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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

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103話.闇魔界からの召喚者達

「ふぅ~、労働の後の飯はやっぱ美味しかったな~」

「兄ちゃんほとんど何もしてないけどな」

「ぐっ……!」

「あはは……」


 妹の毒舌が厳しい。ハルコさんも苦笑してフォローしてくれない、悲しい。


「テリー」


 そんな中、ミレイユが厳しい表情で俺を見つめてきた。


「どうしたんだミレイユ?腹でも壊したのか?」


 少しの間とはいえ食べてきたわけだし、この世界の飯が合わないなんて事はないと思うけど。


「マーキングをしていた者達が、この街に居た怪しい奴らと集まっておる。そしてその位置に、禍々しい魔力を感じるのじゃ」

「!!」


 パルスオキシの街に居た奴らが、オーガストに来てたのか。

 それに、禍々しい魔力って……こういう場合、何かの召喚だったりするのがセオリーだけど……。


「きゃぁぁぁっ!!」

「うわぁぁぁっ!!」


 考えていたら、少し先から叫び声が聞こえた。


「兄ちゃん!」

「ああ!行こう皆!」


 頷き合い、声が聞こえた方へと走る。

 時間が時間なので、まだ人は多い。

 離れようとしている人達を避けながら、なんとか現場にたどり着く。

 するとそこには、巨大な三体の魔物が人々を襲っていた。


「たす、け……ぐぶっ……」


 こちらと目が合い、助けを求めた人が、その巨大な手で握り潰される。


「やめろぉぉぉっ!!」


 一も二も無く、俺は激情にかられて魔物へと飛び掛かった。


「だぁぁぁっ!!」


 渾身の力で剣を振り、その体を真っ二つにしてやろうとした。

 けれど、魔物は俺の一撃を片腕で受け止めた。


「何っ……!?」

「コノ獣王ニ、ソノ程度ノ力デハ傷モツカヌゾ」


 この魔物も言葉を話せるのか!


「そンじゃこれならどうよっ!」


 俺の剣を片腕で受けている所に、玲於奈が飛び蹴りを食らわせる。


「ウオオオッ!?」


 そのままお店まで吹き飛ぶ獣王。

 流石玲於奈、剣より殴った(蹴った)方が強いってもう……。


「レオナ!後ろじゃ!」


 地面に着地した玲於奈に、ミレイユが叫ぶ。

 残りの二体の魔物が玲於奈を狙う。


「残像って奴じゃン?」

「「!!」」


 しかし、二体の魔物の攻撃は空を斬る。

 玲於奈はすでに、俺の横に居た。本当に頼もしい妹だ。


「兄ちゃん、こいつらがさっき居た足元に、例のローブきてた奴らが転がってるじゃン?きっと、そういう事じゃン?」


 玲於奈の言葉に、頷く。

 多分、こいつら三体を召喚する為の生贄になったとか、そういうのだろう。

 なんで命を粗末にするんだよ……!


「良キ力ダ。ソノ辺ノ雑魚トハ違ウヨウダナ」


 玲於奈に蹴り飛ばされた獣王が、こちらへとのんびり歩いてきた。


「我ガ名ハ獣王・バルバス。ソナタラノ名ヲ聞コウ」


 人殺しに名乗る名前なんてないね。


「テリヤ様ー!ファイトーですー!」

「テリー様、そんな肉だるま軽くやっちゃってくださいねー」


 と思っていたのに、うちの仲間から簡単にバラされる。

 君達ワザとじゃないよね?


