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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第三章 学園編

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68.授業初日・午前

 寮での部屋はアリス姉さんと一緒だった。

 多分母さんの要望だったんだろうけど、今はそれが助かる。

 助かる、んだけど……よく考えたら、女性と一緒の部屋で良いのか。

 いや、見た目的に問題ないのは分かってるんだけど。

 心がね、良心が問いかけるわけですよ……これだけは何度自問自答しても終わらない問題だ。


「蓮華さん、先にお風呂入っちゃって良いよー。あ、それとも一緒に入る?」


 こう、完全に女の子扱いして言ってくるアリス姉さんの対処に本当に困る。

 えーと、と苦笑していると、何を勘違いしたのかな。


「あ!備え付けのお風呂じゃなくて、1階に皆で入れる大きなお風呂があるから、そっちの事だよ蓮華さん!」


 なんて慌てた感じで言ってくるんだけど……。

 うん、私はアリス姉さんと一緒に二人で入る事を懸念したわけじゃなくてですね。

 いやもちろんそれもあるんだけど、それも含めて悪化してるんですが。


「あれぇ?蓮華さんの表情が晴れない……何か間違ったかなぁ?」


 なんてブツブツ言ってるアリス姉さん。

 私の中身を思い出して!


「あ、そっか!」


 ようやく気付いてくれたか、と安堵していたら。


「先にご飯だよね!」


 素敵な可愛い笑顔でそう言ってくれるアリス姉さんに私が言えた事はというと。


「……そうだね」


 笑って良いよ、うん。

 夕食の後、備え付けのお風呂に入ったよ。

 もちろん一人でね。

 夕食と言えば、5階が皆で食べれる場所になっていた。

 だけど、連絡すれば持ってきてくれると聞いていたので、私達が行ったら騒ぎになる予感がしたので(昼の経験から)持ってきてもらう事にした。

 そうそう、ノルンについて知ってる事をアリス姉さんに聞いたんだけど、私の体と同じ時に創られた存在で、そちらは創られたその時から意識があったらしい。

 その話も母さんから聞いただけで、直接知ったわけじゃないらしい。

 ただ、私とそっくりの見た目で、すぐ分かったのだとか。

 そりゃそうだよね、少し前まで、母さんの中で眠っていたのだから。

 だから、詳しい事は分からずじまい。

 何故ノルンが私を邪魔だと思うのか。

 そして、私が本能的に……いや、私というより、この体が、だろうか。

 彼女を、拒んでいた。

 感覚的な物なので、私自身戸惑っている。

 トラウマを自覚なしに負った感じだろうか。

 これについては、考えても答えは出そうにない。

 母さんや兄さんなら、詳しい事を知っているだろうけど……私もオーブの事が終わった時に、心に決めたんだ。

 だから、なんでも頼るのは止めよう。

 私は私で、彼女の事を調べてみようと思った。

 記憶にあるノルンという名称。

 ノルン、私の元の世界の知識では、運命の三女神の総称だったはず。

 ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドが、世界樹ユグドラシルの根元にある泉、ウルザルブルンの近くに住んで、世界樹の手入れをしていると書物で読んだ。

