…」
カンナも謝り始めたので
「反省は、迷宮を出た後にしよう。この状態での攻略は危険だ。…今日は帰ろう。」
俺がそう言うと、2人は、大丈夫と言ってきたが、オーク·ソルジャーとの戦闘を、引きずっているのは、明らかだったので、迷宮攻略をやめた。
迷宮を出て、今回の反省をしたが、2人が謝るだけで、なにが悪かったのか、誰も分からなかった。
「結局のところ、実力不足だった。俺達より、オーク·ソルジャーが強かっただけだし、それにも関わらず、ほぼ無策で突っ込んでいった、俺のせいだ。ごめん。」
頭を下げた。
「そんな事ありません。私も突っ込んでいきましたし…もっと力があれば…」
「ご主人様もマリンさんも悪くありません。僕がお母さんみたいに、出来れば…」
2人がまた謝り始めたので、
「じゃあ、今回は、皆の責任だな。とりあえず、【身代わりリング】を探しに行こう。」
【身代わりリング】を探しにいったが、なかった。なので、
「マリン、主人権限だ。受け取ってくれ。」
マリンからプレゼントされた、【身代わりリング】を渡した。そう言わないと、マリンは受け取らないだろう。
「そんな…卑怯です…。」
嬉しいような、悔しいような、そんな顔をしていた。
「ご主人様は、変なところで、主人権限使いますね。」
カンナが笑ったので、マリンも同調して笑い、俺もなんでか分からなかったが笑った。
今は、オーク·ソルジャーの事を忘れて、いろんな話をしながら、【ヤスラギ亭】に向かった。話の途中でカリンが、聞き辛そうに、
「新しい、奴隷は買わないの?」
「私は賛成しますよ。新しい、奴隷。」
俺の心臓が止まりそうだった。
「…っ、な、なんで?まさか、カリンは、解放したらパーティー抜けるつもりなのか?…マリンもそんな風に考えて?」
答えを聞くのが、怖かったが、聞いた。
「あり得ません。」 「それはないよ。」
即答か…嬉しいな。と思っていると、
「だから、私は、奴隷解放されるの、嫌だったんです。そもそも、ご主人様は、自分に自信が無さすぎです。過小評価なんですよ。ご主人様は、━━」
マリンの説教が始まった。それにカンナが頷いていた。
マリンの説教は、俺の凄さや、そんな俺と仲間になった事の自分の幸運さや、誇りに思っている事を話していた。まだ終わりそうにない…
その気持ちは、嬉しいが、ここは大通りで、他人が見ているので、とても恥ずかしい。
「マリン、ごめん。マリンがそう思ってくれてるのは、すごく嬉しい。でも、ここじゃなくて、俺達の家でお願い。」
マリンも周りの状況に気づいたのか、顔を赤くして、
「今日は、これくらいにします。」
そう言って、早足で家に向かった。
俺とカンナは、マリンを追いかけて、家に戻った。
女将さんが、珍しくいなかった。公務所にでも行っているのかな。
家に戻った後、
「もっと、自分に自信を持ってください。私からご主人様のパーティーを抜ける事はありません。」
マリンがそう言った後に、
「僕もかな。僕が言ったのは、僕達のレベルなら、4人いないとおかしいし、奴隷もレベル4以上の人なんて、僕以外はいないと思うから、早めに買って、育てた方が良いと思って言ったんだ。…それと夜も楽になるし。」
最後になにか言ってたが、聞こえなかった。
だが、その通りだな。4人までなんだし、パーティーメンバーを増やすのは、奴隷を買った方が早いな。
普通の冒険者と、コミュニケーションとれる気しないし…。
ただ、ルソーの店で買うのは、嫌だな。
「わかった。近いうちに買おう。ただ、この街では買いたくないから、師匠や女将さんに相談して、またどこかで買おう。でも、今は、自分達で、出来るだけ頑張ろう。」
「そうですね。STR DEF AGI STは、上限値になりましたが、他にも、剣士として上げれる所はあります。」
「そうだね。僕は、お母さんみたいに、もっと動けるように頑張るよ。」
マリンとカンナが、やる気になってくれて、嬉しかった。
だが、マリンはいつもの事だが、カンナは違和感が凄いな…。
「カンナは、自分が女将さんを目指したくて、頑張るのは良いけど、俺やマリンの為なら、ならなくても良いよ。カンナらしく強くなってくれれば良いからな。」
「そうですね。師匠は、確かに凄いですけど、カンナがあの動きをするのは、なんか違う気がします。」
すると、カンナが泣いて、俺にタックルしてきた。
マリンならともかく、カンナは余裕で受け止められた。
少し焦ったが、マリンが口パクで、『大丈夫です』と言ったので、嬉し泣きなのか、と思い、前回と同じように、カンナが落ち着くまで、頭を撫でながら待った。
しばらくして、カンナが落ち着き、話を聞いた。
話をまとめると、師匠と女将さんの子供で生まれて、固有スキルが2つもあったので、周りからは、期待されて育ったみたいだった。比べられるのは、師匠や女将さんだった。
最初は、期待に応えようと頑張ったが、年をおうごとに期待が失望に変わり、やる気を失ってしまったらしい。
そんなカンナに、周りは、頑張れ、ボルドーは、アンナは、と言われ続けられる生活で、周りには気づかれなかったが、相当キツかったらしい。女将さんが、街長になった頃が1番酷かったと、笑って言っていた。
無理してるのは、俺でもわかった。その笑顔を見るのが辛かった。
きっと、女将さんは、カンナがだらしなくなったから、街から出したと言っていたが、この事が1番の原因だろう。と思った。
今回の事で、俺やマリンの為に、女将さんを目指そうとしたが、両親以外、初めて、師匠達を目指さなくて良い、と言われた。
言われた事で、俺達に会う前の事を思いだして、辛くなったが、自分自身を見てくれてる、俺やマリンに感謝して、泣いてしまったようだった。
そして、俺は重大な事に気づいて焦っていた。
えっ…固有スキルって珍しいの?と…。
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