「……照矢だ。バルバス、お前は召喚されたのか?」

「ソウダ。ソノ命ヲ魔力ヘト変換シ、我等ヲ召喚シタヨウダナ」


 やっぱりか。でも分からないのは、その目的だ。


「バルバス、契約だけは果たしましょう?そうすれば、私達は自由」

「あのリンスレットに閉じ込められた闇魔界から、このまま解放される為なら、この契約は遂行しないと」


 残りの二体の魔物も、言葉を話してきた。それも、バルバスよりも流暢(りゅうちょう)で聞き取りやすい。

 バルバスはなんていうか、カタコトに聞こえる。


「パイモン、バティン。ソウダナ……アノ時ノ雪辱、晴ラサズオレヌ……!」


 何かわけのわからない話をしているけれど、その契約っていうのは多分……


「この街を破壊するつもりなのか?」

「我等ノ契約内容ハタダヒトツ。レンゲ=フォン=ユグドラシル、トイウ者ヲ捕獲シテホシイトイウモノダッタ」

「なっ!?蓮華さんを!?」

「ドウヤラ、対象ヲシッテイルヨウダナ。ソナタラヲ倒シ、案内シテ貰ウトシヨウ」


 しまった、俺の悪い癖だな。

 でも、どちらにしても蓮華さんを捕まえさせたりなんてしない!


「そうはさせない!俺達がお前達を止める!」

「蓮華サンを捕獲って、させるわけないじゃン?世話になってる人だかンな。恩返ししとかねぇと」


 そう言って構えをとる玲於奈が頼もしい。


「バルバス、パイモン、バティン……いずれもどこかで聞いたような名じゃな……どこじゃったか……」


 なにやらブツブツと言っているミレイユだけど、まぁミレイユは強いし大丈夫だろう。スラリンやハルコさんも近くに居る事だし。


「行くぞ玲於奈!」

「ああ兄ちゃん!」


 俺達は同時に駆ける。

 まずはバルバスを一気に片付けて、次に残る二体を倒す。

 その為にも、このバルバスを全力で!


「喰らえっ!『ギガントブレイク』!」


 雷を纏わせた剣での一撃。

 後ろの二体は全く動かず、助けに行く様子は見えない。


「グオオオオッ!」


 その巨大な腕で防御され、肉の真ん中で剣が止まる。

 くっ、硬いっ……!

 力を入れるが、動かない。

 マズイ、このままじゃ狙い撃ちされる!と思っていたその時。


「まずは腕一本っ!」


 玲於奈が剣の上から蹴りをかまし、そのまま剣が腕を断ち切る。


「ガァァァァッ!!」


 これには堪らず獣王も叫ぶ。よし、このまま……!

 連撃を仕掛けようとしたら、獣王の斬られた腕がジュクジュクと気持ちの悪い音がしだした。

 そして、切り落とした腕が生えてくる。


「再生!?」

「ンなのアリかよ、めんどくせぇなぁ」

「ヤルナ、ソナタラハヤハリ強イ。舐メテハカカレヌヨウダ。マダ魔力ガ十分デハナイガ……本来ノ姿二成ロウ」


 そうバルバスが言うや否や、体が変形していく。


「思い出したのじゃ!バルバス、パイモン、バティン!ソロモンの悪魔、72柱に指名されておる奴らなのじゃ!」


 ソロモンの悪魔!俺でも聞いた事がある!

 悪魔達を率いる王達の軍団だよな!?

 なんてもん召喚してんだ!


 みるみると姿を変えていくバルバス。

 その姿はライオンのようで、更に巨体。

 もう俺の剣では片腕すら斬り裂けないだろう、それくらい大きい。


「テリー、幸い奴らはこの街の住人の殺戮が目的ではない。勝てぬとなれば、撤退し蓮華に連絡を取るのじゃ」


 俺の横へと飛んできたミレイユが、そう告げる。

 頷き、バルバスへと視線を戻す。

 そこには俺達を見下ろす、どでかいライオンが居た。


「サァ、ココカラガ本当ノ勝負ダ」


 凄まじい音量で聞こえるその声に、耳を塞ぎたくなる。

 これだけ大きければ、街の外からでも確認できそうだ。

 シリウスさん達にも報告が行くだろう。

 救援も期待できるし、やれるだけやるしかない!

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