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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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58.大精霊達が集う家の建築計画-中編-

 そして、握手会は終わった。

 アリス姉さんの助けがあったおかげで、大分人数は少なくて済んだみたいだけど……。

 ずっと笑顔を張り付けての握手をし続けるのが、こんなに大変だとは。

 俺、ファンになります!とか、私、感激です!とか言われて、どうしろと言うんだ。

 アイドルの人達がこういう事をしてるのを聞いた事があったが、凄かったんだな……なんて事を考えている私だった。


「だ、大丈夫?蓮華さん。少し休んでから、行く?」


 アリス姉さんが気遣ってくれる。

 だけど、私は一刻も早くこの場から離れたかったのだ。


「ううん、行こう。このメモによると、街から大分離れてるみたいだからね」


「そっか、蓮華さんがそれで良いなら、私も良いよ」


 なんて笑顔で言ってくれるアリス姉さん。

 うぅ、可愛い。

 私なんかより、よっぽどアリス姉さんの方が可愛いのに……皆、見る目がないよねホント。

 それから、街の外れまで歩く。

 そこには、ポータル石に似た物が設置してあった。


「お!蓮華様!こっちでさぁ!」


 ノームが手を振っているのが見えたので、そちらへ行く。


「ごめんね、遅くなって。進捗を確認に来たんだ。どうかな、準備できそう?」


 と尋ねたら、すっごく良い笑顔で答えてくれた。


「大丈夫でさぁ!この国だけじゃなく、色んな国の伝手にあたりやしてね、十分すぎる量を確保しときました!」


 おお、流石ノーム。

 その人脈をフル活用してくれたんだろうな、頼もしい限りだ。


「ありがとうノーム。」


 そう、心からの礼を伝えた。


「へへ、蓮華様の為、そして他の大精霊達の為、こんな嬉しい事に力を貸せるんだ、こっちが感謝してぇくらいだよ蓮華様!」


 なんて言ってくれる。

 ホント、気さくで良い大精霊だよね。


「それで蓮華様、その子は誰ですかい?見た感じ、人ではないみたいですが」


「私はアリスティア。アリスティア=フォン=ユグドラシル。後半は後からついた名だけどね。蓮華さんのお姉さんだよ!」


 なんて言うアリス姉さんに苦笑する。

 ノームが本当に?っていう視線を向けてくるので、頷いておく。


「そ、それは失礼しました。蓮華様の姉上様でしたか、道理で綺麗な方だと思いましたよ」


「それでノーム、どうしてこんな場所へ?」


 そう、話だけなら別にノームの家で良かったはずだし。


「それはですね、いくらかはすでにある場所にまとめて集めておきましたので、蓮華様に先にお渡ししておこうと思ったんですよ」


「ああ、凄い場所取るもんね……ごめんね、考えがそこまで至ってなかったよ」


 そりゃ、あのユグドラシル領に大きな家を建てるってなったら、見積もるだけでも相当な量になるはずだ。


「い、いや、蓮華様が謝るような事じゃないですよ!ただ、置き場が足りないのも事実でして、今ある量を一旦ユグドラシル領へ蓮華様に運んで頂いてから、またこの場所に集めようと思ってますんで」


「そっか、了解だよ。このポータル石の先に集めてるって事かな?」


「そうです。蓮華様のアイテムポーチは、どれくれいの容量が入るんです?」


「えっと確か……124,000,000立法メートルって母さんが言ってたような」


「め、滅茶苦茶な容量のアイテムポーチですね。それなら、余裕で入りきりますね」


そりゃ驚くよね、東京ドーム約100個に相当すると言えば、かなりの容積だと日本人なら分かってくれるはず。


「蓮華さん、それマーガリンの手作りだよね。そんなの市販されてないからね?」


 そうなんだ。

 母さん、普通にこれあげるねレンちゃん!って適当にいつもくれるから、感覚が麻痺しちゃってるよ……。

 確か同じのアーネストも持ってるはずだけど、知ってるのかな。


「ははは!全く、蓮華さんの周りは凄い方ばっかり集まってますよね」


 うん、忘れがちだけど、君も大精霊っていう、伝説の存在だよね?

