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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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38.大精霊・ドライアド

 道中は前と変わらず。

 ただ、私が前回と違い質問しまくった為か、シリウスはずっと上機嫌だった。

 シリウスは言うまでもなく美人なので、中身おっさんの身としては少し緊張したりもする。

 まぁ、この体になってから、男だった時よりは確実に、女性に対しての意識をしなくなってきたんだけども。

 それでも、綺麗な人は綺麗だし、可愛いものは可愛い。

 道中に、シリウスがロイヤルガードを目指したのは、他家に嫁がなくても良くなるからだと聞いた。

 ロイヤルガードは国を守る要である為、貴族の柵からある程度離れられるのだとか。

 家族も弟が居るので、後継ぎは大丈夫らしい。

 シリウスの事が大好きな家族達は、娘を他家に取られたくないからと、滅茶苦茶な訓練を幼少期からさせてきたのだとか。

 分かるんだけど、それを実際に目にすると引いたろうな私。

 まぁでも、政略結婚とか、相思相愛になれたら良いけど、仮面夫婦とかしんどいだろうしな。


「蓮華様、着きましたよ」


 馬車を止める。

 これでシリウスとはお別れだな。


「それじゃ、行きましょう蓮華様!」


 なんて一緒に行こうとしてくるので、止める。


「ううん、シリウスとはここまでだよ。ありがとうシリウス」


 その言葉に、驚いた顔をするシリウス。


「な、何故ですか!?」


 と聞いてくるから、できる限り優しく答えた。


「私が今回ここに来たのは、大精霊と会う為なんだ。大精霊は、多分私だけでないと会えない。あと、ポータル石を設置する為にね。これで、行き来が楽にできるようになるから」


 予想だけど、多分間違っていないはずだ。

 ディーネも、人と会うのはあまり好んでいないみたいだったし。


「わかり、ました。蓮華様、また何かありましたら、必ず言ってくださいね!私はどんな事でも蓮華様のお力になりますから!」


 なんて笑顔で言ってくれるシリウス。

 まったく、なんでそんなに信頼してくれるのか分からないけど。

 その気持ちはとても嬉しい。

 だから。


「うん、頼りにしてるよシリウス。ありがとう」


 と笑顔で言った。

 シリウスもまた。


「はいっ!蓮華様!」


 と笑顔で言ってくれた。

 そのまま馬車で帰ろうとするので、呼び止める。


「あ、ちょっと待ってシリウス!」

 

「どうしました?蓮華様。何か忘れ物でしょうか?」


 と言ってくるので。


「うん、ちょっと待ってね。我が呼び掛けに応えよ、ウンディーネ!」


 以前と同じように目の前に大きな滝が出来たかと思うと、そこからディーネが現れた。


「召喚に応じ、参りました」


「ディーネ、シリウスを王都・オーガストに送ってあげてくれないかな。ここまで連れてきてくれたんだ」


 その言葉に。


「成程、レンの力になってくれたのですね。分かりました、そういう事でしたら、構いませんよ」


 ニッコリと微笑むディーネ。


「蓮華様……」


 シリウスが良いのですか?って感じで見てくるので。


「こちらから頼んだ事なんだから。帰りを一人でなんて寂しいでしょ?まだ私は転移を一人でできないから、ディーネに頼る事になるんだけど、そのうち使えるように練習しておくよ」


