683.アーネストside60
エクストラバトルは他に何も言う事は無く、上位二名は俺とリオになった。
ほとんどの奴らがリオに負け、そのリオが俺には勝てないと言ったのが決め手となったのか、全員俺に来なくなったのだ。
これで俺とリオも全島大会の出場者に決まった。
エクストラバトルの終わったその日から全島大会の会場へと移動するようで、俺達は飛行機に乗ってキリングフィールドの東京に向かう。
各島の重鎮達が集まり、世界サミットが行われる場所で、各島のランキング戦トップの人達が争う全島大会が行われるからだ。
すでに彩香ちゃんや麗華達は向かっていると連絡が入った。
俺とリオも少し遅れて東京へと着いた。
「アーネスト君!」
飛行機から降りてすぐの所で、声を掛けてくる人が居た。
「!? おお、竹内さんじゃねぇか!」
「久しぶりだね。エクストラバトルは見ていたよ。流石だね」
「はは。……竹内さん、重要な話がある。今晩良いか?」
「!! 分かった。予定を空けておくよ」
サザンアイランドの統治者、総司令官でもある竹内さんに話を最初にできるのは大きいな。
「そちらのお嬢さんもテレビで見ていたよ。初めまして、サザンアイランドの一応総司令官の立場にある、竹内 博光だよ」
「そ、総司令官って、一番上の立場の方でござるか!?」
「はは、そう畏まらないで欲しい。今の俺があるのはひとえに、アーネスト君達が手を貸してくれたからだからね。彼らには返しきれない恩がある。そのアーネスト君の仲間なら、俺にとっても仲良くしたい方なんだ。よろしく頼むよ」
そう言って笑顔で手を差し出し、リオもそれにならった。
「そいや、ここには一人で来たのか竹内さん?」
「勿論サザンアイランドの一位から三位の皆と一緒に来たよ。アーネスト君も良く知る……」
「あー! アーネスト様!!」
「おうアーネスト、久しいな」
「アーネスト、お前もやはり居たか」
雪さんに成瀬川の爺さん、クラウドの三人が荷物を抱えながら、こちらへと来た。
「皆久しぶりだな! この三人が大会の?」
「そうだよ。上位三名さ」
「私は三位でしたけど、成瀬川さんに勝てるわけないじゃないですかー!」
雪さんが涙目で訴えるのを、成瀬川の爺さんは豪快に笑って聞き流していた。
「丁度良い、竹内さんと一緒に今夜時間空けといてくれねぇか?」
「おう、なんぞ大事な事があるんだな? 構わんぞ、聞こう」
「ああ。俺も構わない」
「はい! アーネスト様のお話でしたら喜んで!」
全員承諾してくれたので助かる。
その後四人は受付があるとかで中に入って行った。
「ほへぇ、アーネスト殿は色々な人とえにしを繋いでいるのでござるなぁ」
「ま、偶々だけどな。それより俺達も行……」
「アーネスト! リオさん!」
行こうと声を掛けようとした所で、また声を掛けられた。
「蓮二じゃねぇか! ちゃんと出れたんだな!」
「ああ。ブリランテさんは先に行って手続きをしてくれてるよ。……にしても、また強くなったなアーネスト。それに、何か魔法を使ってるのか?」
おお、蓮二は気付いたか。
今の俺は認識阻害の魔法の応用した術を自身に掛けている。
以前の俺を知っている者は、以前の俺のまま見えるようにだ。
都度説明するのが面倒だし、俺の姿が変わったのは後でまとめて説明するつもりだ。
「流石だな、それも後で説明するぜ。今夜時間空けれるか?」
「当然。お前の言う事なら何よりも優先するよ。大事な事なんだろ?」
「はは、さんきゅ」
「それじゃ、俺は荷物を部屋に置きに行ってくるよ。また後で」
「おう、また後でな!」
蓮二を見送り、俺達も行くかと言う所で……、
「アーネスト!」
またか! と思ったら、それは意外な人物だった。