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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第三章 学園編

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73.対策

 部屋に入って、皆に飲み物が行き渡ったのを確認した。

 何故か明先輩もついてきた。

 アーネストが大丈夫と言うので、許したんだけど……。

 ちゃっかりセルシウスの横をキープしてたので、ただ単にセルシウスと居たかっただけじゃないかなと思ってるんだけど、あながち間違いじゃないと思うんだ。

 ただ、元生徒会長という事も考慮して、聞いてもらうつもりだ。

 ミアさんにイシスさん、ユリィ君の三人には、詳しい事をまだ話して良いとは思えなかったので、あの後別れた。

 何度も何度も明日もご一緒しても良いですかって聞いてくるので、苦笑しながら大丈夫って答えておいたけど。

 さて……。


「セルシウス、まず私を倒すように命令したのは、ノルンで間違いはない?」


「ええ、そうよ。あの女、急に私の元へ来て言ってきたのよ。もう一人の世界樹の化身を倒しなさいってね」


 えぇぇ……何の説明もなく、そんな事を言われて従う人なんて居ないよノルン……。

 あれ、セルシウスは従ったんだっけ?


「勘違いしないでレンゲ。私だって、いきなりそんな事を言われて、はいそうですかって従うわけないじゃない」


 ですよねー。


「ただ、彼女の魔力は本物よ。私は負けたの。だから、無理やり従わされた。レジストしたんだけれど、下位の隷属下に置かれたわ」


 その言葉に、ここにいる皆が息を飲んだのが分かる。

 それはそうだ。

 伝説とまで呼ばれる存在の大精霊。

 その大精霊に挑み、勝ったと言うのだから。

 私は今まで、大精霊の皆と友達にはなれた。

 だから、力を借りる事はしてきた。

 だけど、戦った事は……あれ、イフリート倒したな。

 サラも結構弱かったような……。

 あるぇ?

 で、でも強い、はず?だ、だって、伝説だよ伝説!語り継がれてるんだよ!

 誰に一生懸命弁明してるのか私は……。


「どうしてノルンがレンゲを狙うのかは、私も分からない。というか、どうして私を向かわせたのかも分からない。多くの大精霊と契約をしているレンゲに、私一人で勝てるわけがないのに」


 皆それぞれ考え込んでいる。

 確かに、どうしてセルシウスを私にけしかけたんだろう。


「ま、理由なんざどうでも良いさ。要は、これからもそのノルンって奴は、蓮華を襲うって事だろ?なら、俺達は蓮華を守れる体制を整えなきゃならねぇって事だ」


 そう、アーネストが言ってくれた。


「そだねアーくん。女子寮では、私とセルシウスが常に蓮華さんの近くに居るようにするから、安心して」


「私もレンゲとアリスティアの部屋に一緒に居れるのだったかしら?」


「ああ、教師達には俺と明で言っといたから、大丈夫だぜ」


「ええ、セルシウスさんの為なら、俺はどんな手を使っても構わない」


「そこは私の為というより、レンゲの為と言った方が好感度は高かったわよ?」


「もちろんレンゲさんの為でもありましたとも!」


「あざといから、0点ね」


「ぐふぁ!て、手強い、けど諦めませんよ!」


 うん、この人は放っておこう。

 大事なのは、セルシウスが私とアリス姉さんと一緒に暮らすという事だ。


「セルシウスはどういう立場でここに居る事になるの?生徒?」


「あぁ、大精霊って事を伝えたら、好きにして良いって理事長に言われたよ」


 それで良いのか。

 いや良いなら良いんだけど。


「そう。なら私はレンゲの護衛として傍に居るわ。まぁ、あのノルンって奴には私だけじゃ勝てないから、その場合は伝達役って事でね」


 そうセルシウスは言うけど、あの時纏った魔力は尋常じゃなかった。

 多分、セルシウスは滅茶苦茶強いんじゃなかろうか。


「大丈夫セルシウス。今度は私も居る。一人じゃ勝てなくても、二人なら、ううん、私達にはたくさんの仲間がいるよ。だから、きっと大丈夫」


 なんの根拠もないけど、そう思えた。

 だから、そう伝える。


「そうね、レンゲはそれを心から思っているのね、分かるわ。伝わってくる、レンゲの心が。本当に優しいのねレンゲ」


 って、あ、もしかして!


「セルシウス!心を読むのは禁止だからね!?」


 慌てて言ったんだけど……。


「そんな事しないわ。ただ、温かい感情というのかしら?それが魔力を通して私に流れてくるの。これは心を覗いているわけではないの」


 そういうのあるの?私には分からないんだけど……。

 不思議に思っていたら、セルシウスが続けて言ってきた。


「ふふ、レンゲの傍は心地良い。同じ世界樹の化身でも、あいつとは凄く違うのね」


 違い、か。

 私は母さんから、ノルンの存在は聞いていない。

 アーネストもそうだろう。

 ノルンをみて、私と間違えたくらいなんだから。

 アリス姉さんも聞いただけ、兄さんやミレニアなら知っているかもしれないけれど……。

 まぁ、実害が出るとしても私だけだし、対処できるうちは私が頑張れば良いよね。


 そう、この時の私は思っていた。

 この甘さが、後に大きな災いとなる事など、夢にも思わず。





-ノルン視点-




「クス、セルシウスは無事蓮華と契約できたみたいね」


 計画通り。

 これで、蓮華の力が更に上がった。


「どうして敵に塩を送るような真似をするんだ?」


 タカヒロが不思議そうに聞いてくる。

 ふふ、分からないかなぁ。


「どうせ、私のモノになるんだよタカヒロ。なら、管は一つに纏めておいた方が管理が楽なの」


「どういう事だ?」


 うーん、これは私の感覚的なものだし、説明が難しい。


「分からないなら、秘密。できれば、雷のヴォルトに光のレニオン、闇のカオスとかも送り込みたかったけど、居場所が掴めなかったのよねぇ……」


 残念だ。

 私がいちいち契約するのは面倒だから、蓮華に契約させてしまってから、芋蔓式に奪いたかったのだけど。

 まぁ、私は大精霊なんていらない。

 私の魔力があれば、それだけで良い。

 蓮華を奪う事で、大精霊の魔力の根源が手に入るのはおまけだ。

 その際のおまけを、少し多くしようとしているだけ。

 立ち上がり、校舎へ歩き始める。


「戻るのか?」


「ええ。これでも私、優等生だからね」


「はは、そうだったな。それじゃ、俺は違う場所から戻るぞ。リンスレットとアスモデウスにも会いに行くつもりだが、ノルンはどうする?」


「私は基本的に一人でいるよ。その方が怪しまれないからね」


 そう言って、今度は立ち止まらず進む。

 仕掛けるのは、もう少し先。




-ノルン視点・了-



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