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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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32.試合後、それぞれの想い



-カレン視点-



 凄い、本当に蓮華お姉様は凄い……!

 テレビ中継を見て、ずっと体が痺れを感じている。

 どうして私は今、蓮華お姉様のお傍に居ないのか……!


「アニス、蓮華お姉様は本当に凄いわ……!」


「はい、カレンお姉様!ですが、少し悔しくもあります……」


 アニスがそう告げる。

 ええ、ええ。

 分かるわ、アニス。

 どうしてあの場に居るのが、私達では無いのか……そして。


「「あの女は何者ですかっ!!」


 アニスと同時に言う。

 そう、試合終了後に蓮華お姉様を抱きしめたあの女。

 ギルティです、私的に。

 いえ、誰かは知っています。

 もちろん知っていますが……。


「アニス、今から蓮華お姉様の元へ行きましょう!」


「カレンお姉様、全面的に同意したいのですが、ですがっ……」


 アニスが悔しそうに言う。

 ええ、分かっているわ。

 私達には仕事がある。

 それを放り投げて蓮華お姉様の元へ行けば、きっと叱られてしまう。

 それは、私も望みません。


「「蓮華お姉様……」」


 私達の目は、きっと恋する乙女な事でしょう。

 それにしても、蓮華お姉様のお兄様、蓮華お姉様の美しさに影が薄くなりがちですが……。

 あの蓮華お姉様をして押せない実力、要注意、ですね。


「アニス、私達はもっと力をつけなければ。修練、あるのみです」


「はい、カレンお姉様」


 力強い声を聞きながら、テレビの前を後にする。

 蓮華お姉様、必ず追いついて見せます。

 今しばらく、お待ちください。



-カレン視点・了-



-バニラ視点-



 王覧試合が終わる。

 レンちゃんとアーネスト君の戦い、凄まじいの一言だったわねぇ。

 レンちゃんは途中、ソウルイーターを解放して力を増加させた。

 けれど、それを見たアーネスト君の取った戦術は、魔術の超重ね掛け。

 魔術回路に無理やり同時に複数の魔術を行使する、体に負担の恐ろしくかかる戦術。

 ソウルイーターを弾かれれば、レンちゃんに勝ち目はなかった。

 逆に、アーネスト君の戦術は短期決着が必須。

 だから、レンちゃんが受けて立たなければ、アーネスト君が先に力尽きていた。

 そんな、お互いがお互いに綱渡りの戦い。

 凄いわぁ、レンちゃんにアーネスト君。

 アタシも、少しは腕を上げようかしらねぇ。

 だって、レンちゃんの力になってあげたいものぉ。

 よし、そうと決まれば……久しぶりにアレを起動させようかしらねぇ。

 鈍ってる体を鍛え直さなくっちゃ。

 ありがとうレンちゃん、アタシの心に、新たな炎を灯してくれてぇ。



-バニラ視点・了-




-マーガリン視点-



 凄まじい喧騒で耳というか頭が痛い。

 レンちゃんにアーちゃんのお披露目と言う形を取ったけれど、これで二人に絡むような馬鹿は少なくなるでしょう。

 私に連なる者としても、この地上に住む者達には広がったはず。

 これから学園に入学する二人に、少しでも負担を減らしてあげようと思ってしたのだけれど……これはちょっと、効果が大きすぎたかもしれない。


「は、はは。まったく、脱帽だよマーガリン。あれほどの実力を秘めた者が、同時に二人も現れるとは」


「えぇ、えぇ。陛下、私は感動しましたわ。あのお二人を是非、招いてお話がしたいですわ!」


 王妃がそんな事を言うが。


「あー、悪いけれど。二人を各国の王達や貴族に直接面会させるつもりはないわよ。少なくとも、今はまだね」


 そう釘をさしておく。

 私は王と立場はそう変わらない。

 だから、こんな事も言える。

 もちろん、これまで特別公爵家の権力をそこまで使う事はなかった。

 普段であれば、こんな事も言わない。

 けれど、アーちゃんとレンちゃんの為なら、遠慮なんてしない。

 私の言葉に残念そうにする王と王妃だが。


「そう、か。マーガリンがそう言うなら、きっと理由があるのだろうな。いつか、機会を設けてくれる事を願おう」


 そう理解してくれた。

 その言葉を聞いてから


「それじゃ、私は他の各国の王達に話をつけてくるわ。クレス、この国の貴族達には貴方から伝えておいて頂戴。もし、私の子らに手を出すような真似をしたら、この私を敵に回すわよ、とね」


