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6話.初配信の後

「お疲れアーネスト」

「おーう、お疲れぇ」


 動画配信が終わった後、アーネストの部屋へと入る。

 機材はバニラおばあちゃんから無償で受け取って、セッティングも全部してくれた。

 流石バニラおばあちゃん、IT関係はすでに私やアーネストでは相手にならない。


「しっかし、TWITTERアカウントのフォロワー数が異常だな。今日一日でどんだけ増えてんだよ」

「なんにもツイートしてないのにな」

「本当になー。はぁ、心は一般人のつもりなんだけど、やっぱ特別公爵家ってのがデカいんだろうな」


 アーネストがやれやれと言った感じで、ベッドに寝転がる。

 うーん、それだけじゃないと思うけどね。

 バニラおばあちゃんもそうだけど、周りの人達だって人気があるし、その人達から好意的なのも大きいと思う。


「んでよ、訓練は訓練用YUGカードをインストールしてやるとして、俺達本来のデータはどうする?」

「あー、あの先行データは卑怯だし消すよ。データには登録日も乗るし、私達のデータは発売日前のデータが載ってるからね」

「そんなもんバニラさんなら消せるだろ?」

「そうかもしれないけど……って無駄な問答止めろよ。どうせお前だって消すつもりだったろうに」

「はは、やっぱ分かるか」

「当たり前だろ」


 ユグドラシルオンラインのステータスは、『YUGカード』からデータを読み込む。

 これは一人一人のマナに合わせて登録される為、変える事が出来ない。

 色んなゲームで行われる、ガチャ等で良いデータが引けるまでやり直す、リセットマラソンは行えないようになっている。


 私とアーネストは、このゲームをすでに先行プレイしてやり込んでいる。

 各ボスの対処法は勿論、鍛冶や錬金術のレシピ等、普通なら何千時間とかかるプレイ時間を、ゲームの中だけ進む時間が早くなるという、時の世界の性質を利用して試行錯誤してプレイしてきたのだ。

 そのお陰で、この先行データの蓮華とアーネストのステータスは凄まじいものになっている。

 ちなみに、このゲームにカンストは無い。

 転職もあるし、転職の際に引き継ぎボーナスがある上に成長率ボーナスもある為、単純にレベルが高い人が強くなるわけでもない。

 かといって転職をしまくったら上がり続けるのかと言うとそうでもなく。


 例えば一番分かりやすい戦士から魔法使いに転職した場合。

 戦士の成長率ボーナスはSTR+2、VIT+1なのだが、魔法使いの成長率ボーナスはINT+2、MND+1となっている。

 ここに転職ボーナスでSTR+2がつくのはプラスなんだけど、代わりに何故かDEXにマイナス補正がつくんだよね。

 ちなみに各ステータスの詳細はこう。


STRは力、戦闘では物理攻撃力に影響

DEXは器用、戦闘では命中率に影響

VITは体力、全てにおいてスタミナやライフポイントに影響、戦闘では物理防御力に影響

INTは知力、戦闘では魔法攻撃力に影響

AGIは素早さ、全てにおいて速度に影響、戦闘では攻撃回数に影響

MNDは精神力、全てにおいて状態異常抵抗力に影響、戦闘では魔法防御力に影響

LUKは運、全てにおいて運命力に影響、戦闘ではクリティカル率、被クリティカル率に影響


 となっている。どのステータスもとても大事なんだけど、職業によっては成長率0なステータスもある。

 戦士だとINTの成長率は0だし、魔法使いだとSTRの成長率は0だ。

 あ、だからって全く上がらないわけじゃなくて、そこはベースの成長率がある。

 例えば種族人間の場合、レベルが1上がったら、こう上がる。


STR+2

DEX+1

VIT+1

INT+1

AGI+2

MND+1

LUK+1


 これに職業成長率がプラスされた数値が、ステータスに加算される。

 そこに、自由に割り振れるSPポイントがレベルアップで追加される。この量はレベルが上がるごとに追加される仕組みなので、高レベル者が強いのは強いんだけど……転職ボーナスが大きいので、一概にそうとも言いきれないんだよね。

