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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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40.話し合い

「っていう話になったよ」


 今集まっているのは世界樹の麓。

 見上げたら大きな世界樹の幹が見えて、壮大な風景に思わず感嘆する。

 今ここに集まっているのは、ディーネ、ドライアド、シルフの三人だ。

 大精霊を人換算していいのか分からないけど、まぁ私も人じゃないし、合わせて四人で。

 しかし、なんていうかここは……凄くあったかい。

 大きな根に背中を預けていると、段々と眠たくなってくる。

 っと、今は寝る時じゃない。


「ボクも手伝いたかったけど、それなら余り手伝う事なさそうだねー」


「そうですね。ただ、叶うならですが、それぞれの部屋を、大精霊の特性にあった部屋にして頂けると助かるのですが」


 特性にあった部屋ってなんだろう?

 ディーネに尋ねる。


「例えば、私の部屋は水で満たして欲しいのです。もちろん、部屋全てをではなく、部屋に入ったら湖があるといった感じと言いますか……」


 成程、言いたい事はなんとなく分かった。

 うん、物理法則を無視した部屋にしろって事か。

 兄さんなら可能な気がするけど……。


「分かった、兄さんに相談してみるよ」


「ありがとう、レン」


 そう言って微笑んでくるディーネ。

 ドライアドが、首をかしげる。


「私はー、部屋が無くても、世界樹の麓で寝転がってられるなら、いいよぉー?」


 なんて言ってくるんだが、それじゃ私の気が済まないので。


「それじゃ、ドライアドの部屋は好きな作物で一杯にするとかは?」


 って言ったら。


「ほんとぉ!?れんげちゃん、ありがとぉー!」


 なんて言って抱きついてくる。

 いやちょ、君葉っぱが少し巻き付いてるだけで、ほぼ裸なんだからやめてぇ!!

 シルフが笑う。


「あはは、ボクは部屋は眠れるだけで良いかな。基本世界樹の周りを好きに移動してるだろうからね」


 って言ってくる。

 でも、これから他の大精霊も増えるだろうし、ここら辺はちゃんと考えなければ。

 そういえば、2個目のオーブのある祠は、周り砂漠だったし、オーブも火なんだったっけ。

 って事は。


「ねぇディーネ。火はなんていう大精霊なの?」


「イフリートですね」


 たんたんと答えるディーネ。

 仲が悪いとかは無いのかな?と思っていると


「ふふ、レンは私とイフリートが仲が悪いのではないか、と懸念しているのですね?」


 う、当てられちゃったよ。

 そんなに分かりやすいのか私は。


「いえ、大抵の者は、水と火は相性が悪いと知っていますから、そう思うのも無理もないのですよ」


 そっか。

 でもね、一つ言わせてほしい。

 さっきから私、心に思っているだけで、言葉に出していないんだ。

 なんで、それで会話が成立しているんですかねぇ!?


「レンは分かりやすいですから」


 周りから見れば、ディーネが一人で話しているだけに見えるはず、なのに。

 ドライアドもシルフも会話が成立しているように見えているみたいだ。

 納得がいかない。


「それでですね、基本私達大精霊の間で、不仲な存在はありません。いえ、セルシウスだけはイフリートを毛嫌いしていますけど」


 いきなり言ってる事が矛盾してますけどぉ!?


「あ、セルシウスは氷の大精霊でして、シルフと同じように魔界に居ます。恐らく彼女はこちらには来ないでしょうから、出向く必要があるでしょうね」


 氷の大精霊か。

 まぁ来ない上に魔界なら、しばらくは会えなそうだな。


「話を戻しますが、私とイフリートはそこまで不仲ではありませんよ」


「そっか」


 ようやく一言話せた。

 でも、部屋を作る上で、火ってヤバい気がするんだよね。

 っていうか、世界樹だよ、木だよ。

 よく燃えるよ。

 近づけたらヤバいんじゃないの。

 だからといって、イフリートだけ除け者なんて形にはしたくないし……


「ねぇレンちゃん、もしかして、イフリートがずっと燃えてると思ってる?」


「え?違うの?」


 っていうか、また心読まれた気がするんですけどねぇ!?


「あはは、レンちゃんは面白いなぁ。ネタ晴らしするとね、ボク達は繋がってるから、レンちゃんが知られたくないって壁を張ってる事以外なら、つつぬけなんだよね」


「こらシルフ!どうして言ってしまうんですか!」


 とディーネが窘めているが、そうか、成程。

 私の心を覗いていたと、ふぅーん?


