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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

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96話.圧倒的な力の差

 突然現れた彼女は、服装こそボロボロだったけれど、凄く美しい女性だった。

 そして、母さんと兄さんからその実力を認められていた。

 最初は、ほんの少しの嫉妬から。

 彼女の実力を確かめたくて、ノルンに乗る形で戦う事にした。


 ガギィィィッ!!


「「!!」」


 まるで硬い金属に当たったかのように、音が響き渡る。

 リヴァルさんは身動き一つしなかった。

 私達の動きを追えていなかったわけじゃない。

 その視線は私とノルンの動きに合わせて動いていたし、攻撃が直撃する所まで見ていた。


「やはりな。お前達の攻撃力では、私の障壁を削る事も出来ていないぞ」

「「なっ!?」」


 リヴァルさんの言葉に驚いた。障壁にも強度があるのは知っていたけれど、私達の攻撃が全く通らないなんて!


「ま、何もしないのもアレだしな。さ、続けてこい。次はお前達の技を潰してやるよ」


 その言葉にカチンときた私は、ネセルに魔力を纏わせる。

 分かりやすい挑発なのはわかってる。

 何故か、リヴァルさんは私の性格を分かってるような気がする。


「行くよノルン!」

「ええっ!」


 私とノルンで同時攻撃をする。

 今度はリヴァルさんも動いた!


「『地斬疾空牙』と『鏡面槍』か、遅いな!」


 右手の剣で私の『地斬疾空牙』の始動を払われて防がれ、左手にはいつ出現させたのか、槍でノルンの槍に突きを合わせていた。

 曲芸師かっ!と言いたくなるような動きで、私達の攻撃を封殺する。


「くっ!ならこれならどうよ!『千峰槍』!」


 ノルンの槍が凄まじい速度で突きまくる!

 けど、リヴァルさんはそれを全て槍の先端でぶつけ合う。


「なっ!?」

「軌道が真っすぐすぎるな。それじゃ目を瞑っていても防げるぞ」


 あのノルンの連撃を、いとも簡単に防ぐなんて。


「でぇやぁぁっ!!」


 私も隙を見て攻撃を仕掛ける。


「『絶刀』か、狙いが見え見えだぞ蓮華!」


 キィィンッ!


「くっ!『絶刀』をただの突きで!?」

「お返しだ」


 リヴァルさんの薙ぎ払いを後ろに飛んで避ける。

 ノルンも一旦後ろに下がり、私と並んだ。


「マジかよ……あの蓮華とノルンが全く歯が立たねぇのかよ……!?」

「ふふ、リヴァルちゃんの強さはあんなもんじゃないよーアーちゃん」

「ええ、まだリヴァルは赤子の手をひねる程度の力しか出していませんね」

「……まさかとは思うんだけどさ、あの人母さんや兄貴より上とか言わないよな……?」


 アーネストの質問に、私は聞き耳を立てる。

 だって、それはすっごく気になる。


「そうだねぇ、ある意味で私達より強いかもしれないわねぇ」

「フ……そうですね」

「「「!?」」」


 その言葉に私は心の底から驚いてしまう。

 私にとって、この世界に来て最初から最強なのは母さんに兄さんだ。

 ユグドラシルもそうだけど、私にとって二人がずっと尊敬して、追いかけている背中だ。

 その二人よりも、強い!?

 そんなの、母さんと兄さんが認めても、認めるもんかっ!


「お……蓮華、やる気になったか」


 私の魔力の高まりを感じたのか、リヴァルさんは笑う。


「私の目標は、母さんと兄さんだ。二人の背中を見て、いつか追い抜きたいと思ってる。例え母さんと兄さんが認めても、私は認めないっ!」


 ネセルをリヴァルさんに向け、お腹に力を入れて叫ぶ。


「レンちゃん……」

「蓮華……」


 あれ、母さんと兄さんの瞳がちょっと潤んでるのは気のせいですよね?


「はは!ああ、それで良い!私もそうだからなっ!来い、蓮華!」


 私も?いや、今は気にしなくて良い!