 後、勿論だけど装備も重要だ。

 装備にはレベル制限もあったりして、転職してレベルが1に戻ると装備できなくなったりするし、能力値制限装備もあるので、低いと装備できなくなるものもある。


 ちょっと説明が長くなってしまったけれど、これも動画で配信するつもりだ。

 説明書読むのは嫌だけど、話を聞くならって人も多いだろうという事らしい。まぁ、簡単に言うと頼まれたわけだよ。


 後、このゲームは味方のHPが割と高い。

 小指を斬ったくらいじゃ現実の人が死なないのと同じように、その程度じゃHPにはほとんど影響がないレベルで高い。

 ドラクエだと999、FFだと9999が基本だったけど……いやFFもXから一万超えたかな?このゲームでは初期から万を超えているからね。

 道端の雑魚モンスターからでは、どうやったらこっちが死ぬの?ってレベルで死なない。

 でも、普通に剣で斬られたら死ぬくらいダメージ受ける。同じステータスのスケルトンが居て、武器持ってないスケルトンの脅威度はF、剣持ってるスケルトンの脅威度はCくらいまで上がる。

 この危険度表示のランクも、一番下はG、それから上がってAとなって、そこからはAA、AAA、S、SS、SSR、UR、LRと上がっていく。

 SSSじゃないよ、SSRだよ。レア度かっ!って突っ込んだね。

 どうにも、ユグドラシル社のゲーム開発部門に転生者が数名居るみたいで、意見を出し合って切磋琢磨してるらしい。


 話が逸れたけれど、そんなこんなでかなりのやり込みゲーと化しているのがユグドラシルオンラインだ。

 現実世界で数カ月、ゲームの世界で数千時間やり込んだのは伊達じゃない。

 ちなみにそれは調整の為にやった事なので、実際の時間は現実世界と同じで流れる。

 その世界に例え入っていなくても、時間は流れて行くんだ。

 皆が主人公であり、皆が主人公じゃない。誰かが居ない時でも、他の誰かが居る世界だからね。


 ちなみに、この世界のNPCは生きている。この世界から出られないけれど、意思を持った精霊や妖精だからだ。

 この世界で生きる住人として、入る事を希望したんだ。

 役割を貰った精霊も居るし、ただ普通に暮らすNPCとして生きる道を選んだ精霊も居る。

 妖精は精霊と違い、そのまま妖精としてNPCで生きる道を選んでいる。


 なので、もう一つの世界と言うのは、真の意味でもそう言える。

 この世界は単純な電子の世界というわけじゃない為だ。

 その目的は、まぁ……今は語るべき時じゃないよね。

 単純にゲームとしての側面だけ使えるのが一番だと思うし。


「そういや、照矢達から連絡きてたの見たか?」

「え?照矢君達から?」


 魔剣ゴエティアの件が片付いた後、遊園地を皆で作って遊んだら、照矢君達は元の世界へと帰った。

 だけどそこで、面白い事が起こった。

 なんと、照矢君達へ餞別で上げたスマホが、こちらの世界と繋がっていたのだ。

 このスマホは電池で動いてるわけじゃないので、魔力があればずっと起動していられる。

 そして、魔王であるミレイユは、ずっとスマホの充電をする事が可能だった。


 で、ダメもとで元の世界に帰った後、私達にメッセージを飛ばしたのだ。

 そうしたら、なんと繋がったという。

 なので、私達は会う事は出来ないけれど、メッセージを使って会話をする事が可能になったのだ。


「なんか、動画楽しみにしてるってきてたぞ。あと、TWITTERアカウントフォローしたって」

「出来たの!?」


 驚きで一杯だよ。TWITTERを起動すると、凄まじい通知の数とフォロワー数でまた驚く。


「いや、この数から照矢君達を探すとか無理……」

「だよな……DM送ってもらうしかねーな」

「それ認可するのこっちがフォローしてないとダメじゃなかった?」

「……」


 誰か、TWITTER詳しい人、目的の人をフォローバックする方法教えてください。


蓮華@renge

2フォロー10,981,998フォロワー


アーネスト@a-nesuto

2フォロー10,010,205フォロワー

2022・6・21修正

・STRは力、戦闘では攻撃力に影響

→STRは力、戦闘では物理攻撃力に影響

・VITは体力、全てにおいてスタミナやライフポイントに影響、戦闘では防御力に影響

→VITは体力、全てにおいてスタミナやライフポイントに影響、戦闘では物理防御力に影響

・LUKは運、全てにおいて運命力に影響

→LUKは運、全てにおいて運命力に影響、戦闘ではクリティカル率、被クリティカル率に影響


MMORPG区分なので、詳しくやっていくか悩んでます。ステータス関連はさらっと流す方が読みやすいかな?とも思うので、毎回ステータス詳細を乗せるようなやり方はしない方向でいきますね。


読了ありがとうございます。

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