「あ、あの、レン。少し、落ち着きましょう、ね?」


 ソウルを手に持つ。


「に、逃げますよシルフ!」


 ディーネがシルフを担いで逃走する。


「ちょ!?なんでボクまでぇ!?」


 シルフが叫んでいる。


「ふ、ふふ……逃がすかぁ!!」


 追いかける私。

 ドライアドはというと。


「れんげちゃんと追いかけっこなんてずるぃ~……でも私じゃ追いつけないから、寝てるねぇ~ふわぁぁ……」


 と言って寝ていた。




「ごめんなさいレン、もう勝手に心を覗いたりしませんから、許してください」


「ごめんよレンちゃん。ボクも二度としないから」


 と、そこには正座させられた大精霊が二人。


「あははー。二人のそんな姿、初めて見たよー」


 ドライアドが面白そうに笑っている。


「はぁ、もうしないなら許すよ。プライバシーの侵害はダメだからね二人とも!」


「「はい」」


 さて、話を戻すか。


「それで、イフリートが常に燃えてないっていうのは?」


 説明を求める。


「イフリートは火の大精霊ですから、確かに基本は火なのですが、温度調節と人間では言うのでしたか、それが出来るので、彼に近づいたからといって、熱いわけではありませんよ」


 おお、そうなんだ。

 でも確かに、そういう事が出来なければ、なんでも燃やしてしまうか。


「ですから、性格以外は実害はありませんよ」


 そっか。

 ん?今気になる単語が。


「それって、性格は問題あるように聞こえるんだけど」


「ボク、彼の事嫌いじゃないけど、性格が熱血漢すぎて暑苦しいから苦手なんだよね」


「いふりーちゃんは、まっすぐだよー」


 なんてシルフとドライアドが言ってくる。

 まぁ、木と風からしたら、火は一番苦手だろうけども。


「そういうわけではなく、彼の性格が苦手とシルフは言っているんだと思いますよ」


 その言葉に、まさかまた!?と思ったら。


「きっとレンの事だから、属性相性で苦手と考えているのではないか、と」


 ぐっ……正解なだけに何も言えない。


「まぁ、悪い奴じゃないんだよ。大精霊に悪い奴がいるのかと言われたらあれなんだけど」


 なんてシルフが言ってくる。

 しかし熱血漢か、私はわりとそういう奴は好きだったりするんだけどな。

 私が好きだから、アーネストも然り。

 なんとなく、会うのが楽しみになってきた。


「それじゃ、次はフォースに向かうつもりだけど、その前に家の素材か。木はユグドラシル領の森林地帯からで良いとして……」


「あ、土のノームが確か人間の世界で建築関係の仕事してたような?」


 はいぃ?大精霊が働いてるの!?


「うん、その気持ちはよく分かるんだけど、ノームは人間や亜人達の事が好きな変わり者なんだ。だから、基本祠に居ずに、街で生活してるんだよ」


 とシルフが教えてくれる。

 なら、建築にいりそうな材料はノームに聞ければ揃えられるわけか。

 実際に組むのは兄さんの魔法で済むわけだし、部屋を大精霊に合った間取りにする為には、やっぱり兄さんの力が必要だ。


「ノームの居場所って分かる?」


 聞いてみた。


「今は王都・フォースだよ、また移動してなければね」


 なんと、これから行く先と同じとは運が良いね。


「そっか、なら用事が重なるし丁度良いや。シルフとドライアドはここでゆっくりしてくんだよね?」


「そだね、ボクは世界樹の近く飛んでるよ。あ、でもボクの力が必要な時は、すぐに呼んで良いからね!」


「うんー!私もここで寝てるけどー、私の力が必要な時は、いつでも呼んでねぇれんげちゃんー!」


 と快い返事を貰えた。


「ディーネはどうする?」


 一応聞いてみる。


「あそこ、私蒸発しそうになるんですよね」


 ディーネがげんなりと答える。

 私とシルフ、ドライアドが顔を見合わせる。


「「「あはははははっ!」」」


 笑ってしまった。


「ご、ごめん!あまりにもディーネがげんなりしていうから、あはは!」


「もぅ、酷いですよレン」


 ディーネも苦笑しながら答えてくれる。

 それじゃ、今回は私一人で探してみるかな。

 それに、火の祠までは案内が必要だからね。



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