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657.EXside3-①

お待たせ致しました。

学園物のお話も一旦完結致しましたので、また更新していきます。

今話ちょっと短いです。

 いつもなら静寂な宮殿に、酷く慌てた声が響き渡る。


「た、大変ですゼウス様っ!」

「喚くな騒々しい。天界の外周に集まっている神々の事であれば、すでに気付いている」


 ゼウスの前に(ひざまず)き、その美しい白く輝く翼を消した彼は、天使の兵団を統べる団長の一人。

 そんな彼を一瞥し、ゼウスは立ち上がる。


「ようやく俺の元に来たかユグドラシル。お前の魔力を忘れた事はない。出るぞ我が精鋭達よ、我に続け!」

「「「「「ハッ!」」」」」


 ゼウスの後に続く、ゼウスの真の精鋭部隊であるオリンポス十二神。

 しかし、全員が揃っているわけではなかった。


 まず第一に、ゼウスの娘であるアテナは居ない。

 そしてマーガリンから事前に連絡を受けたヘラもまたこの場には居なかった。




「来たぞ、ユグドラシル。本当に分裂したんだな」

「あらモルガン、お久しぶりですね。分裂ではないのですけれど、似たようなものでしょうか」


 天上界の外周に、名だたる神々が集まっていた。


「ウルズとラケシスには話が通ってるけど、まずはこの天上界の結界を消さないとね~」

「私がぶっ壊して良いかな!?」

「落ち着いてアリス。消すのと壊すのは大分違うからね?」

「ブー」


 頬を膨らませて不満げなアリスティアに、マーガリンは苦笑する。

 そこへ、更に見知った者が加わる。


「遅れたか?」

「いいえ、丁度良いタイミングよリン」

「それなら良かった。しかし、話には聞いていたが……モルガンも参加するとはな」

「少し試したい魔術が増えたので。うちでは使いにくいのですよね」

「「「「「……」」」」」


 唯一魔王であるリンスレットを含め、集まった高名な神々も、その発想には軽く引いていた。


「コホン。それに、天界を……ゼウスを相手にするのであれば、私が居た方が良いでしょう」

「そうね、正直モルガンが居てくれるのは助かるわ。その時点で交渉で済む可能性も出てきたし」


 モルガンが多少顔を赤く染めて言った事に同意を示すマーガリン。

 マーガリン自身、会話で終わる事は無いと思っているのだ。


「どうやら自ら出てきたようですね。後方に陣取らず、前線に出る気質は相変わらずですか」


 ユグドラシルの言葉に、全員が視線を向ける。

 全身を金の鎧で包んだゼウスを中心に、オリンポス十二神が控えている。


「ほう、これは珍しい者達が雁首揃って集まっているな。一体何用だ?」

「私達の要求は一つですよ。地上に住む蓮華=フォン=ユグドラシル並びに、アーネスト=フォン=ユグドラシルに手を出さない事。これが約束されるのであれば、私達はここで退きましょう。けれど、これが飲めないのであれば……私達はこれから、天界を制圧します」

「ククッ……何を言うかと思えば。良いぞ、その要求を呑もう!」

「「「「「!!」」」」」


 素直に要求を呑んだゼウスに驚きを隠せない面々だったが、


「もうユグドラシル本人が居るのだ、紛い物に興味は無い」


 この一言が火種となった。


「皆さん、戦争です」

「「「「「おおっ!!」」」」」


 ゼウスの言葉により、やる気を漲らせるユグドラシル側の神々達。


「な、何!?」

「「「「「……」」」」」


 ゼウスの言葉により、げんなりとした表情を浮かべるオリンポス十二神の態度は対照的だった。



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