 その話の通りなら、ノルンが世界樹の化身である事とは違ってしまうんだけど。

 だめだ、元の世界の知識で考えても仕方ないな。

 でも彼女は、姿を変えていた。

 何か、変えなければならない事情があったという事だろうか。


「蓮華さん、眠れないの?」


 色々考えていたら、アリス姉さんに話しかけられた。


「うん、ちょっとノルンの事を考えていて」


「そっか。でも現状、情報はさっぱりなんだから、考えても仕方ないと思うよ?大丈夫、私が色々と調べておくから、蓮華さんは安心して勉強しててくれたら良いよ」


 そう微笑んでくれる。

 でも、私は頼ってばかりでは嫌なんだ。

 私だって、アーネストやアリス姉さんの力になりたい。

 まぁ、なんにもなれてないんだけど……。


「ふふ、蓮華さんの考えている事、分かっちゃうけど、今は言わないであげる。蓮華さん、おやすみなさい」


「うん、おやすみアリス姉さん」


 心配もかけないようにしないとな。

 まだまだ至らない自分だけど、少しでも……守ってあげたい存在ではなく、頼られる存在になれるように……頑張ろう、そう思って眠りについた。


 翌朝。


「アリス姉さん、準備は出来た?」


「うん、最初の週は受ける授業決まってるんだったよね。次からは時間を自由に選べるみたいだし、最初だけ窮屈そうだよね」


 そうなのかな、私としては授業が決まってる方が楽なんだけど……。

 どうしても、選べるとなると、偏ってしまいそうだなぁ、私の場合。

 そうして、二人で寮の外に出ると、なんかヤバい事になってた。


「よぅ蓮華!おはよ!」


 なんて微笑んでくる生徒会長こと、アーネストが立っていて。

 その後ろに、またアリシアさんが居て、凄い頭を抱えてるのが見える。

 周りには、新入生だけじゃなくて、先輩であろう方々もたくさん居る。

 そんな方々も、アーネストとアリシアさんからは少し距離を空け、集まって見ているのだ。

 思わずすみませんとアリシアさんに声を掛けたくなるのをグッと我慢して、問いかける。


「何してんの、アーネスト」


「え?もちろんお前達を待ってたんだよ。一緒に行こうぜ!」


 なんて笑いかけてくるアーネストに、どう伝えるべきか悩んでいると。


「アーくん、これはないわー」


 なんて、アリス姉さんに言われてて笑ってしまった。


「いやだってさ!昨日あんな事があったばかりじゃん!?心配だろ!?」


 なんて言ってるけど、お前は兄さんより過保護になるつもりかと言いたい。


「ならせめて、他の人の迷惑にならないように、一人で来るとか配慮しろよ……」


 と零す私に、アーネストが心外だと言わんばかりに言ってくる。


「蓮華、俺は基本的に俺だけでお前の元に行こうとしてるんだぞ!でもなんでか、皆ついてくるんだよ!」


 そりゃ生徒会長だからじゃないのか、と言いそうになったのを我慢した自分を褒めたい。


「お前、仕事は……?」


「そんなもん、全部片づけてるに決まってるだろ」


 そう言うアーネストを無視して、アリシアさんの方を向く。

 すると、彼女は苦痛の表情で言った。


「そうなんです……この人、やるべき事はやってるんです。だから、こちらも強く言えなくて……申し訳ありません、まだ入学したばかりの方にご迷惑をおかけしてしまって」


 と、こちらが申し訳なく思うようなくらい、低姿勢で言ってくれた。

 だけど、この人はアーネストやアリス姉さんが言うに、悪魔なんだ。

 もしかしたら、ノルンの仲間かもしれないし、注意しておいた方が良いのかもしれない。

 もちろん、そんな事はおくびも出さずに対応しないとね。


「ああいえ、アーネストの事は慣れてるので……それより、こいつが迷惑を掛けてたらと思うと、こちらこそすみません……」


 頭を下げて謝っておいた。

 すると、フッと笑みを零す。


「会長の妹さんだと言うから、どんな破天荒な方が来られるのかと警戒していたのですが、昨日と今日で確信しました。貴女は真面目な方ですね、良かった」


 もしかして、私は気付かなかったけど、見られてたのって、そういう……。


「あの、もしこいつが何か悪さするようだったら言ってください。力になりますから」


 その言葉がよほど嬉しかったのか、両手を掴んできて言った。


「ありがとうございます!本当に助かります!」


 どれだけ苦労してきたんだこの人。


「アーネスト?」


 ジトーとした目で見る。


「ピュー♪」


 と口笛を吹きながら明後日の方向を見ているアーネスト。

 お前、私が居ない間になにやらかしてるんだ。


「ねぇアーくん、蓮華さん。ここで話してたら、遅れない?」


「「「あ」」」


 周りの人達もそれに気付いたようだ。

 一気に騒がしくなる。


「おし、とりあえず行くか。今日は座学ばっかだから、蓮華やアリスには退屈だろうけどなー」


 なんて言ってくるアーネスト。

 ま、一度は学校生活は経験してる。

 またそれを味わえるんだから、今度は授業中に寝るとかあまりしないようにしないとね。


 とか受ける前は考えていたんだけど、これは無理だ。

 このレベルの内容が続くなら絶対寝る。

 だって、内容が知ってる事ばかりだったんだよ。

 それも、母さんや兄さんから習った、最初の方の事だ。

 これ、もしかしなくても、卒業するレベルの内容、すでに覚えてしまってる気がする……。

 あ、これか、アーネストが言ってた事は。

 授業の終わりのベルが鳴り、教師が部屋から出て行く。

 途端に騒がしくなる教室。

