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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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30.王覧試合

 王覧試合当日。

 場所は王都・イレヴンアイズの闘技場だ。

 ユグドラシル領を中心と見て、時計の11の位置にある国。

 どうやら王覧試合とは、開催国と、それに参加する2か国の、計3か国による催しなんだそうで。

 毎年行われているらしい。

 競い合い、己を高めあう場として。

 また、テレビ中継される為、闘技場に入りきれない人達も見る事ができる。

 闘技場の外にも、大スクリーンで公開されるみたいだ。

 それを見て、げんなりしたのは言うまでもない。

 なんで当日まで教えてくれないんだよ。

 いや知ってたら参加してないもんね、言わなくて当たりだよチクショウ。

 今回の戦いでは大精霊を召喚しないようにとディーネに言われたので、ディーネとは今回別行動だ。

 まぁ、一対一で戦うんだし、ディーネを加えたら卑怯だよね。


「蓮華様、行きましょう」


 そして、シリウスに案内されて闘技場の中へ進む。

 そうそう、私はちゃんと仮面をつけている。

 ロイヤルガードの制服を着ているが、顔は隠す方向だ。

 声はまぁ、もうそのままで行く事にした。


 開けた場所に出る。

 そこには、とても見知った顔が居た。



-マーガリン視点-



「クレス、突然の事だったのに、すまないわね」


「いや、マーガリンの言う事ならば構わないさ」


 と穏やかに答えるのは、今回の王覧試合の開催国の国王だ。


「マーガリン様が王覧試合をご覧になられるなんて、いつぶりでしょう。それほど、今回の戦いは良いものとなるのでしょうか?私、楽しみです」


 と言うのは、開催国の王妃だ。


「そうね、個人的に楽しみなのは、今回の大将戦ね」


「ふむ、オーガストが誇るロイヤルガードは、確か今回大将が今までと違っていたな」


 と国王が言う。


「陛下、それだけではありませんわ。テンコーガの誇るインペリアルナイト、その大将をいつも勤めていたコーガが、今回は次鋒となったそうですわ。それはつまり……」


 王妃の言葉に、微笑んで国王が言う。


「あのコーガすら認める者が大将という事か。実に、楽しみな事よな」


 二人の会話を聞きながら、レンちゃんが出てくるのを見つける。

 そして、アーちゃんも。

 二人とも仮面をつけて、ロイヤルガード、インペリアルナイトの正装を着ている。

 うん、良く似合っている。

 格好良いよアーちゃん、レンちゃん。

 思わず微笑みそうになるけれど、今は我慢。

 良い戦いを見せてね、そう願って。



-マーガリン視点・了-



 な、なんで母さんがここに!?

 いやそっか、こういう催しに特別公爵家なら呼ばれるのは普通、なのかも。

 普段見ないキリッとした母さんに見惚れそうになるけど、しっかりと前を見る。

 あれがインペリアルナイトの3人か。

 1人は私と同じか少し上くらいの見た目の男性。

 もう1人は、老齢だけど……実力の高さが伺える。

 そして最後の1人……なんだ?私と同じように仮面をつけてる。

 でも、あいつは只者じゃない。

 凄い覇気がここまで届いてる。

 間違いない、あいつは強い。

 大将、か。

 参ったなぁ、多少強いくらいで、余裕で勝てるだろうなぁなんて考えていたのに。

 開催国の国王が話を始め、次いで両国の国王が話をしている。

 昔から校長先生の言葉とか眠くなる性質だったので、聞いてるようで聞いてない私。

 でも、知っている人の言葉なら別だ。

 母さんが告げる。


「此度の試合、楽しみにしています。正々堂々、己の実力を出しきり、己の国に恥じない力を魅せなさい」


 歓声が上がる。

 透き通った、それでいて力強い言葉だった。

 母さん、格好良いよ。

 そして、対戦表が公開される。


先鋒戦 インペリアルナイト・レオンハルト vs ロイヤルガード・シリウス


次鋒戦 インペリアルナイト・コーガ    vs ロイヤルガード・アルス


大将戦 インペリアルナイト・月光仮面   vs ロイヤルガード・レイ


ぶふぅ!月光仮面てなんだよ!月光仮面て!私の腹筋を崩壊させる気か!

効果は抜群だよコノヤロウ!

ぶはっ……やばい、お腹痛い……!


「れ、蓮華様、仮面をしていますし、俯いているのでばれてはいませんが、笑いすぎです……」


 シリウスが小声で注意してくるけど、だってさぁ!

 審判が中央に立ち、先鋒戦の両名の名前を呼ぶ。

 私も気を引き締め直す。


「シリウス、頑張れ」


 その言葉に。


「はいっ!」


 と真剣な表情で答えたシリウスは、前へと進む。

 物凄い歓声が聞こえる。

 五月蠅い位だ。

 でも、闘技場の二人の表情は真剣そのもの。

 審判の試合開始の合図。

 二人が剣をぶつけ合う。

 シリウスの攻撃を、相手のレオンハルトはよく防いでいる。


「レイ、さん。どう見ますか?」


 そう聞いてきたのは、次鋒戦に出る、えーと、アルスだ。

 対戦表見たわけじゃないよ、ホントだよ。

 誰に言い訳してるんだ私は。


「勝つよ、シリウスは。相手の間合いを把握してるし、動きをちゃんと追えてるからね」


「そうですか、良かった。レイさん、俺は恐らく、コーガ殿には敵いません。あの方はいつも大将を務めていた。インペリアルナイトの中でも屈指の実力者です」


「そんな人を差し置いて、大将になったのか、あの仮面は」


「……正直、俺には信じられません。ですが……あのコーガ殿が、誇りある大将を、簡単に譲るとは思えません。レイさん、貴女の事はシリウスより良く聞いています。後を、頼みます」


「ま、頑張ってみるよ」


 そう会話をしているうちに、シリウスが相手のレオンハルトの剣を弾き飛ばし、勝利を決めていた。

 割れんばかりの歓声が起こり、シリウスが戻ってくる。


「勝利おめでとう、シリウス」


 そう声かける。


「はい!ありがとうございますれ……いさん!」


 今蓮華って言おうとしたな。

 気を付けてねホント。

 そして、アルスが舞台中央へ向かう。

 対するインペリアルナイトのコーガは、なんというか威圧感が凄い。

 なんか、こっちを睨んでる?

 と思ったら、笑いだして言った。


「クハッ!成程、わしでは勝てんな。老兵は死なず、ただ去るのみという事か。いや、実に楽しみな事だ」


 何言ってるんだろうか。

 そして、審判の合図により、試合が始まる。

 アルスの気合の入った一撃を、ものともせずに大剣を振るい、一撃の元にアルスを気絶させる。

 うわぁ……これは実力差がありすぎる。

 シリウスでも勝てなかったんじゃないだろうか、あれには。

 横のシリウスは、真剣な眼差しで見つめていた。

 そして、いよいよ大将戦だ。

 ふぅ、結構早かったなぁ。

 遠目に仮面の男を見る。

 奴も、こちらを見てきた。

 審判に呼ばれる。

 さぁ、出番だ。



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