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651.アーネストside45

お待たせ致しました。

また更新再開していきますので、お付き合い頂ければ嬉しいです。

『き、決まったぁぁっ! 前回惜しくも優勝者と初戦で当たり、敗退してしまった郷田剛史選手! 今回は見事勝ち抜きましたっ!』

【前回と戦い方が変わってる。それに、あの全身をまとってる光、なんだろ?】

【霧島麗華さんと前回戦った時には、あんな光なかったよな?】

【きゃぁぁぁっ! 流石我が息子っ! カッコイイわよぉっ!】

【お母さん居て草】

【郷田さんまだ高校生だもんな、普通にすげぇよ】

【確かに将来有望よな】

【ありがとう! もっと誉めてくれて良いんですよ!?】

【草】


 順調に初戦が終わっていく中で、剛史に彩香ちゃん、それに清田も勝利していった。

 剛史のお母さんは、本当に剛史の事が大好きだからな。

 俺の居た世界であの憔悴した姿を知っている俺としては、今の姿は自分の事のように嬉しくなる。


【あれ召喚獣、なのか?】

【人型で女の子とか羨ましい】

【ってか強すぎるだろあれ。対戦相手の倉木さんって前回ベストエイトだったろ】

【それが手も足も出せずに負けるとか……】

【前回二位の玉田さんも勝ってたし、この島全体的に強い人に若い子が多くね?】


 コメントを読みながら、確かにと思う。

 剛史も彩香ちゃんも清田もまだ学生だしな。


 初戦が全部終了した事で、三十二名から十六名まで数が減った。

 そして翌日、更に八名まで減る事になる。

 テレビ観戦を終えた俺達は、皆が戻ってくるのを待つ。


 勝ち抜いた選手達は用意されたホテルで宿泊するのだが、あいつらには簡易『ポータル石』を渡してあるので、いつでもこの場所に来る事が出来るのだ。


「よう! 勝ったぜぇっ! 去年の雪辱を晴らせたぁぁぁっ!」

「ははっ。おめでとう剛史」


 嬉しそうに笑いながら、剛史が転移してきた。

 続いて彩香ちゃんに清田もだ。


「でも、ついに仲間内で戦う事になりましたね」

「っ……俺、絶対に勝って、玉田さんに認めてもらいますっ!」


 そう、トーナメントの二回戦で、彩香ちゃんと清田は当たる事になってしまった。

 こればかりは仕方がない事ではある。


「剛史は前回優勝者がついに相手だな。勝算はあるか?」

「……分からねぇ。俺も去年よりは大分強くなった自覚はあるけどよ……あの人は、なんつーか別格に感じててさ。戦った彩香ちゃんなら、分かるんじゃないか?」


 剛史が深刻そうな顔でそう言い、彩香ちゃんの方を見た。

 彩香ちゃんも頷く。


「そうですね。私も負けたのであれですけど、今戦っても……勝てるとは言いきれないです。ただ、アーネストさんと比べるなら、私はアーネストさんが勝つと思いますけど」

「こいつと比べたら大抵の奴に大差がなくなっちまうんだけど彩香ちゃん……」

「あははっ! そうですね!」

「アーネスト先輩はもう別格というか別次元の存在ですしね……」


 ったく、こいつらが人をどういう目で見ているのかよく分かるな。


「そうかそうか。俺に追いつく為にも死ぬほど訓練したいって事だな?」

「「「!?」」」

「ぶはははっ! それはシャレになんねーぞアーネスト!」

「うんうん。お兄ちゃんだって死んじゃうよね」

「アーネスト殿の特訓を受けたら、確かに強くはなれそうでござるが……人間の限界を数回突破しなければならないでござるな」

「無理に決まってるだろ!?」

「ですです! 私達は人間なんですよ!?」


 清田はガクブルと震えているだけだったが、この二人は……。


「よし剛史、彩香ちゃん。勝つ自信がないなら明日まで死ぬ気の特訓をしようか。なーに、人間死ぬ気になれば何でもできるさ」

「出来るわけねぇだろ!?」

「頭が筋肉理論なんですけど!?」


 引きつった表情でそう言う二人の首根っこを掴む。


「「ひぃっ!?」」

「肉体は回復してやるから気にすんな。よーし、行くぞー」

「せ、精神の方はぁ!?」

「JCに人権をアーネストさんっ!」


 ギャーギャーと喚く二人を引きずりながら、いつもの特訓場所へと移動する。

 霧島麗華の戦いは少しだけだが見た。

 蓮華と同じように刀を扱う。

 その腕前はかなりのものだ。

 剣界を会得しているようで、自身の周囲の刀が届く範囲の相手を一瞬で斬っていた。


 あれに対抗する為には、剛史はパワーで押すしかないだろう。

 明日までのわずかな時間で、出来る限りの強化をしておこう。


「さて、始めるぞ。小手先の技術を今教えても仕方ねぇから、実戦訓練だ」

「ふぅ……よしっ! アーネスト相手に戦えば、少なくとも恐れる事はないだろうしな!」

「ですね! 行きますアーネストさんっ!」


 やる気になった二人の相手をしていると、他の皆もお菓子を片手にこちらへと見に来て二人を応援していた。

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