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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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42.大精霊・ノーム

 それから、王都内にある建築関係の場所を虱潰しに周った。


「力になれなくて申し訳ねぇカレン様、アニス様」


 すでにこれで十件目、中々ノームは見つからない。

 まぁ、家を建てる為の素材を聞くだけなら、もうこの人達に聞けば良いとは思うんだけど。

 でも、ノームとは契約の事もあるし、会っておきたい。


「いえ、気になさらないで。お仕事の邪魔をしてしまって、こちらこそ申し訳ないですわ」


 その言葉に更に恐縮してしまっている相手の方。

 流石インペリアルナイト。

 こうして見てると、本当にしっかりしてるのになぁ。

 そういえば、ノームって土、なんだよね。

 シルフが確か、放っておいても会いに来るって言ってた気がするんだけど、もしかして入れ違いになってたりしないよな。

 いや、そんなわけないよね。

 と思っていたら、突然後ろの扉が開く。


「失礼!多分だけど、俺の事を探してる方がここにまだいねぇかい?」


 なんて、ドワーフみたいな見た目の方が言っている。

 あれ、この感じ……。


「ノーム?」


 と一言呟いたら。


「お?おおぉぉぉぉぉ!アンタ、もしかして!」


 といきなり近寄ってきた。

 近い、近いよ!?それに酒くさいっ!!

 突然の事に呆気にとられてしまったが、すぐにハッとなって。


「「蓮華お姉様から離れなさい!!」」


 と私を引っ張る二人。

 どっちも近いんだよ!!

