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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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53.大精霊・ヴィーナス

 もはや、ピクニック気分で祠を進んでいた。

 なんせ、魔物は逃げるし、罠も母さんが全て潰していく。

 ミレニアなんて時々欠伸してるよ。

 しかも見た目は遺跡内みたいなのに、空気が山頂にいるみたいに綺麗なものだから。

 そして難なく、最奥に辿り着く。


「母さん、ここ?」


「うん、そうだよレンちゃん。私達はここで待ってるから、行っておいで」


 と母さんが言うので、一人で奥に進む。

 台座には綺麗なオーブが見える。

 アーネストが取り換えたオーブは、ちゃんと機能しているみたいだ。

 でも、一体どこに大精霊は居るんだろう。

 辺りを見回すけれど、見当たらない。

 一応端から端まで歩いてみた。

 だけど一向に見当たらない。

 しょうがないから、母さんとミレニアの居る場所まで戻ったら、怪訝な顔をされた。

 え、なんで?


「なぁ蓮華や、お主一体何をしておるのじゃ?」


 何をって、大精霊を探してるんだけど。

 あれ、なんだか母さんを見たら、私を直視しないで笑いを堪えてるような。


「っ……!もうダメ、可愛い……!レンちゃんが歩いて、その後ろをぴょこぴょこ歩いてて、もう二人とも可愛すぎ!」


 へ?私の後ろ?

 振り向く。

 やっぱり何も居ない。


「……。蓮華、お主がわざとやっていない事は分かった。分かったから、少し下を見てあげろ」


 なんてミレニアが言ってくる。

 下?下なんて見てどうす……。

 ……。

 居たぁぁぁぁぁっ!?


「な、ちょ!えぇ!?ご、ごめんね!?本当に気付いてなかったんだ!」


 謝る。

 いやだって、私より小さいとか予想もしてなかったんだよ!

 母さんがフルメタルとか言うから、デカいのを想像してたんだよ!


「ダイジョーブー。レンゲト、オイカケッコ、タノシカッター」


 なんて言ってくる、小さいお人形さん。


「えっと……大精霊・ヴイーナスで合ってる、かな?」


 もはや違うと言われても信じてしまうんだけど、一応聞いてみる。


「ソウダヨー。ヴィーッテヨンデー」


 合ってたか、むしろ違ってほしかったとは言えない。


「ヴィー、私はレンゲ=フォン=ユグドラシル。好きなように呼んで良いよ」


「ワカッター、レンゲ、ワタシトトモダチー!」


 と言って抱きついてくるヴィー。

 なにこれ、超可愛い。

 

「うぐぅっ!レンちゃんがお人形さんを抱いて……!」


「マーガリン、お主大丈夫か……?」


 なんか母さんが言ってるけど、ミレニアが居るから任せる。

 だってヴィーが超可愛い!


「ヴィー、変形ってできるの?」


 そう、母さんが言ってたので、気になっていたのだ。


「デキルヨー。レンゲ、ミタイノー?」


 首を傾げて聞いてくるヴィー。

 くっ、なんて可愛い生物なんだ。

 抱きしめたいのをなんとか我慢する。


「う、うん。どんなのに成れるのかな?」


 努めて冷静に答える。


「ミテミテー」


 ガシャン!ガシャン!


 と、色々な物に変形するヴィー。

 ちょ、車にも成れるの!?

 なんか二人乗りくらいの小さな飛行機にもなったよ!?

 

「ヴィー、乗れたり、する?」


 ちょっとワクワクしすぎてて、声が震えてる気がした。


「ノッテー、レンゲー!」


 その言葉に、速攻で乗ったのは言うまでもない。


「ジャー、トブネー、レンゲー!」


 そう言ったかと思うと、小さな飛行機は飛びあがる。

 うぉー!空、じゃないけど、この広間の上空を飛んでる!飛んでるよ!


「凄い!凄いよヴィー!」


 もはや嬉しくて仕方が無かった。


「レンゲガ、ウレシイナラ、ワタシモ、ウレシイー」


 なんて言ってくれる。

 もうお持ち帰りしたい。

 それから、しばらくの間くるくる同じ場所を飛んでいた。


「レンちゃーん、そろそろ降りてきてー!」


 母さんが呼ぶのが聞こえる。

 しまった、嬉しすぎて時間を忘れてた。


「ヴィー、ありがとう。降りて良いよ」


「ハーイ」


 そう言って、すぐ降りてくれるヴィー。

 そして、すぐに元の人形に戻る。

 ぐっ、可愛い。

 変形できるだけでも凄いのに、見た目がお人形さんとか、私の心を掴みすぎなんですけど。


「蓮華、お主……」


 ミレニアが見てくるが、仕方ないじゃないか。

 変形するロボットとか、好きなんです。

 それに、これだけ可愛い人形なら、母さんだって好きそうなのに。


「ヴィーナス、これから貴女は私のライバルね!」


「マケナイヨー、マーガリンー!」


 あれ?なんで母さんとヴィーが張り合ってるの?


「蓮華……」


 ミレニアがまた見てくる。

 いやだって。

 予想できないよこんな展開。


「え、えっと、それでヴィー、契約してくれるかな?」


「モチロンー。ヨロシクネー、レンゲー」


 と言って抱きついてくる。

 くぅ、可愛すぎる!


「うぅ、レンちゃんにあんなに気兼ねなく抱きつけるなんて、羨ましいよぅ」


「いや、お主も大概抱きついておったぞ……」


「くぅっ、レンちゃんの可愛さにヴィーナスが加わると、マリアージュすぎて私が耐え切れる自信が無いよミレニア!」


「いやお主、何を真面目に阿呆な事を言うておるんじゃ?」


 もはやこの場に、まともな人がミレニアしか居ない気がする。

 でも、これで契約は終わった。

 後は、もう家でのんびり待ってるだけだし。


「ねぇ母さん、学園って15歳でも入れない?」


 気になっていたので聞いてみる。

 だって、私が16歳になって入ると、アーネストは18だし、最後の年しか一緒に通えない。


「入れるよ、レンちゃんならね」


 そう言ってくれた。

 なら、15歳になるまではうちに居て、15歳になったら、学園に入ろうかな。

 そんな事を考えながら。


「そっか、とりあえず話は家でする事にして、帰ろっか母さん、ミレニア」


「家出するのレンちゃん!?ヴィーナスが可愛いからって、そんなっ……!」


 おい。

 母さん、後半をスルーしてるんじゃないよ。

 ミレニアが、こいつ何言ってるんだって目で見てるよ。

 気付け母さん。


「母さん、今かなりアホになってるけど、大丈夫?」


 と冷たい目で見て言ったら。


「レンちゃんがヴィーナスにばっかり構うからぁ」


 なんて口を尖らせて言う母さん。

 いや、母さん……。


「蓮華、マーガリンはお主が絡むと、ここまで残念な頭になるのか?」


 なんてミレニアが聞いてくるので。


「普段はここまでじゃないんだけど、なんでだろうね……」


 と言う事しかできない私だった。



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