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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第六章 天上界編

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714.蓮華side72

「行くぞ白騎士っ!」

「遊んでやろう……!」


 正面から仮面へと斬りかかる。

 けれど流石はアーネストの体を操ってるだけの事はある。

 余裕で受け止めた。


「その程度か。ならばこちらからも行かせてもらうぞ。『アルティメットストライク』」

「くっ!?」


 アーネストの得意技を、こいつも使えるのか……!

 凄まじい速度の剣閃、以前までの私だと避けきれなかっただろう。


「ふむ……やるようだな」

「アーネスト、いや白騎士。お前の力は、お前のものじゃない。その体は、アーネストが鍛えて、努力して、至った。その想いを、お前なんかが継げると思うなよ……!」

「……」


 少し体を振るわせたように見えた白騎士だったが、その奥から見える瞳からは、何故かアーネストの眼そのままに感じた。


「返してもらうぞ、私の大事な親友を……!」

「フン、不可能だと知れ……!」


 私と白騎士が戦いを続けている中、四聖天アクエリアスとの戦いも見えていた。


「ククッ……どうした、四人合わせてその程度か?」

「やっぱりこいつ反則じみた強さしてるデスよ……!」

「銃も当たりませんか、厄介ですわね……!」

「これが『ゲート』を扱える者と、そうでない者との差、という事ですか……!」

「です、が、引け、ません……!」


 魔神将の二人は『ゲート』を扱えているけれど、力量がアクエリアスの方が上。

 カレンにアニスは力量だけならばアクエリアスに遜色ないけれど、『ゲート』を扱えない為ダメージを与えられない。

 あのままだと次第に押されて負けてしまうだろう。

 私が早く白騎士の仮面を壊さなければ……!


「はぁぁぁぁっ!!」

「フ……どうした。何を焦っている? それでは俺を倒す事などできはしない」

「くっ……」


 アーネストの体を気遣いつつだと、これは無理だな。

 ごめんアーネスト、でもお前が悪いんだからな。


「!!」


 私は力を解放する。

 その仮面、粉々にしてやる……!


「ふむ……潮時だな。我が盟友アクエリアスよ、ここは退くぞ」

「良いだろう。お前を得られたのならば、『ヴィシュヌ』様も満足していただけるだろう」

「!! 待て……!」

「また会おう」

「!!」


 そう言ってアクエリアスとアーネストの姿が消える。

 魔力探知にも引っかからない、完全に別の世界へと移動したようだ。


「アーネスト……!」


 また私は、アーネストを助けられなかった……!

 いつもそうだ、アーネストはいつも私を助けてくれるのに、私は……!


「……。蓮華、そう思い詰めるものではありません。確かに私も不覚を取りましたが、何もしていないというわけではありませんよ」

「え?」

「『ヴィシュヌ』の場所を知るチャンスでもありましたからね、あえて泳がせたのです」

「!!」

「まずは、この『ワイドランド』を消滅させましょう蓮華。ブリランテ、いけますね?」

「はい、お任せくださいロキ様」


 先程まで傷だらけで戦えそうになかったブリランテさんが、今は傷一つない。

 凄い再生能力だ。


「……(さて、後は上手くやるのですよアーネスト。こちらは私がフォローしておきましょう)」

「兄さん?」

「おっと、なんでもありませんよ蓮華。コアのおおよその位置ならばすでに把握できていますから、行きましょう」

「うん、分かったよ兄さん」


 アーネスト、待っていてくれ。必ず、助ける。


「「蓮華お姉様」」

「うん? どうしたの二人とも」

「私達は、強くなった気でおりました」

「はい」

「うん、普通に強いと思うよ? 普通にってなんだっていうのは置いといて」


 あのアクエリアス相手にだって、『ゲート』が使えたなら決して劣っていたとは思わない。


「ありがとうございます。ですが、私達はあの騎士相手に手も足も出せませんでした……」

「はい……」

「それは仕方ないんだ。2次元の者が3次元の者を視覚出来ないように、高次元の存在に……」

「どうしたら、私達もあの力に対抗できますか!?」

「……」

「やっと、蓮華お姉様の、力になれると、思いました。なのに、最初から、これでは……悔しい、です……」

「カレン、アニス……」


 さてどうしたものか。『ゲート』について、私は教えられる事がない。

 息を吸うのと同じで、出来てしまうから。

 息を吸うのに、やり方を考えたりしないのと同じだ。

 アーネストなら、もしかしたら教えられるかもしれないけれど……。


「あら、貴方達『ゲート』を扱えなかったのですか。それなら、お教え致しますわよ?」

「「「!?」」」

「宜しいのですか!?」

「ええ、勿論ですわ。戦力は多い方が良いですもの。この『ワイドランド』の制圧が終わりましたら、サイサリスと共に教えますわ」

「ウチも勝手に入れられてる!?」

「一人一人教えた方が良いでしょうサイサリス」

「うー。まぁ、この二人なら良いデスけど……」

「「ありがとうございます!」」


 うん、周りが優秀だとこういう場合本当に助かるね。


「それじゃ、コアに行こうか」

「絶対にこの『ワイドランド』を消滅させる……!」


 何故かやたらと張り切っているブリランテさんが印象に残った。

 でも、もう名前も思い出せない友達の仇なんだもんね。





「ふぅ、なんとかなったか?」

「ああ。違和感は無かったぞ」

「それはそれでなんか複雑だな。とりあえず白騎士としては、あの性格で通すぜ」

「普段もそうしていても私は構わないぞ?」

「勘弁してくれ。キャラのなりきりとでも思わねぇとやってられるか」

「はは」

「とりあえず、これでメシアには会えそうか?」

「ああ、大丈夫だ。案内しよう」

「頼む。……すまねぇな蓮華。少しの間、敵対するぜ」




 こうしてアーネストはアクエリアスと共に、ヴィシュヌの居る『ワイドランド』へと向かうのだった。

お読み頂きありがとうございます。

大体月一更新になってしまっていますが、書くのは止めませんので、良ければお付き合いくださいー。

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