表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/714

61.大精霊達が集う家

「こんな感じで外観は良いですか?蓮華」


 兄さんがにこやかに言ってくれる。

 しかし、想像以上の出来栄えだった。

 私が渡したイメージ図より、5割増しで凄い。

 なんせ、詳しく描けないから、こんな感じで、なんて適当に描いた場所までも、しっかりと作られてあったのだから。

 私が言うのもなんだけど、よくあんな図でこれだけはっきりイメージ作れたなぁと。


「うん!完璧だよ兄さん!後は中だけど、今はただの空間なんだよね?」


「ええ、そうですよ。なので今は、外観だけしか整えていません」


 そう、間取りはノームに考えを任せていたので、まだだ。

 実際に部屋をどうするかを決めるので、今回は私と契約した全大精霊を呼ぶつもりだ。

 中に入ってみる。

 うわぁ、何もないからっていうのもあるけど、凄く広いし、天井が凄く高い。


「凄く広いわねー。レンちゃん、中央に皆が集まれるスペースを作って、各部屋は左右に分かれて配置って感じかしら?」


「どうだろう、ノームにそこら辺は任せちゃったから」


「そうなんだー。でも、これだけ広いなら、2階もゆっくりできるスペースにするのも良さそうだよねー」


 なんて母さんが言ってくるけど、私もそう思う。

 そして、私と契約している大精霊を呼んでいく事にした。

 まずは間取りを教えて貰わないといけないから、ノームを召喚した。


「貴方が蓮華様のお兄さんですかい。とりあえず、この図面を見ていただけやすかね」


「ふむ、成程。正面玄関から少し入った所を大きなホールにして、そこから2階への螺旋階段を取り付け、部屋は1階に左右に均等に、ですね」


 横から覗き見したら、凄い綺麗な間取図でびっくりだよ。


「2階は外が雨な時でも、皆ですごし易いような空間にしてもらったら良いと思ったんでさぁ」


 綺麗に部屋と部屋との間が均一に整えられてる。

 うん、私はこれで良いと思うけど、皆はどう思うかな。


「蓮華様、如何でしょう?」


 いきなりノームに声を掛けられた。

 私は良いと思うけど、実際に住むのは大精霊達だし……。


「私は良いと思うよ。でも、とりあえず皆呼ぶね?」


 言うが早いか、私は皆を召喚する。

 おお、呼んだ私が言うのもなんだけど、これだけ大精霊が集まると壮観だね。


「おお!皆で集まる事が本当にできるとは!わしは嬉しいぞ愛弟子よ!」


「誰が弟子か!」


 急いでつっこむ私。

 イフリートの弟子になんてなった覚えはないからね!


「レン、ありがとう。ようやく、形になったのですね」


 ディーネが礼を言ってくる。

 気付いたら後ろからヴィーが抱きついてきてるし、シルフが周りを飛びまくってくる。


「レンゲー!アリガトー!」


「レンちゃん、ありがとね!ボク、大精霊の皆とこうして集まれたのなんて初めてだから、すっごく嬉しいよ!」


 ヴィーもシルフも、嬉しそうに言ってくれる。


「この時間はわらわだけど、きっとルナマリヤも喜んでるのじゃ蓮華ちゃん」


 アマテラスもそう言って微笑んでくれた。

 私はホント何もしてないから、申し訳ないんだけどね……。

 頑張ってくれたのはノームだし、家を建ててくれたのも、これから部屋を作るのも兄さんだ。

 うわ、私本当に感謝される側じゃないな……そう考えていたら。


「蓮華さん、もしかして自分は何もしてないなって考えてない?」


 アリス姉さんがそう言ってきて、驚いた。


「な、なんで分かるの?」


 と、つい言ってしまった。

 そしたら、皆から一斉に溜息をつかれた。

 な、なんで。


「レンちゃん……」


「蓮華、貴女は……」


 いや、母さんも兄さんも、なんでそんな可哀相な人を見る目で見るのさ!?