 氷の魔女と比喩されている事は知っている。

 その眼光を宿し、言っておく。

 その言葉に。


「分かった。きつく厳命しておく」


 真剣な表情でそう言った。

 その言葉を聞いた私は、移動を開始する。

 さて、全員に話すのは少し大変だけれど、二人の為なら苦でもないわ。


「マーガリン」


 クレスに呼び掛けられ、振り返らず足を止める。


「父と母に、もし時間が取れれば顔を出してあげてくれないか?マーガリンと中々会えず、寂しい思いをしているんだ」


 ふぅ、とため息をつく。


「まったく、もういい歳をしておいてあの甘えたがり共は」


 その言葉に苦笑する二人。


「良いわ。でも全国を周るのだから、今日中には行けないと思うから、そのうち顔を出すと伝えておいてくれる?」


「ああ!ありがとうマーガリン!」


「ありがとうございますマーガリン様!あぁ、良かったですわね陛下……!」


 良い笑顔をする二人に、苦笑するしかない。

 歩みを再開する。

 今度は呼び止める声はない。

 アーちゃん、レンちゃん、貴方達の邪魔は誰にもさせないから、この世界を楽しんでね。



-マーガリン視点・了-



「ディーネぇぇぇ……」


「うぅ、だからごめんなさいって何度も謝っているじゃないですか、レン」


 ごめんなさいで済む限度を超えていると思う。


「テレビで全国中継されてたんでしょ?これで、全国レベルで顔が知れてしまったじゃないかぁ……」


 頭を抱えて座り込む私。

 それを見て流石に堪えきれなかったようだ。


「す、すまん蓮華」


 とアーネストが謝ってくる。

 今は闘技場の控室に集まっている。

 気になっていた事をアーネストに聞く。


「そういえばさ、私と会話してる時、声が違ったじゃないか。あれはどうやったんだよアーネスト」


 その質問に。


「ああ、それはこの仮面に声を変える魔術を母さんに掛けて貰ってたんだよ。だから、俺とは気付けなかったってわけさ」


 アーネストが笑って言う。


「そうか、母さんも共犯なんだったな。ふ、ふふ……アーネストと母さん、それにどうせ兄さんも噛んでるんだろ?」


 私の雰囲気に呑まれたアーネストが、ビクビクと答える。


「あ、ああ。その、蓮華、怒ってる?」


「当たり前だろうがぁぁぁっ!」


 叫ぶ私。

 遠目でシリウスが百面相してるのが見える。

 うん、ごめんよ。

 シリウスの前では怒鳴った事なかったもんね。

 アーネストの前では素が出ちゃうので、勘弁してほしい。


「ご、ごめんって蓮華!ホント、今度なんか詫びるからさ!」


 その言葉に。


「後日、アイテムポーチを使わない荷物持ちを命じるアーネスト」


「地味に辛い事を!?」


 クスっと笑ったディーネが言う。


「それではレン、最初の祠に向かいませんか?このまま外に出れば、この国の者達に捕まり、動けなくなるでしょう。ですから、私がポータル石までワープしますよレン、アーネスト」


 そうだな、それは助かる。


「というわけだからさ、シリウス、ここでお別れだよ。王都案内、ありがとう」


 そう笑顔で言う。


「と、とんでもございません蓮華様!こちらこそ、此度の事、本当にありがとうございました!それと、その、すみませんでした」


 と申し訳なさそうに謝ってくる。


「いや、シリウスのせいじゃない。受けると決めたのは私だし、悪いのはこいつら二人と私の母ともう一人の兄のせいだから」


 パコン、スパン!


 二人の頭をはたく。


「あいたっ」


「いてぇっ!」


「あ、あはは……」


とシリウスが苦笑している。


「それじゃシリウス、また」


「はい、蓮華様。いつでもいらしてくださいね。心から、お待ちしております」


 その言葉に笑って手を振る。


「では、行きますよレン、アーネスト」


 そして、私達はその場から消える。

 一瞬で場面が切り替わるこの感じ、ポータルと同じ感じだ。


「着きましたよレン、アーネスト」


「ねぇこれ、ワープ?」


 ディーネに聞いてみる。


「ええ、そうですよ。レンも使えるはずなんですが」


「え、そうなの?」


「素質的には。使えないのは、レンが未熟なだけかと」


 げふ。

 そう言われては仕方がない。

 また練習してみるか。


「そんじゃ蓮華、ウンディーネ、俺は家に帰るわ。ホントごめんな蓮華」


「ああ、もういいよ」


「ま、楽しかったろ?」


 笑顔で言うアーネストに。


「ああ!」


 と笑顔で返しておいた。




-シリウス視点-



「それじゃシリウス、また」


「はい、蓮華様。いつでもいらしてくださいね。心から、お待ちしております」


 その言葉に凄く可愛らしい笑顔をして、手を振ってくれる蓮華様。

 そして、そのお姿が消える。

 蓮華様、私の急な願いにも応えてくれて、感謝しかない。

 そして今回の戦いだ。

 素晴らしいの一言だった。

 そして、くだんの兄、アーネスト様もまた、凄まじい強さだった。

 お二人の戦いに、私は自身の立場も忘れて見惚れてしまい、試合後には我慢ができず、蓮華様に抱きついてしまった。

 後悔はしていないが、反省はしている。

 蓮華様、柔らかくて、とても良い香りがした……ではなくて。


「シリウス、凄い方達だったね」


 少し離れた場所で成り行きを見守っていた、同じロイヤルガードの同僚であるアルスが話しかけてくる。


「ええ。本当に、凄い方よ。アルスも見て分かったでしょ?」


 その言葉に。


「うん、凄すぎて、自分が情けなかった」


 同意を返す。

 だけど、今気付けたのだ。


「これからよ。あの方達に追いつく、追い越す。それが私達の目標よアルス」


 そう、力強く言う。


「はは、シリウスは強いな。けれど、そうだな。憧れだけではダメだよな。うん、俺も頑張る。そして、蓮華様に認めてもらう!」


「言ったわねアルス。蓮華様に認めてもらうのは私が先なんだから」


「負けないよシリウス。俺も蓮華様に心奪われた一人だからね」


 お互いに笑いあう。

 蓮華様、必ず強くなって、今度はこちらから……。

 決意を胸に、闘技場から出る。

 私達の仕事は、今日もたくさんあるのだから。



-シリウス視点・了-




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