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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

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76話.蓮華・ノルンVS初音

 街の高台から、蓮華達を見ている者達が居た。


「凄いスピードだな、蓮華先生にノルン先生は。本当に人間なのか?」

「魔族でもあそこまでのスピード出せるのなんて中々居ないよな。それに、凄い美人だし」

「そうだよな。ポーション作る時も近くで教えてくれたんだけど、甘くて良い香りがしたぜ」


 などと、呑気に会話していた。

 蓮華とノルンが魔物達の方へ向かってくれた為、街の北側出入り口付近で待機している者達にはまだ余裕があった。

 南側に戦力を回した方が良かったかもしれないが、どこから敵が来るか分からない為、南側と同等の戦力を配置している。


「お、おい!あれ見ろ!蓮華先生とノルン先生が!」

「なんだあれ!?あれだけの数の魔物達を、一瞬でっ!?」

「す、すげぇ……あの二人、もしかしたらレヴィアタン様より強いんじゃ……」


 北側の者達は見ている事を下で待機している者達にも伝え、大いに盛り上がっていた。

 その時。

 突然、魔物が目の前に現れた。何の前触れもなく、いきなりである。


「ま、魔物だっ!皆、応戦し……ぎゃぁぁっ!」

「なんでこんな近くに!?転送は効かないように結界があったはずだろう!?」

「お、俺の上に、魔物が乗ってっ……た、たすけ……ぐあぁぁぁっ!」


 突然現れた魔物達が襲い掛かってきて、街は大混乱に陥った。




「イシスさん、無事かっ!」

「はいロジャーさん。病院の皆も大丈夫です。蓮華様から頂いていたお守りが、皆を守ってくださいました」

「そうか……!しかし、何故魔物が突然……!」

「ロジャー!ミア達を連れてきた!どうすんだ!?」

「よくやったユリィ。まずは病院内の魔物を掃討する。その後は病院を起点に、街の人達の救助に向かうぞ。蓮華様達ですら予測できなかった事態だ、皆油断するなよ!」

「「「おおおっ!!」」」


 騎士隊のロジャーを筆頭に、魔者達も協力して病院内の魔物を駆逐していた。

 街中で突然現れた魔物達により怪我を負った者達は、ギルドと病院に駆け寄り、治療を受けてから街を守ろうと戦力に加わっていくのだった。




「はぁぁぁっ!!」


 キィィィンッ!


「こんのっ!」


 キキンッ!


 剣と剣が弾けあう。

 私達の攻撃を、まるで柳のように受け流す彼女。


「ふふ、楽しい踊りですわね。ですが、こう単調なのは飽きてしまいますわ……少しテンポを上げますわよ?ついてきてくださると嬉しいですわ」


 キキキキキキンッ!!


「「くっ!?」」


 右手の剣で私を、左手の剣でノルンを相手する彼女は、これまでより更に速い動きで剣を振るう。

 それも、片腕づつでやっと防げるレベルな為、仮に私だけで突っ込んだ場合、その二刀の刃を防ぎきる事が出来ない。

 だから私達は常に二人で攻めている。


「やりますわね。このスピードでもついてこられるなんて……成程、大罪クラスはあるという事ですわね。なら、少し力を使うとしましょうか」

「「!?」」


 瞬間、体が凄く重くなる。いや違う、これは私達の周りに何かっ……!


「『グラビティプレス』。重いでしょう?今貴方達の周りに、重力の力場が発生しておりますのよ。重力万倍といった所ですわね。その状態で、同じように避けられるかしら?」


 まずい、そんなもんゴ○ウでも動けないんじゃないの!?

 地面が凹み、私とノルンを中心に軽くクレーターが出来あがる。


「れん、げ……!アンタはまた、こんな時にアホな事を、考えてんじゃないわよ……!」


 だからなんで分かるのぉ!?

 ぐっ……本当にアホな事を考えてる場合じゃない!

 まずはこれを解かないと……!


「『アンチマテリアル』!シュート!」


 私はソウルを銃の形に変え、なんとか腕を上げて彼女を狙い撃つ。


「甘いですわ」


 彼女はその剣で軽く斬り裂いた。それを狙ってたんだ!