 人数が多すぎて、次の授業も同じ教室みたいだけど、これは五月蠅いな……。

 幸い席は指定されてはいなかったので、私は窓の傍に座れた。

 アリス姉さんはもちろん私の横だ。

 一応、ノートは魔法で複写したけど、見直す必要も無い内容だ。

 魔法、魔術の授業は、これからも取る必要はなさそうだな。

 各属性の基礎なんかに、1時間も掛けて長々と説明する意味ってなんだろう。

 母さんなら1分もしないうちに次へいくよ。


「ねぇアリス姉さん……」


 言おうとしたんだけど。


「これが普通なんだよ、蓮華さん」


 と笑顔で言われてしまっては、それ以上は言えなかった。

 時間が来て、次の授業が始まったのだが。

 授業中も他の生徒達がチラチラとこちらを伺ってるのが丸わかりで、なんとも言えない気持ちのまま黒板を見ていた。

 次は商業の話だったけれど、ほとんど計算の話だった。

 利益はどれくらいになるかとかの話で、こちらは多少面白かった。

 けど、元の世界とあんまり変わりなかったので、結局は知ってる事なんだよね。

 初日でこれじゃ、すぐに寝る毎日に変わりそうだぞ、ヤバイ……。

 ふと視線に気が付いて、横を見るとアリス姉さんが私を見て笑っていた。


「どうしたの、アリス姉さん?」


 授業中なので、小声で聞く。


「蓮華さん、退屈でしょ?むしろ蓮華さんが講師やるのも面白いと思うなぁ」


 なんてニコニコしながら言ってくる。

 いやいや、私が何しに来たと思ってるの。


「ふふ、多分、蓮華さんが授業を受けられる期間、そんなに長くないと思うなぁ」


 え、私が何かやらかすとか、そんな意味だろうか。

 その言葉に戦慄していると。


「あははっ……蓮華さん、絶対勘違いしてる。もぅ、可愛いなぁ」


 なんて可愛らしい笑顔をしたアリス姉さんに言われても……。

 苦笑して返すしかなかったのだけど、そんな私達を見る目が増えたのはなんでだ。

 そんなこんなで、なんか学生時代とそう変わらない午前中の授業が終わるベルが鳴った。

 確か今日の授業は午前で終わりで、午後は先輩方がしてる活動とかの見学だったっけ。

 どうしようかな、と考えていると、声を掛けられた。


「あ、あの!すみません、蓮華様。少し、宜しいでしょうか……?」


「うん?良いけど、様はつけなくていいよ?同じクラスメイトっていうのかな?まぁ、そういうのなんだし」


 なんか適当な言い方になってしまった。

 だって、クラスメイトと言って良いのか分からない授業スタイルなんだもの。


「あ、ありがとうございます蓮華さん!そ、その、もし宜しければ、私達とお昼を一緒にどうでしょうか!?」


 ああ、お昼を誘ってくれたのか。

 でも、多分アーネストも来るだろうしなぁ……それにアリス姉さんも居るんだし。


「えぇと……ご」


「行ってきなよ、蓮華さん」


「え?」


 断りを言いきる前に、アリス姉さんが言ってきた。


「せっかく誘ってくれてるんだから、クラスメイトと交流を深めてこなくっちゃ!ね?蓮華さん!」


 そう笑ってアリス姉さんが言ってくる。


「ええと、誘いは私だけなのかな?」


「と、とんでもありません!もし宜しければ、貴女様も是非ご一緒して頂けたら……!」


 と言ってくる。

 なんというか、見た目的にどこかのご令嬢っぽいんだけどなぁ。


「そう?なら、私もご一緒させてもらおうかな!行こうよ蓮華さん!」


「ん、了解。よろしくね、えっと……」


「あ!私はミア、ミア=ウォルゲイナーと申します」


「えっと、私はイシス=ロックバインです、よろしくお願い致します」


「俺はユリィ。ユリィ=ジークヴァルト。渦中の人と話せて嬉しいよ」


 なんてそれぞれ挨拶してくれる。

 なんていうか、家名が凄い濃いとか考えた私はアレだろうか。


「私は蓮華。レンゲ=フォン=ユグドラシルだよ。様とかいらないから、普通に接してくれると嬉しいな」


 と笑って言う。


「私はアリスティア=フォン=ユグドラシル。私も様とかいらないけど、こう見えて蓮華さんの姉だからね?」


 その言葉に三人が驚く。

 まぁ、気持ちは分かるけどね。

 どう見ても、私より小さいから妹に見える。


「それじゃ、ここじゃなんだし、レストランに行こっか」


 私の言葉を皮切りに、私達が移動すると、教室内に残っていた生徒達も移動を始めた。

 なんで、私達の後ろをついてくるのかな?


「あぅー、蓮華さんって、こういう感じを味わってたんだね、変なとこでも尊敬しちゃった……」


 とミアさんが言ってくる。

 分かってくれる?


「俺、優越感感じるんだろうなって遠目で見てた時は思ってたんだけど。これは違うわ、怖いわ。蓮華さんマジ凄いわ」


 ユリィ君、君に対する好感度が爆上げだよ。

 レストランでなんか奢るよ、無料だけど。


「そうね、これは一種の試練ですね」


 イシスさん、悟りを開くつもりですか。


「これを感じてくれる仲間が増えて嬉しいよ」


 と笑顔で言ったら、三人共乾いた笑いをしていた。


「ふふ、でも蓮華さんと話せて嬉しいくせにー」


 とアリス姉さんが言ったら、三人共赤くなっていた。

 そんな態度見たらこっちまで恥ずかしくなるからやめて欲しいんですけど。

 まぁ、アリス姉さんのは確信犯だから、もう何も言うまい。

 そしてレストランに着いた。

 今日は昨日とは違うレストランだ。

 何にしようかなーと、食券機の前に行く私だった。



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