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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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57.大精霊達が集う家の建築計画-前編-

 それから、場所や配置を考える私達。

 間取りはノームに任せるのだけど、外観はこちらの仕事だ。


「ここら辺一体全部家にしちゃったら良いんじゃない?」


「私としては、蓮華の案の、上に高く連なる家も捨てがたいですね」


「えー、蓮華さんの案も確かに魅力的だけど、せっかく横に広く建てられるのに、上に建てる意味あるのー?」


 なんて、活発に意見交換している。

 アマテラスが気がついたら居なかった。

 多分、自分の祠に帰ったんだろう。

 マイペースな大精霊だと思う。

 ちなみに私の案はマンションみたいな案なんだけど、確かに横に広く使える土地があるのに、縦に長くする必要はない気もする。

 ただ、エレベーターとか設置すれば、横に長いより便利だと思うんだよね。

 我が家は一戸建てだったので、家を出た兄がマンション暮らしだったのを羨ましく思ったりもしたものだ。


「兄さん、部屋の中の空間は、実際に目に見えてる空間より広くするんだよね?」


「ええ、そうですね。なので、実際は小さい家でも、同じような部屋にできますよ」


 兄さんが現代社会で存在してたら、凄い土地が余ってただろうな。


「うーん、すっごい広い土地があるのに、そんなに使う余地がないのもアレだなぁ……それなら、遊園地とか遊べる場所作った方が良いかなぁ」


 なんて私の独り言に。


「「「遊園地?」」」


 と三人が聞いてきたので、元の世界でのレジャー施設、遊園地やプールとか色々と説明した。

 アリス姉さんがキラキラした目で言う。


「何それ蓮華さん、すっごい楽しそう!作ろうよそれ!」


「どうせ土地は余ってるんだし、大精霊達やレンちゃん、アーちゃんの友達と一緒に遊べる場所を作るのも、良いかもしれないわね。今までは私とロキだけだったから、そんな発想出なかったもの」


 母さんのその言葉に、兄さんは苦笑して言った。


「そうですね、私は基本そういった事には興味がありませんので。ですが、蓮華やアーネストが楽しいと思えるなら、協力しますよ。二人の喜ぶ顔は見たいですからね」


 なんて微笑んで言ってくれる兄さんは、今日も優しかった。

 アリス姉さんもようやく見慣れてきたのか、言う。


「ホント、ロキって蓮華さんにだけは甘いよね。アーネストさんにも早く会いたいなぁ」


 アーネストはすでに学園だもんなぁ。

 寮生活らしく、中々帰ってこれないみたいだし。

 来年からは、私もそうだけど。

 私が言うのもなんだけど、母さんと兄さんは私とアーネスト、それにアリス姉さんも居なくて、耐えられるんだろうか?

