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195話.サンスリー王国へ

 サンスリー王国の第一王子、シロウさんと話をして、サンスリー城へと一緒に行く事になった。

 家族を助けたい、その想いはとてもよく分かるから。

 シロウさんの家臣であるガイルさんとリューゼさんについては、フォース王国に残ってもらう事にした。

 出来るだけ守る対象は少なくしないと、万が一って事もあるから。


 どうやらミレイユの結界はフォースの国民だけにしか効果がないらしく、他国から救援に来た人達からしたら、いきなりフォースの人達が消えたように感じたらしい。

 カレンの騎士団の副隊長であるローガンさんは範囲外にしてもらい、後から来た人達へ事情も説明しているようだ。

 私達は任意で結界効果の出入りが出来るようなので、シロウさん達とはこうして同じ時間で話す事が出来たというわけだね。


 照矢君達とも合流し、これからの事を話し合った。

 まず、私とアーネスト、アリス姉さんにシロウさんの四人は、フォースの国境からサンスリー王国へと入る。

 関所は機能していないらしい。騎士は居るのだが目はうつろで、正気とはとても思えないのだとか。

 まぁ、私達は基本飛んで行くつもりなので、関所とか関係ないのだけれど。

 シロウさんはアーネストに背負ってもらう事になった。最初私が背負おうと言ったら、本人とアーネストに断られた。

 地味にショックを受ける私を見て、アリス姉さんが笑ったのが更に追い打ちに。


 サンスリー城内については、シロウさんが居る事で最短ルートで行けそうだ。

 最初は城に入る城門全てから逃げられないように別れて入る予定だったけれど、その役目はアリス姉さんがしてくれる事になった。

 私とアーネスト、シロウさんの三人が城内へと侵入し、悪魔を操っている親玉を倒し王様と王妃様、そしてシロウさんの弟さんを助け出す。

 首謀者が逃げないように、空から監視しておくのがアリス姉さんという風に役割を決定した。


 ただ、今回の戦いはサンスリー王国を救えたらそれで終わりじゃない。

 魔界海より近づいてきている魔物の大群からも、守らなければならない。

 ミレニアの助力でフォース王国の皆が強くなっているし、他国からの救援も続々と入国してきているし、リリアちゃんのいる王国・ツゥエルヴでも同じように体制が整っていると聞いている。

 魔物の多さから、サンスリー王国だけでなくツゥエルヴ、フォースの二国にも攻め入ってくる可能性が高い。

 海の近くにある街には、すでに多くの兵達が待機しているらしい。

 後はサンスリー王国を乗っ取っている悪魔達を追い出し、可能なら殲滅して、体制をすぐには整えられないであろうサンスリー王国へ兵を救援に向かわせる。


 その為にも、私達ができるだけ早く、サンスリー王国を悪魔達の手から解放しなければならない。

 仮に魔物達の方が早く攻めてきた場合、今度はサンスリー王国から攻めてくる魔物達を相手にしなければならない。

 その場合に備えて、フォースでも国境沿いに兵を待機させていると聞いた。


「それじゃ、俺達は当初の予定通り、魔界海から来る魔物達の相手、で良いんですよね?」

「うん。それも、皆にはサンスリー王国側で頼みたいんだ」

「了解じゃン!蓮華サン達がサンスリー王国を解放した後、混乱の中魔物に襲われたら何の為に解放したのかわかンねぇしな!」

「だな。俺達は蓮華さん達が城へ向かっている間に、海辺の街へと移動開始かな」

「そうじゃな。妾達は5人、分散するよりはまとまっておった方がよかろう」

「ですねー。私は元よりミレイユ様から離れるつもりはありませんけどー」

「わ、私も皆さんと一緒が良いです!」

「うん。皆は5人一緒に行動して貰って良いよ。一緒には行けないけど、皆なら大丈夫だって分かってるから」


 照矢君達は皆良い表情で頷いてくれた。他の事は、皆に任せて大丈夫だろう。

 私達は、悪魔達をなんとかすれば良い。


「カレンとアニスは……ミレニアやシャルがついてるし、言いに行かなくて良いかなアーネスト」

「スマホで連絡だけ送っといたら良いんじゃねぇか?時間があの中と違うだろうから、いつ届くか分かんねぇけど」


 それもそうか。とりあえずスマホでメッセージを送っておいた。

 私達は一足先にサンスリー王国へ行って、悪魔達を倒してくるね、と。


「よし、それじゃ善は急げだ。早速行こう!」

「オーケー!シロウ、俺の背中にしっかりつかまっとけよ!」

「は、はいっ!」

「蓮華様、アーネスト様、殿下を……サンスリー王国を、宜しくお願い致します……!」

「どうか、ご無事で……!」


 ガイルさんとリューゼさんが深々と頭を下げる。


「大丈夫、大船に乗ったつもりで任せて。それじゃ、行くぞ!」

「「おおー!」」


 空へと昇り、サンスリー王国へと飛ぶ。


「~~~~~っ!?」


 シロウさんが声にならない声を上げているのをみて、少し笑ってしまったのは秘密だ。

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