 大精霊の皆が、何か言いたそうに顔を見合わせている。

 そんな中で、アリス姉さんが私に抱きついてきた。


「蓮華さん。蓮華さんはきっと、分かってないと思うから言うね。蓮華さんは、皆の架け橋なんだよ」


「かけ、橋?」


「うん。きっとね、蓮華さんが居なければ、大精霊が集まる事は無かった。蓮華さんが居なければ、私はここに居なかった。マーガリンだって、ロキだって……こんな風に笑えなかった」


「アリス姉さん……」


「だからね、あまり自分を卑下しないで?蓮華さんが居たから、私達は今、ここに居るんだよ?」


 皆が、私を見てくる。

 そして、微笑んで、頷いてくれた。

 恥ずかしくて居たたまれなくなった私は、一言だけ、告げる。


「あ、ありがとぅ」


 最後の方はすっごく小さい声になってしまった。


「レンちゃん!もぅ可愛いんだからぁ!」


 言った直後に、それはもう凄い速さで、母さんにアリス姉さん事抱きしめられた。

 そしてその中で、知らない人?を見つけたので、聞いてみる。


「えっと、君は……?」


 その言葉に、えぇっ!?と驚いた表情で言ってくれた。


「サラだよ姉御!!」


「サラマンドラなの!?」


 むしろこっちがビックリなんだけども。

 君、女性だったの!?


「なんか蓮華さんが違う所で驚いてる気がする」


「レンちゃんだからね……」


 約二名五月蠅いです。

 というかいい加減解放してください母さん。

 アリス姉さんも抵抗しないし。


「流石の俺もドラゴンの姿で建物の中には入らないよ姉御ー」


「あ、うん、そうだよね……」


 多分驚いた所を勘違いしてくれたサラに同意しておく事にした。

 一気に召喚したから、気付けなかったんだよね。

 いきなりイフリートが弟子とか言ってくるから。


「それでは蓮華、場所を決めてくださいね」


 気付けば、何もない空間だったのに、部屋がたくさんできていた。

 ホールにはまだ何もないけど、そこから左右に廊下が続いていて、部屋が均等にある。

 廊下には絨毯が敷かれていた。

 流石兄さんにノーム……。


「えっと皆、部屋の外観、こんな感じで良いかな?変えてほしければ、今なら大丈夫だよ」


 そう聞いたけど、皆不満はないようだった。


「それじゃ皆、好きな場所を選んでくれて良いよ。」


 その言葉を聞いてから、返事をして皆好きな場所を選んでいる。

 って言っても、入り口から近いか遠いかの差でしかないけど。

 窓も均等にあるし、差が本当にない。


「さて、それでは一番近い部屋から順番に変えていきますか」


 そう兄さんが言うので、私も一緒に行く事にした。

 入り口に一番近いのはディーネだった。


「また近い場所を選んだねディーネ」


「はい、楽だったので」


 うん、そうだと思ったよ。


「では、扉を開けますよ」


 と言って兄さんが部屋に入る。

 私も続く。

 見事に何もない。

 一応窓もあるけど、それだけだ。


「殺風景ですねレン」


「そりゃ今はね。兄さん、どう変えるの?」


「そうですね……部屋に入る1メートルくらいは床にして、それ以降を円の湖にしましょうか。その湖の深さは、海をイメージで良いですか?」


「そうして貰えると嬉しいですね」


「良いでしょう。円の外側は土にして構いませんよ。そこに木々を植えるなら、ドライアドに頼んでくださいね」


「ありがとう、そうさせて貰いますね」


 トントンと話が進む。

 そして兄さんが魔法を唱えると、一気に変わった。

 す、凄い。

 さっきまでただの何もない殺風景な部屋だったのに、一気に水の流れを感じる部屋になった。


「本当に素晴らしいですね。ありがとうレン、ロキ」


 そうディーネが言う。


「あはは、私は何もしてないけどね。兄さん、ありがとう」


「良いですよ、蓮華の頼みならね。蓮華、貴女は何もしていなくはない。私が力を貸しているのは、蓮華が頼んだからなのですよ?」


 そう兄さんはフォローしてくれる。

 まったく、どこまでも優しい兄さんだから困る。


「ありがとう兄さん。それじゃディーネ、ここがディーネの部屋だからね」


「ええ、ありがとうレン。後は好きに改装させてもらいますね」


 なんて笑顔で言ってくるけど、これ以上何を変えるのか怖くて聞けなかったよ。

 それから、皆の部屋を変えていって、日が暮れた。

 大精霊の皆は、今日からもうそこに居ると言ってくれた。

 やっぱり、世界樹の近くは居心地が良いらしい。

 余談だけど、イフリートの部屋が闘技場みたいになって、サラがすぐ遊びに来て格闘してた。

 兄さんの魔法のお蔭で、揺れないし音も外に響かないらしい。

 うん、もう好きにしたら良いんじゃないかな……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