 とは私の心の叫び。


「す、すまねぇ。悪気はねぇんだ。多分、ってか絶対にアンタの探してるのは俺だ。間違いねぇよ」


 そう言う彼。

 私もなんとなくそれが分かる。

 だから、答える事にした。


「自己紹介が遅れたね。私は蓮華、レンゲ=フォン=ユグドラシルっていうんだ」


 その言葉に、周りがざわつくのが分かる。

 まぁ、今は認識阻害魔法かけてるからね。

 それで思ったのか。


「お、おぃアンタ。いくらなんでも、レンゲ様の名を語ったら、タダじゃすまされねぇから、やめといた方がいいぞ……?」


 って善意で言ってくれたのが分かる。

 だから、魔法を解く事にした。


「これで、良いかな?」


「!?も、申し訳ありません!知らぬ事とはいえ、ご本人様であらせられるとはつゆも思わず……!」


 なんて謝ってくるので。


「ううん、ありがとう。私の名を語ってる偽物かと思って注意してくれたのは分かってるから」


 その言葉に。


「ありがとうございます……!」


 なんて言ってくれる。

 いや、こっちが礼を言う立場だと思うんだけどね。

 私の為に言ってくれたんだから。


「ははっ、蓮華様は思った通りの方みてぇだな。俺に話があるんだよな?俺の工房に案内すっから、ついてきてくれよ。そこで話を聞くさ!」


「ん、了解。案内頼むよ」


「おう、任せな!」


 ニカッと笑う。

 中々好印象な方だと思った。

 それからノームの後ろをついて行く。

 街中を通っていると、なんか凄い見られる。

 なんでだ?って思ってると。


「あの、蓮華お姉様。魔法は掛け直さなくてよろしいのでしょうか?」


 とカレンが言ってくれて思い出した。

 解除したままだった事を。


「ま、まぁ二人も居るし、大丈夫でしょ」


 もはや開き直りの発言だったのだが。


「「お任せください!!」」


 と力強く言う二人に、まぁいいかと思った。

 そして、街の結構外れにある、少し大きめの家の前で止まる。


「ここがこの街での俺の家さ。まぁ片付いちゃいねぇごっちゃごちゃの家に、三人の美少女を上げるのは抵抗があるんだが、勘弁してくれな」


 と苦笑しながら言うノーム。


「大丈夫、私はそういうの慣れてるよ」


 と笑顔で返す。

 うん、元男だからね、部屋が汚いくらいで嫌悪感とかないよ。

 もちろん、清潔な方が好きだけどさ。

 靴を脱いで上がろうとしたんだけど。


「おっと蓮華様!靴は脱が無くていいぜ。そのまま上がってくれ」


 成程、そういう方式の所も外国では普通にあったな。

 なのでそのまま上がる。

 奥には釜戸が見える。

 気になったので聞いてみる。


「もしかして、武器や防具も作ってるの?」


「おう、そうだぜ。武器、防具、アクセサリーは全部俺が作ってる。魔道具は他を当たってくれと言ってるがな!」


 おお、もはや私の中にあるドワーフのイメージまんまだ。

 だけど、間違いじゃなければ彼は大精霊なんだよな。


「ノーム、だよね?」


 とまずは聞く事にした。


「おう、そうだぜ蓮華様。もし良かったら、まずは俺と契約してくれねぇかい?隷属でも構わねぇ。俺は蓮華様と共にいてぇんだ」


 なんて言ってくる。

 二人が立ち上がるが、それを制する。


「二人とも、彼は大精霊だよ。そういう意味じゃない」


 その言葉に、納得したのか座る二人。


「ノーム、契約は是非お願いしたい。だけど、隷属って?」


「ああ、契約は対等な関係だ。けど、隷属は命令に従う存在で、主の言う事は絶対で、逆らえないのさ」


「そっか。私は隷属なんてするつもりは微塵もないよ。契約だって、友達で良いんだ」


 その言葉に、目に涙を浮かべるノーム。


「ありがてぇ……こんな優しい方が主なら、俺はなんだって構わねぇよ!これからよろしく頼むよ蓮華様!」


 なんて凄く良い笑顔で言ってくれる。

 うん、良い方だな、ノームは。


「それで早速なんだけど、ノームの力を貸してほしいんだ」


「俺の?蓮華様の力になれるなら、喜んで受けるぜ!」


 なんて嬉しい事を言ってくれる。

 なので、事情を説明する事にした。




「成程、ユグドラシル領にでっけぇ家を、か。で、組み立てそのものは魔法だから、設計図というか間取図が必要だな。よし、素材やそこらは任せな!」


 その言葉に安心する。


「もちろんノームの部屋も作ってね。具体的に言うなら、全大精霊の部屋を用意して欲しいんだ」


 と伝える。

 その言葉に。

 震えているノームが見える。


「マジっすかい。蓮華様は、大精霊の皆の為に……うおぉぉぉぉ!!俺ぁこんなに嬉しい事はねぇ!任せてくだせぇ!絶対に良い間取を考えてみせまさぁ!」


 なんて言ってくれる。

 うん、職人だね、ノーム。

 頼りになる。


「俺ぁこれから、素材集めに入りまさぁ!その伝手は俺も結構顔が利くんで、間違いなく揃えてみせますんで、ご安心くだせぇ!」


「う、うん、よろしくねノーム」


「はいっ!うっし、こうしちゃいられねぇ!すぐに声掛けにいかねぇと!俺ぁこれで失礼させてもらいやすが、この家は好きに使ってくだせぇ蓮華様!」


 と言って嵐のように出て行くノーム。


「なんというか、頼りになるけど、凄い勢いのある大精霊だね……」


 その言葉に同意を返す二人。


「私、大精霊様に対するイメージが、少し壊れてしまったのですが……」


 なんてカレンが言うので。


「大丈夫、大精霊って言っても色々な性格が居るよ。まぁ、厳格な大精霊とまだ会った事ないんだけどね……」


 って言ったら、二人とも苦笑している。

 さて、これで家の方はなんとかなりそうだ。

 次は祠に行かないとだね。

 そう思って、三人で準備をしに一旦二人の家に戻ろうとしたら

 とんでもない存在との出会いが待っているとは、この時の私は思ってもいなかった。



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