 失礼だとは思うんだけど、二人の私達への溺愛ぶりを見たら、そう思っても仕方ないよね。


「アーネストかぁ……。ねぇ母さん、兄さん。私とアーネスト、それにアリス姉さんもしばらく居なくなっちゃうけど、大丈夫?」


「またまた蓮華さん、そんなくらいで……」


 アリス姉さんが言い終わる前に、母さんが言う。


「そーなのよぅ!私が言い出した事とはいえ、3年もわずかな時間しか会えないなんて、耐えられる気がしないよぅ!!」


 なんて涙目で言ってくる。

 え、えぇぇ……。


「ふ、ふふ、私は自身に凍れる時の秘法を掛け、目が覚めた時には二人が帰ってきているようにしますとも」


 なんか兄さんが阿呆な事を言っている。

 あと、さりげにアリス姉さんを含めていない気がする。


「ねぇ蓮華さん。私の知る二人と、今の二人のギャップが凄すぎて……話は聞いていたけど、脳が理解するのを拒否するよ」


 なんて言ってくるアリス姉さん。

 本当にねぇ、どうしてこうなったのか。

 二人とも良い人すぎるからなぁ。

 私としては、この二人が悪い人に騙されたりしないか凄く心配だ。

 私がしっかり二人を守ってあげなければ。


「その、多分学校だから、長期休暇とかあるよね?その時に私は帰れるように申請するつもりだから。アーネストは分かんないけど……」


 と慰めになるか分からないけど、言っておいた。

 それから、私はノームの所に素材がどうなっているか聞きに行くと、家を出た。

 その際に、母さんから渡されたのが、ゴールドカードならぬブラックカードだった。

 なんでも、私しか使用できないようにされたカードで、これを出せばどの国でも買い物ができるらしい。

 どれくらい使えるの?って聞いたんだけど。


「そんな事レンちゃんは気にしなくて良いんだよー」


 と言われてしまって、聞けなかった。

 ま、まぁそんな大きな買い物はしないよ、多分。

 買い食いくらいだよね。

 ポータル石がある泉の前に着いたら、声が聞こえた。


「蓮華さーん!私も行くよー!」


 と走ってアリス姉さんがきた。


「今日は資材がどんな状況か聞きに行くだけだよ?」


「うん、分かってる。だけど、王都・フォースに行くんでしょ?ミレニアもそこに居るって聞いたから、会えないかと思って」


 成程、そういえばまだミレニアと会っていなかった。

 そういう事ならと、一緒に行く事にした。

 王都・フォースに着いた私達は、まず人の多さに驚いた。


「何これ、祭りでもあるのかな?」


「どうだろうね。私も今の時代の事は、蓮華さんより知らないから……」


 と、二人して眺めていたら、周りの人達がざわめき始めた。


「な、なぁ、あの方、レンゲ様じゃないか?」


「え、ええ、間違いないと思う。本当にお綺麗な方……一緒に居る方は妹様かしら、可愛らしいわ」


 なんて声が所々から聞こえる。

 また、やっちまったい!認識阻害の魔法を掛けるのを忘れていた……。


「むぅ、私蓮華さんのお姉さんなのにぃ」


 なんてプンスカしてるアリス姉さんは置いておくとして、今認識阻害の魔法を掛けるのは不自然だ。

 どうしようか悩んでいると、声を掛けられた。


「あ、あの!す、すみません。レンゲ様で合っていますか?」


「えっと……はい、合っていますが、貴方は?」


 私の返事にほっとしたように見えるその人は、白いYシャツ一枚に、頭にねじり鉢巻きを巻いてる、なんかいかにも職人!って感じの風貌だ。


「よ、良かった。えっと、あの、ノームの旦那が、レンゲ様を見かけたら、このメモにある場所で待ってると伝えるようにと言われてやして」


 ああ、成程。

 いつ私が来るかわからないから、ポータルを確認する役割の人を用意してくれたのかもしれない。

 というか、それなら認識阻害の魔法を掛けて来ていたら、ノームの家に行ってたからまた会えないところだったな。

 結果的に、良かったのかもしれない。


「そっか、ありがとう。私がいつ来るか分からなかっただろうに、大変だったよね。ごめんね」


 だから、お礼と謝罪をしておく事にした。


「と、とんでもありませんよ!むしろこの役目は俺らの間で取り合いだったんですから!」


 いつ来るかも分からない人を、ただポータル石の近くでじっと見てるって、わりと拷問じゃなかろうか。

 きっと気を使わせちゃったんだな、優しい人だ。


「あはは、ありがとう。それじゃ、ノームの所に行くよ」


 お礼を言って別れようとしたんだけど。


「あ、あの!も、もし良ければ、握手して頂けませんか!」


 はい?目が点になった気がする。

 私みたいなおっさんと握手して何が嬉しいんだこの人。

 って、今は違ったか。

 うん、男はどの世界でも変わらないのかもしれないな。

 笑って手を出す。


「あ、ありがとうございます!!」


 そう言ってすぐ握り返してくる。

 おぉぅ、硬い。

 やっぱり、職人さんの手は硬いな、ゴツゴツしてる。

 私も刀の修練をしていた時、手のマメが潰れて、硬くなったっけなぁ。


「お、俺、この手をしばらく洗いません!」


 いや、洗えよ。

 ばい菌口にしたらどうするんだ。

 若干引いていると、走ってどこかへ行ってしまった。


「さて、それじゃ行こっかアリス姉さん」


「あ、はは……それはちょっと無理かも……蓮華さん……」


 え、なんで?と思っていたら、長蛇の列が出来ていた。

 な、なんじゃこりゃぁ!?


「なんか、さっきの人を見て、蓮華さんと握手できるって思ったみたいだよ……蓮華さんが綺麗なのは知ってるけど、この人気はそれだけじゃないよね……」


 なんてアリス姉さんが言ってくるけど、覚えが……王覧試合か!!


「カレン様にアニス様がお二人とも絶賛するレンゲ様、実物を見ると、本当に美しいわ……」


「ああ、あのお二方があそこまで褒めちぎる方だから、実際はどうなんだろうと思ってたけど……想像以上だよ……俺、ファンになろうかな」


 なんて声が所々から聞こえてくる。

 カレン!アニス!騎士団だけじゃなくて、どこまで言ってるんだぁっ!!

 心の中で頭を抱える私。


「これ、逃げちゃダメ?アリス姉さん」


「暴動が起きるかもしれないから、お勧めしない、かな。私が列を整理して、ここまでって知らせる事にするよ。だから、頑張って……」


 その言葉に、気が遠くなる私だった……。



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