「うおおおぉぉぉっ!」


 リヴァルさんを狙って、技は使わずに剣を振るう。

 唐竹、袈裟切り、逆袈裟、右薙ぎ、左薙ぎ、左切り上げ、右切り上げと、全て同時に防がれる。

 いや違う。後から防いで同時なのだから、リヴァルさんの方が速いんだ。


「くっ……!」

「どうした、せっかく二人で攻めてるんだろ?それを生かさないでどうするんだ?」

「!!はぁぁっ!!」


 私の攻めを見ていたノルンが戦線に加わる。

 剣と槍の同時攻撃を、リヴァルさんは剣と槍を使って難なく防ぐ。

 ここまで強いのか……!


「チィッ……ならこれならどうよ!」


 ノルンの槍の先に魔力が集まるのが分かる。


「蓮華!私の後ろに『ワープ』しなさいっ!」

「!!了解っ!」


 言われたとおりに、『ワープ』を使い後ろへと移動する。

 が、そのすぐ後ろにリヴァルさんが同時に現れる。


「「なっ!?」」

「『ワープ』を使えるのがお前達だけだと思ったのか?敵に戦法を伝えてどうするんだ」


 凄まじい速度で剣を一閃される。


「きゃっ……!」

「うぐっ!」


 私達はリヴァルさんの剣を防ぐが、勢いを殺しきれずに吹き飛ばされ、倒れた。

 剣の上からだというのに、凄いダメージを受けて足に力が入らない。

 リヴァルさんは剣を下げてはいるが、隙が見当たらない。

 ネセルに体重を預けながら、なんとか立ち上がる。


「くっ……つ、強いっ……!」

「……悔しいけど、私達じゃ勝てないわねこれは……」


 ノルンがそう言う。だけど……まだ全てを出し切ったわけじゃないっ!


「おっと、そこまでだ蓮華。『ソレ』は今使うな。飲み込まれるぞ」

「っ!?」


 ど、どうしてリヴァルさんが、ユーちゃんから教えてもらった秘儀を知ってるんだ!?


「さて、どうだ?私は今基礎体術と剣・槍術だけでお前達の相手をした。先生として、これでも認められないか?」


 そう微笑んで言うリヴァルさんに、ノルンは頭を下げた。


「非礼をお詫びします。どうか、私に稽古をつけてください」


 強くなる事に真摯なノルンだから、潔いんだと思う。


「ああ、任せてくれ。お前達を必ず強くしてやるさ。今度は、負けないようにな」


 後半の言葉はまた小さくて聞こえなかったけれど、母さんや兄さんだけでなく、ここまでの強者に教えを乞えるなんて、幸運だと思う。

 さて、それじゃ早速特訓を……と考えていたのに。


「それじゃ、リヴァルちゃんの歓迎会しましょっか!」


 なんて母さんが言い出して、アリス姉さんまでもが


「良いねマーガリン!皆でパーティーだね!」


 そう言うものだから、断れるはずもなく。

 あ、でもこれだけは聞いておかないと。


「えっと、聞きそびれてたんだけど、そのアリス姉さんを更に小さくしたようなその人は?さっき居なかったよね?」


 アーネストとノルン以外が皆ビクッとしたのを私は見逃さない。


「あ、あはは!私はアリス!宜しくね!」

「アリス……?」

「そう!アリスだよ!」

「……」

「あ、アリスだよ……?」

「さ、さぁパーティーの準備しなくちゃ!レンちゃん、手伝ってね!」

「あ、うん。でも、アリ……」

「そうと決まれば、善は急げよレンちゃん!」

「うわ!?母さん、引っ張らなくても行くから!」


 私の追及は、母さんに引っ張られて出来なくなってしまった。

 うん、ちゃんと後で聞くからね?

 というか、アーネストとノルンも手伝えー!と視線を送る。

 アーネストは両手を頭の後ろで組んで、横を向いて口笛を鳴らす真似をしている。

 ノルンに至っては、手伝って良いの!?的な目で見てきたので、料理が壊滅的な事を思い出して私が目を逸らしてしまった。


 アーネスト、口笛吹けてないからなっ!

 ノルンはごめんっ!


 とりあえず、アリス姉さんだけは母さんに引っ張られる時に手を掴んでおいた。


「蓮華さんー!?」


 強制連行される私達二人。

 リヴァルさんは笑ってた。

 うん、美人が笑うと絵になるよね。

 なんてどうでも良い事を考えながら、母さんに引っ張られている私だった。

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