 なんで市民に普通に溶け込んでるのさ。


「ああ蓮華様、俺はノームって名前は知られてますけど、大精霊とは知られてませんよ。同じ名前ってだけとしか思われてませんよ」


 そうか、成程。

 でもね、君までそうするとは思わなかったけど、心読んでるなら分かるね?

 プライバシーの侵害だから、次したら怒るよ?


「は、はい!すみませんでした蓮華様!!」


 良い返事と謝罪だった。

 アリス姉さんが、突然のノームの返事に驚いている。

 まぁ、そりゃそうだろう。


「それじゃ、ポータル使って貰って良い?」


「了解です蓮華様。アリスティア様はどうされますか?」


「んー、一応行くよ。ここで待っててもなんだし」


 との事で、三人一緒に転移した。

 その先には、凄まじい量の材料があってビックリした。

 よくぞここまで……と感嘆してしまったよ。

 そして大事な事を思い出した。


「あ……!お金!私お金渡してなかったよ!!」


「れ、蓮華さん……」


 アリス姉さんに呆れられる。

 いや、こればっかりは私が悪い。


「ご、ごめん!母さんからこれ預かってるんだけど、これで払えるかな!?」


 早速大金使う事になっちゃってごめんよ母さん!

 なんて思っていたんだけど。


「蓮華様、それは受け取れませんよ。これを集めたのは、俺の意思です。俺が集めたくて、集めたんです。蓮華様や、他の大精霊達の為に」


 そう、真剣な表情で言われた。


「俺は、蓮華様の考えに感動したんです。散り散りになっている俺達は、中々会う事はできません。でも、同じ家に住めるのなら……すぐに会える、話せる。こんな嬉しい事はありませんよ蓮華様。だからお願いします、俺に協力させてください蓮華様!」


 もう、私には拒否する言葉が浮かばなかった。


 ノームの熱い心に、完全敗北だ。


「ありがとう、ノーム。なら、言わせてもらうよ。これからも、私に協力してほしい」


 そう、心から言えた気がする。

 ノームは笑って言ってくれる。


「喜んで、蓮華様!」


 うん、私はノームの事も好きになった。

 頼りにさせてもらうね。


「それじゃ蓮華さん、アイテムポーチに入れてから、ミレニアの所に一緒に行って貰っても良い?」


 なんてアリス姉さんが聞いてくるので、OKした。

 アイテムポーチは重いって言わないし、まだまだ容量に空きはあるしね。

 ってそうだ。


「ノーム、このアイテムポーチ渡しておこうか?」


 その方が楽だよね?

 と思ったので言ったのだが。


「い、いやいや、蓮華様の大事な物を受け取れないですって!」


 と拒否されてしまった。

 そこまで気にしなくて良いのになぁ。

 色々と手間も省けるのに。


「蓮華さん、その方が楽なのにとか考えてるでしょ」


 アリス姉さんには、ばれていた。


「ふふ、蓮華さんは分かりやすいんだから。でも、蓮華さんの持ち物を預かるのって、蓮華さんが考えてる以上に重要な事に相手は思う事、理解してあげてね」


 そうアリス姉さんは苦笑して言う。

 そういうものなんだろうか、私にはよく分からなかった。


「そうだノーム、大精霊達や私の家の他に、レジャー施設というか、遊べる場所も作る予定なんだ。だから、そっちの資材も集めて貰っても良いかな?鉄とかたくさん要ると思うし、流石にこっちはお金だすからね」


 と言ったのだけど。


「分かりました。けれど、そっちもお金は要りませんよ蓮華様。俺は蓮華様に協力したいんでさ。俺はこれまでずっと好きで仕事をしてきました。お金は大精霊である俺には不要なもんなんですよ。だから、蓮華様の役に立てるのなら、遠慮なく使わせてくださいよ」


 なんて言われては、否とは言えなかった。

 まったく、どこまでお人よしなんだかね。

 それからノームにお礼と別れを告げて、ミレニアの家へ向かった。

 今度はちゃんと認識阻害の魔法を掛けていったので、誰にも気付かれなかった。

 なんだかんだで時間が経っていて、日がもう少しで暮れそうな時間だが、ミレニアの家の前に着いた。



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