 と答えておく。

 そして、お互いに笑顔で別れを言った後、シリウスとディーネの姿が消える。

 で、すぐにディーネが戻ってくる。


「それでは、行きましょうかレン」


 と言ってくる。


「うん、行こうドライアドの元へ」


 と答えて、オーブのあった場所へ進む。

 道は覚えていたので、迷う事もない。

 途中シーサーペントを倒した場所についたら、また同じのが出てきたので瞬殺しておいた。

 ディーネが何とも言えない表情をしていたが、気にしない。

 ようやくオーブがあった場所に着く。

 そこには、空を飛んだ小さな妖精が居た。

 そして。


「あれ?ウンディーネじゃないか」


 と、話しかけてきた。


「あら、シルフ。ドライアドは居ないのですか?」


 ディーネが答えるが、シルフって、もしかしてあのシルフだろうか。


「ん?んー?なんだろう、この人、何か……」


 突然、私の周りを飛び始める。


「なんでかな、凄く落ち着く。この人は?」


「私の質問にまず答えなさいね、シルフ?」


 ニッコリと答えるディーネ。

 これには慌てた様子で答える。


「ご、ごめん!えっと、ボクがここに来た時にはすでに居なくてさ」


「成程。入れ違いというわけでもなさそうですが……」


「それよりもさ!」


「ええ、分かっていますよシルフ。この方は蓮華、世界樹の化身なのですよ」


 その言葉に、凄く納得した風に言う。


「ああ!だからかぁ!なんかボク、レンちゃんの近くにいると世界樹に包まれているような、幸せな感じになるんだよね」


 いきなりレンちゃん呼びかい。


「ええ、とてもよく分かりますよ。それに時には、世界樹よりも安らいだ気持ちにさせてくれるのです」


「あー、だからウンディーネが一緒に居るのかぁ」


 なんて、大精霊同士で話を進めるので、話しかけられないでいるわけだけど……。

 気のせいじゃなければ、後ろから視線を感じる。

 なので、後ろを向いて呼びかけてみる。


「えーと、ドライアド、かな?後ろに居ないで、こっちにおいでよ」


「「!?」」


 大精霊二人が驚いた顔をしている。

 おずおずと答えてくれる。


「あ、あの、いつから私がドライアドだと……」


「気が付いたのはさっきなんだけどね。ほら、この祠、君の気配で満たされてるから、分かりにくいけど……なんとなく、君が一番濃く感じたんだ」


 ドライアドが微笑む。


「そう、でしたか。やっぱり、貴女は凄いですね」


 凄いって、何がだろうか。

 シルフがドライアドの周りを飛びながら話しかける。


「ドライアド、もしかして入口から見守ってたの?」


「うん……話しかけたかった、けど……どんどん進んじゃうから、追いかけるだけで精一杯で……」


 あちゃー。

 一回来てるから、道迷わないんだよね。

 それが裏目に出たか。


「レン、会えたのですから、目的を果たしましょう」


 そうディーネが言ってきた。

 そうだな、そうしよう。


「えと、ドライアド。私は蓮華、レンゲ=フォン=ユグドラシル」


「ん、私は、ドライアド。木の、大精霊、です。よろしくお願いします、れんげちゃん」


 なんかまた変わった呼ばれ方をしたような。

 ってあれ、なんか体に木の魔力っていうのかな、それが漲ったような?


「私が言うのもなんですが、契約完了が速すぎませんかドライアド」


「だって、れんげちゃんなら大歓迎、だよ?」


 あ、契約完了したんだ。

 今ので!?


「あー、驚いてるね。ついでっていうのもあれなんだけど、ボクとも契約しちゃおレンちゃん」


「そんな簡単に、って、うわ!?」


 体から風の魔力が湧き上がる。

 え、今のでまた!?


「よろしくねレンちゃん。っていうかね、わざわざ会いに来てくれなくても、ボクやドライアドは自分から会いに行って、契約を迫ったと思うよ?」


 え、どういう事だろう。

 考えていたら、シルフが教えてくれる。


「精霊はね、世界樹の近くがマナの関係もあるけど、大好きなんだ。なんていうか、落ち着くからね。それぞれの属性の大精霊が、基本祠から出ないのは、そこが一番心地良いから」


「はい。私であれば綺麗な水がある場所が好ましいですし、ドライアドであれば、世界樹の場所は祠の場所よりも好んでいるでしょう」


「うんー。世界樹の近くは、大好き。でも、れんげちゃんの近くも好き、だよ?」


 なんて言ってくる。


「そっか、私の近くも好きって言ってくれるなら、嬉しいな。でもやっぱり、世界樹の近くには敵わないか」


 笑って言ったら、いきなり予想外の事を言ってくる。


「ん、んん?……れんげちゃんの傍、あったかい……?うん、れんげちゃんの傍、大好きだよ?」


「おぉい!?この数秒で何があった!?」


 いきなり世界樹に追いついちゃったよ!


「クス、レンの傍は癖になりますよドライアド」


 人を食べ物みたいに言うなっての。

 いや、ドライアドって植物の大精霊なら、あながち間違ってないのか?

 光合成的な。


「っていうか、ウンディーネだって、自分から会いに行ったでしょ。ボク見てたんだからね」


 とシルフが言う。

 そういえば、ディーネとはソウルと出会った日にはじめて会ったんだよな。


「だって、レンと話がしてみたかったんです。しょうがないじゃないですか」


 なんて可愛らしく言うディーネに笑うしかない。


「ボクもそうだけど、世界樹の近くが特に好きな大精霊は、自分から会いにくると思うよレンちゃん。まぁボクは祠が魔界だから、特殊な方だけどね」


 あ、よく考えたら、魔界に行く手間が一つ省けたのか。

 それはラッキー。


「世界樹ってくらいだから、水と木と風、あとは土とか?」


 と聞いてみると


「そうだね。後は月のルナマリヤや日のアマテラス、光のレニオンや闇のカオスとかかなぁ」


 シルフが答えてくれる。

 そんなに自分から会いに来てくれそうな大精霊が居る事に驚く。


「まぁ、世界樹が嫌いな精霊なんて皆無だから、心配しなくて良いよ?ボク達は特に好きってだけだから」


 ちょっと照れるけど、嫌われるより全然良いね。

 でも、気になる事があるから聞いてみる。


「そいえば、ディーネは見た目人間になってついてきてくれてるけど、二人はどうする?」


 その言葉に悩む素振りをみせる。


「んー、ボクは人間の姿って苦手だし、妖精の姿で人間がいっぱいいる所は行きたくないしなぁ……レンちゃんの傍は凄く魅力的なんだけどなぁ」


「うんー、私も、れんげちゃんの傍には居たいけど……人間がたくさんいる場所は、無理かなぁ……」


 うーん、やっぱり基本人間がたくさんいる所は無理か。

 あれ、人間がたくさんいる場所は、か。

 そいえば、母さんのユグドラシル領はすんごく広いのに、住んでるのは母さんと兄さんだけだったんだよなぁ。


「それなら、ユグドラシル領で、私達の家でも作る?」


 と思いつきで言ってみたら。


「「「それ良い!!」」」


 とすんごく歓迎された。


「お、おお。凄いくいつきだね。母さんに相談は要るけど、多分OK貰えると思うからさ。そこで私達の家を作ろう。なんていうか、これから増えそうな気がするしさ」


 その言葉に。


「あぁレン、最高です」


「れんげちゃん、私達の為に……ありがとぅー!」


「あはは、ボク達大精霊が皆集まれる場所かぁ、素敵だね!ボクももちろん協力するからね!」


 なんて言ってくれた。

 うん、思いつきだったけど、楽しくなりそうだな。

 アーネストにも協力させるか、あいつなら言わなくても手伝いに来そうだけども。



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