「なっ!?」


 斬り裂かれた銃弾は割れ、彼女の全身を覆う。

 瞬間、私達の周りにあった重力場は消える。


「やるじゃない蓮華!行くわっ!」


 私もノルンに続き、彼女の元へ駆ける。


「やりますわね。絶魔糸で創られた弾丸ですわね。継続魔力を使用する魔法には効果的な手段ですわ」

「「はぁぁぁっ!!」」

「けれど、まだまだですわね」


 彼女の剣が、私達を斬り裂く。

 障壁は一瞬で突き破られ、数メートル後ろへと吹き飛ばされる。


「がはっ!くっ……」


 胸からお腹にかけて、斜めに傷を負う。

 『ヒーリング』を掛けるが、効果がいつもより遅く、中々治らない。


「私から受けた傷は治りが遅いですわよ?腐食させようと魔素が侵食してますもの。治療のスピードが下回れば、すぐ死に至りますわ。そんな死に方はしないでくださいね?もっと、私に付き合ってくださいな」


 妖艶に微笑む彼女は、悪魔のようだった。

 そして、滅茶苦茶強い。

 私はユグドラシルの特性で、ダメージが半減している。

 それに加えて、少しづつ回復していくはずなんだけど、それが今は効力を発していない。

 そうだ!ノルンは!?

 気が付いてノルンの方を見ると、倒れて起き上がっていない。

 すぐに傍に移動する。


「の、ノルンッ!しっかりして!ノルン!」

「れん、げ……ごめ、なさい……私は、回復魔法を、使えない……から……後は……」


 全てを言わせる前に、私はレニオンを召喚する。


「酷い傷……任せて蓮華」

「うん、お願い」


 状況をすぐに察してくれたレニオンは、ノルンに回復魔法をかける。


「へぇ、大精霊。それも魔界に不在だったレニオンだなんて……美味しそう、ですわねぇ」


 ぞくり、と背中に寒気が走った。

 捕食者が獲物を見つけた、そんな顔をしているように思う。

 でもここでレニオンを還せば、ノルンが死んでしまうかもしれない。


「お前の相手は私だ!」


 ソウルを彼女へと向ける。

 彼女は面白そうに私を見つめてきた。


「二人で押せなかったのに、一人で勝てるかしら?それとも、何か秘策でもあるのかしら?」

「……」


 あることは、ある。

 だけど、毎回頼んで良いものかどうか……


"構いませんよ、蓮華。ただ、勝てるかどうかは分かりませんが"


 突然ユグドラシルにそう言われ、唖然としてしまう。

 あのユグドラシルが、そう言うなんて。


"私が使うのは、あくまで今の蓮華の体ですからね。まぁ、やれるだけやってみましょう"


 ユグドラシル、ありがとう。

 いつも助けてもらってばかりで、ごめんよ。

 ユグドラシルの力を借りなくてもいいぐらいに、強くならないと……!

 そうして、私の意識は奥へと沈む。


「あら……?髪の色が変わった……?いえ、それだけじゃないですわね。この魔力の力強さ、それに……内から感じるもの。先程とは別人のようですわね?」


 そう彼女が言うのを、ユグドラシルは澄ました顔で答えた。


「貴女の様な化け物と問答するつもりはありませんよ。大人しく消え去るならよし、そうでないなら……」


 ソウルイーターを構え、彼女を睨む。


「ここで、消します」


 彼女は嬉しそうに笑った。本当に心から笑ったように見える。


「あははっ!あはははははっ!良い、良いですわ貴女。凄く良い……!その自信に満ち溢れた言葉に態度、そしてそれを裏付ける魔力の質……素敵よ、素敵。あぁ、この感覚がどこまで本物なのか、確かめさせて頂戴ね!」


 私とノルンが戦った時には見せなかった構え。

 二刀の剣を構え、ユグドラシルと相対する。

 私が見ても、一分の隙も見当たらない。

 どこから切り込んでも返されると思う。

 そんな構えに、ユグドラシルは行動を開始した。

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